取り回ししやすい全長と広々した車内空間が特徴のホンダ「フリード」。現行モデルはすでに5年が経過していますが、2021年の上半期ではホンダ車の登録車でトップの売れ行きを記録しています。なぜフリードは人気なのでしょうか。

フリードの魅力はどんなとこ? オーナーに聞いてみた

 昨今人気を集めるジャンルはSUVですが、コンパクトトールワゴンも着実に販売を伸ばしています。

 日本自動車販売協会連合会(自販連)が毎月発表する登録台数ランキングを見ても、トールワゴン系が上位にランクインしており、人気モデルがひしめき合っている状態です。

 そんな状況はホンダ「フリード」の人気が実証しています。軽自動車を除いたホンダ全車のなかで、フリードは「フィット」以上の新車販売数を記録。

 2021年上期(4月から9月)の登録台数は、フリードが3万2203台とホンダ車でトップとなっており、2万1936台のフィットを上回る売り上げとなっています。

 現行のフリード(2代目)のデビューは2016年。5年以上が経過したモデルなので新車効果で売れているわけではないようです。

 そこで、フリードを購入したばかりのオーナーに、同車の魅力や選んだ理由を聞いてみました。

 神奈川県在住のKさん(40代・男性)は奥様と子ども2名という4人家族で、まさにフリードのターゲット層にピッタリ合致。

 普段は奥様がメインでハンドルを握るとあって、クルマ選びの選択権は奥様の意向が大きかったのだそうです。

「子どもが大きくなってきたことと、いままで乗っていたスズキ『ソリオ』が少しずつ古くなってきたので、フリードに乗り換えました。

 使い勝手や取り回し性を重視してソリオの新型も考えたのですが、少しだけ車格をアップさせたいと思っていた矢先に、ちょうどフリードの新古車があると近所のホンダディーラーで聞き、購入しました」

 以前乗っていたのがソリオだったということで、コンパクトトールワゴンの使い勝手の良さをわかっていたからこそ、スムーズに乗り換えできたようです。

「平日は自分より妻が運転する機会が多いのですが、見切りと取り回しが良くて運転しやすいといっています。

 車内が広々としていることが条件だったので、フリードの室内に満足しているようです」(Kさん)

 では最終的にフリードに決めた理由は何だったのでしょうか。

「ソリオと同じトールワゴンでありながら、ワンランク上の車格に見える存在感と洗練されたデザインで決めました。

 あとは車内の広さやスライドドアの利便性、乗降性の良さ、いざとなれば多人数乗車できる3列シートと、欲しい装備がすべてついていたのも大きいです。

 個人的には4WDが欲しかったんですけど、値段と新古車ということが理由で2WDになりました」(Kさん)

 ソリオより少々サイズが大きくなったとはいえ、フリードの扱いやすい5ナンバーボディの恩恵は大きく、借りている駐車場を変更する必要もなく、高速巡航も以前より楽になったとKさんはいいます。

「たまに両親や子どもたちを含めて6名乗車で3列シートまで使うこともあるんですが、ソリオより排気量がアップしたことでパワー不足を感じることが減りました」(Kさん)

 また、ホンダの安全運転支援システム「Honda SENSING」の高性能ぶりに驚いたそうです。

 前走車と一定の距離を保つ「アダプティブ・クルーズコントロール」や「レーンキープ」などは、高速道路を走行する際に非常に便利だとKさんはいいます。

「個人的には、重心の高いSUVより低重心のフリードでよかったと思っています。また、機能や装備と価格のバランスもいいと思います」(Kさん)

 燃費や使い勝手などはまだ完全に把握できていないそうですが、ハイブリッドモデルとのことなので、燃費も期待できそうとのことです。

 実用性と快適な車内空間を併せ持つコンパクトトールワゴンは、現在求められているファミリーカーの理想にもっとも合致するモデルだといえるでしょう。

「ちょうどいい」ミニバンとして人気を博すフリード

 フリードは、2001年から2008年に販売されていた「モビリオ」の後継モデルです。

 2008年に初代フリードが誕生。2代目フィットのプラットフォームや1.5リッターエンジンなどを活用し、全長4215mm×全幅1695mm×全高1715mmという街中でも扱いやすいコンパクトミニバンとして登場しました。

 当時のCMもキャッチコピーにもなっていた「ちょうどいい」ミニバンとして人気を博し、2016年には現行型となる2代目フリードがデビュー。

 3列シートのフリードと2列シートモデル「フリード+」を共通のデザインでラインナップしています。

 サイズは全長4265mm×全幅1695mm×全高1710mmと初代とほぼ変わらず、ミドルクラスミニバンの「ステップワゴン」と比較すると全長は425mmも短く、全高も130mm低いため、非常に取り回ししやすいサイズとなっています。

 パワーユニットは、1.5リッターエンジンに加えて1.5リッターエンジン+1モーター内蔵のデュアルトランスミッションを搭載した「SPORT HYBRID i-DCD」を採用。

 またこのクラスとしては初になる、ハイブリッド4WDモデルもラインナップしています。なお、このハイブリッドシステムは、モーターのみのEV走行も可能です。

 ちなみに2列シートモデルのフリード+は先代にあたる「フリードスパイク」よりテールゲートの開口部を185mm下げ、さらなる低床化を実現しています。

 さらに、2列目シートにはダブルフォールダウン機能を採用してフルフラット化を実現するなど、たくさんの荷物を載せたり車中泊も可能とするなど、使い勝手の良い室内を特徴としました。

 ファミリー層はもちろん、幅広い層から人気を得ているフリードのシリーズ累計販売台数は100万台突破を突破(2021年6月末時点)。

 フリードは子育て層、フリード+は独身者や子離れ層が多く占めるなど、さまざまなユーザーから支持を得ています。

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 実用性の高さとホンダならではのセンスを感じさせるデザイン、そして進化した安全運転支援システムなど、フリードは求められる性能を高次元でバランス良くまとめています。

 街乗りもしやすく、アウトドアにも使えるオールラウンダーぶりで、しばらく人気は続きそうです。