大きなトンネルには、非常時に避難するための「非常口」が設けられています。では、その非常口の先はどこに繋がっているのでしょうか。

普段は見ることのできない「非常口」の先には何がある?

 高速道路などのトンネルには「非常口」が設けられています。非常口のなかはどのようになっていて、どこに繋がっているのでしょうか。

 トンネル内で火災や大規模な事故などが発生した際に、使用されることがある非常口ですが、基本的には実際に使用する機会は少ないです。

 2021年5月31日には、名神高速道路の天王山トンネル内で、トラックが火災を起こしたという事故の事例もあり、いつどこでそういった事態に遭遇するかは予測ができません。

 では、トンネルの非常口はどこに繋がっているのでしょうか。非常口からトンネルの外への避難経路について、首都高の広報担当者は、次のように話しています。

「首都圏の山手トンネルなどの長く大きいトンネルにおいては、非常口が歩道や中央分離帯といった街路上に繋がっています。

 東京港トンネルなどの沈埋トンネルや比較的短いトンネルにおいては、坑口付近の換気所から街路に出ることができます」

 このように、避難経路はトンネルの場所や形状によっても異なるため、一概に示すことはできませんが、なかには階段で地上に出る場合や、長い通路をまっすぐに歩き続ける場合などもあるようです。

 非常口には、地面に避難経路を示す矢印がペイントされていたり、看板が設置されていたりするうえに、基本的に照明も完備されており、安全に行動できるように配慮されています。

 地上に出るまでに時間を要する場合もあるようですが、落ち着いて経路をたどることで、安全な場所に出ることができるようになっています。

 首都高では「非常口は安全な空間である」として、「まずは避難の際に、落ち着いて行動すること」を呼びかけており、とにかく焦らず行動することが求められます。

 また、トンネルからの避難で重要になるのが、首都高の担当者が話す「換気所」の存在です。換気所とは、一体どのようなものでしょうか。

 換気所とは、主に高速道路のトンネル内の空気を換気するために備え付けられている設備です。

 例えば、東京港トンネルの換気所は、東京港を挟んで臨海副都心側と大井側にあるふたつの白い大きな建物となっています。

 換気所には、トンネル内を安全かつ快適に走行するために必要となる、換気・防災・照明などの関連設備があり、東京港トンネルの換気所のように、比較的大きく設計されることが多いようです。

 なお、首都高では、公式ホームページにおいて各トンネルの避難方法や経路について、実際の非常口を利用した動画を公開しています。

避難の判断は自分でしても良い? 実際の避難の際の行動とは

 高速道路利用者の安全を守る非常口ですが、実際にトンネル内でトラブルが起きた際は、自分の意思で避難しても良いのでしょうか。

 前出の首都高担当者は、非常口の利用について「お客さまが地震や火災などの際にトンネルから避難が必要と判断された際には、ご自身の判断で非常口を開け避難をしてください」と説明します。

 一方で、高速道路で火災などのトラブルが起きた場合には、トンネル内のスピーカーから緊急放送が流されるようになっているといいます。

 さらに、「地震や火災などが発生したときや、トンネル用信号機やトンネル警報板に情報が表示されたときなど、外に出るような誘導があった場合は、速やかにトンネルの外に出てください」とも話しており、このように誘導されて避難に至る場合も多いようです。

 では、実際に避難するときはクルマなどをどのように置いていったら良いのでしょうか。担当者は避難の方法について、次のように話します。

「まず、トラブルが起きた際は、クルマは非常口の前を避けて、左側か右側に寄せて停車させてください。

 そして、鍵は車内に残したままにし、ドアはロックしないで避難をおこなってください」

 これに加えて、首都高では貴重品をしっかりと持って逃げることや連絡先のメモをクルマに残すことを推奨しています。

 ただし、いかなるときでも命が最優先であるため、すべての行動に関しては安全に配慮したうえで、冷静に判断をおこなうように心がけましょう。

※ ※ ※

 首都高では、もし、車椅子や怪我などで階段を利用できない場合は、非常口内に設置されている非常電話から係員へ連絡し、その場で待機するように求めています。
 
 避難が必要な場合には、年配の人やけが人など、互いに助け合って行動するように心がけましょう。