ガソリン価格が高騰しています。11月1日にはレギュラーガソリンの全国平均小売価格が168.7円と、2014年8月以来およそ7年ぶりの高値となりました。今後は冬のシーズンに向けてどのようになっていくのでしょうか。

値上げを続けるガソリン価格 今後はどうなる?

 ガソリンの値上がりが止まりません。

 2019年末から2020年初頭にかけて値上がりし、2020年1月20日には151.6円(レギュラーガソリン1Lあたり全国平均/石油情報センター調べ。以下同)だったガソリン価格は、コロナ禍の拡大で2020年5月11日に124.8円まで下落。その後、秋口まで133〜135円前後の水準が続きました。

 しかし2020年10月からガソリン価格は値上がりに転じ、ほぼ一本調子の上昇となります。

 そして2021年3月には150円台に乗せ、7月12日には158円に達します。ここから9月27日までは緩やかな値上がりが続く状況となりますが、10月4日に160円に達してからは価格上昇が顕著になり、11月1日には168.7円と、170円台がもう目の前になりました。これで9週連続の値上がりとなり、もちろん今年最高値です。

 その理由について、石油情報センターは以下のように話します。

「ガソリン価格を決める最大の要素は原油価格です。この春以降、世界的にコロナ禍からの経済回復で原油の需要が増えている一方、産油国が増産にはあまり前向きではないことから、原油価格は上昇を続けています。また原油の先高感から投機資金が原油先物市場に流入していることも、原油価格上昇の要因のひとつに挙げられます」

 では今後のガソリン価格はどうなるのでしょうか。

「産油国が需要増に応じた増産に踏み切るかどうかが最大のポイントです。この点について、11月4日、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど主要産油国で作る『OPECプラス』が閣僚協議をおこない、消費国が求める12月の原油の追加増産について対応を検討しました」

 そのOPECプラスは従来の方針を12月も維持することで合意、新たな増産には応じませんでした。

「各国がさらなる増産に合意すればガソリン価格は落ち着くことが考えられましたが、消費国の求めに応じなかったことから、現在の上昇局面は今後も続くことになるのではないでしょうか」

ガソリンにかかる税金が高すぎな理由

 ところで「ガソリン価格が高い」と感じる一因として、ガソリンにかかる税金が高額であるという事実があります。

 ガソリンにかかる税金(本則税率)は本来、1リッターあたり28.7円(揮発油税24.3円+地方揮発油税4.4円)ですが、じつは1970年代、道路整備の財源不足に対応するため、「暫定税率」として25.1円(揮発油税24.3円+地方揮発油税0.8円)を上乗せする措置がとられました。

 この措置はあくまで「暫定」、つまり「一時的な取り組み」だったはずですが、実際には延長に延長を重ね、21世紀に入っても続いています。

 2007年から2008年にかけてのガソリン価格上昇の局面では、民主党(当時)の主張により国会審議が棚上げされたことで期限切れを迎え、失効する局面もありましたが、衆議院での再議決によりわずかひと月ほどで復活しました。

 さらに2010年3月の租税特別措置法の改正では「暫定税率」が「特例税率」へと名称が変更され、高い税率がいっそう固定化される形となってしまったのです。

 ただこのとき、あわせて「トリガー条項」として、ガソリン1リッターあたりの平均価格が3か月連続で160円を超える場合は、特例税率の運用を停止する仕組みも決まりました。

 つまりガソリン価格が1リッター160円であれば、(単純計算で)134.9円まで値下がりするということになり、ガソリン高騰にともなう企業や消費者の負担は大きく減るはずでした。

 しかしトリガー条項は、翌2011年3月に発生した東日本大震災の復興予算確保の観点から「東日本大震災の復旧及び復興の状況等を勘案し別に法律で定める日までの間」、その適用が停止されることとなり、現在に至っています。

 ただ現在のようにガソリン価格が高止まりしたまま「特例税率」の上乗せが続くと、コロナ禍からの復活を目指す日本経済が大きな影響を受けてしまうことは、想像に難くありません。

 ガソリン価格を抑え、個人消費や企業活動への影響を最小限にすることも「コロナ禍からの復興」であることも考え、「コロナ対応補正予算」の一部を財源にトリガー条項を復活させるという政治的決断を望みたいところです。