2020年にはコロナ禍による景気低迷がありましたが、2021年に入り輸入車の新規登録台数は順調に伸びていました。ですがここ数カ月は急ブレーキがかかり、2021年10月の新規登録台数は1万4988台と、前年同月比で67.9%と落ち込みました。その理由とはなんでしょうか。また上位のドイツブランドが落ち込むなか、6位のボルボが90.6%とまだ勢いをキープし続けているのはなぜなのでしょうか。

コロナ禍からの脱却で順調だった輸入車市場が急激に落ち込んだ理由

 輸入車の新車登録台数に急ブレーキがかかっています。

 2021年11月5日に日本自動車輸入組合が発表した「輸入車新車登録台数速報」を見ると、外国メーカー車の2021年10月の新規登録台数は、前年同月比で67.9%となる1万4988台でした。

 2021年度上半期(2021年4月から9月)の外国メーカー車の新車登録台数は、前年比118.5%と好調に進んでいたところに、いきなりのひどい数字です。

 2021年10月の新規登録台数をブランドごとに数字をチェックすると、メルセデス・ベンツが前年比54.2%、フォルクスワーゲンが同78.8%、BMWが同65.6%、アウディが同73.9%、BMWミニが同57.7%という散々な結果となっています。

 どこも2021年の夏過ぎまでは、2020年のコロナ禍を挽回する数字を稼ぎ出していたのに、この秋になって急激に数字を悪化させているのです。

 では、なぜ、突然にこのようなひどい成績になったのでしょうか。

 その理由ははっきりしています。それは世界的な半導体不足やコロナ禍による部品供給の停滞による自動車生産の減少です。受注は順調なのに、売るクルマがないために新車登録にブレーキがかかってしまっているのです。

 ところが、そんな中で前年比90.6%と、勢いを維持しているブランドがありました。それがボルボです。いったい、なぜ、ボルボは新車登録台数の急減を避けることができたのでしょうか。

 早速、ボルボ・カー・ジャパンの広報スタッフに話を聞いてみました。

「やはり、輸入車全体としては、受注ができていても、クルマの供給ができていないという状況です。半導体もありませんし、コロナ禍でハーネスなどのパーツがなくて、生産が難しくなっています。そうしたなかで、ボルボの数字が悪化しなかったのは、日本市場への優遇が理由になります。

 ボルボは世界トップ10マーケットに対して、供給を優先して融通しているのです。日本は、そのトップ10のひとつとして優先されていたのが理由です」とボルボ日本法人の広報スタッフは説明します。

 半導体や部品の不足という問題は、ボルボにも同じように直面していますが、そうした中でも優先すべき市場には、なんとかやりくりして作ったクルマを送っていたというのです。

日本市場を優先してもらえたボルボだが、今後はどうなるか先が見えない

 スウェーデンのボルボ本社から2021年11月3日に発表されたプレスリリースには、以下のように書かれています。

「ボルボの2021年1月から10月の販売台数は、前年比12.6%増の58万1464台を記録。ただし、10月の世界販売台数は5万815台で、前年同月比22.2%減少しました。この減少は部品の不足が生産に影響したことに関連しています」

 やはり、ボルボも2021年前半は調子が良かったものの、この秋になって、世界全体としては生産減に陥っていたのです。

「調整して、なんとか送ってもらっていたわけですから限界はあります。余力はありませんから、この先のことは残念ながらわかりません」と、ボルボの日本法人の広報スタッフは話します。

 ちなみに、現在、ボルボの受注は「XC40」「XC60」「XC90」といったSUV系が順調とか。

 世界全体では、XC60が2021年の1月から10月にボルボ車でもっとも数多く売れた車種となり、その数は17万7995台(2020年は14万9855台)にもなっています。次いでXC40で、17万0907台(2021年が14万2159台)、そしてXC90が8万9041台(2021年が7万195台)となっています。

 ただし、苦しいなかでもボルボの電動車、EVやプラグインハイブリッドの割合は徐々に上昇しているようです。

 2021年1月から10月に全世界で販売されたボルボ車のうち、EVとプラグインハイブリッド車の割合は25.5%にも達しています。10月だけに限っていえば31.5%にも高まっています。

 また、2021年10月にはボルボのEVである「C40リチャージ」の生産が欧州のゲントにて開始され、日本でも2021年11月中に発表されるとか。
 
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 ボルボは「2030年に新車販売の100%を電気自動車にする」という目標を掲げています。

 厳しい状況のなかでも、着々と目的に向かって歩んでいるというのが、ボルボの現状ということでしょう。