近年、クルマの諸性能は飛躍的に進歩しました。とくに安全性能の向上はめざましく、事故を未然に防ぐ技術は急速に普及しています。そんな安全技術に欠かせないのが光学カメラで、かつては純正オプションのみだったものが、アフターマーケット部品としても展開されるようになりした。そこで、実際に「くるまのニュース」編集部でも使ってみました。

最新のデジタルルームミラーの実力とは?

 内燃機関を搭載したクルマが発明されて以来、すでに120年以上もの歳月が経ちました。その間、クルマは劇的に進化を果たしたといえるでしょう。

 とくに2000年代になって目覚ましく技術発展を遂げたのが、安全性能です。

 万が一の事故が起きた時に乗員を守るモノとして、シートベルト、エアバッグ、そして効率良く衝突エネルギーを吸収しつつキャビンを強固にする車体構造の採用が拡大。

 さらに、事故を回避するABSや横滑り防止装置などは次々と装着が義務化され、事故の予防技術、もしくは事故を回避できないと判断しても被害を最小限に抑えるプリクラッシュセーフティが2000年代から一気に普及し、現在も進化を続けています。

 自動運転の実現にも通じる安全運転支援システムですが、これに欠かせないのがクルマの目となるレーダーと光学系のデジタルカメラです。

 とくにデジタルカメラは技術革新によって安価に製造が可能で、クルマの各部に取り付けられるようになりました。

 衝突被害軽減ブレーキに使われる単眼カメラとステレオカメラ、カーナビのモニターやディスプレイオーディオと連動するバックカメラ、フロントカメラ、クルマを擬似的に俯瞰で映すサイドカメラ。

 事故が起きた時などの状況を記録するドライブレコーダー、そして、これまで鏡を使うしかなかったサイドミラーとルームミラーもデジタルカメラで撮影する映像を映すデジタルミラーも実用化されるなど、クルマの全方位に光学カメラが配置されています。

 これらのカメラの多くは、当初、メーカーオプションとして設定されるにとどまり、オプション設定されていないモデルや、中古車などでは装備できませんでした。

 しかし、現在は社外品のカーナビで当たり前のようにバックカメラが追加でき、さらにデジタルルームミラーも後付けできるようになり、数多くのメーカーから販売されています。

 なかでもデジタルルームミラーは、自動車メーカーによってはオプションでも設定されているモデルが少ないケースや、そもそもオプション設定されていないメーカーもあるのが実情です。

 そこで、「くるまのニュース」編集部員が自家用車にデジタルルームミラーを取り付けて、試してみました。

死角が大きく減ると同時に夜間に絶大な効果を実感

 今回、試してみたデジタルルームミラーはケンウッドの「DRV-EM4700」で、正確にはデジタルルームミラー型ドライブレコーダーです。

 ラインナップは12型液晶のDRV-EM4700と、10型液晶の「DRV-EM3700」の2タイプがあり、今回は12型で検証しました。

 そして、取り付けたクルマはルノーのトールワゴン、2代目「カングー」です。カングーはすでに本国フランスで新型の3代目が販売されており、数々の安全運転支援システムが搭載されていますが2代目には搭載されおらず、デジタルルームミラーのオプション設定もありません。

 さらに2代目カングーのリアゲートは横に開く観音開きで、開閉に大きな力を必要とせず、後方にスペースがあまり無くても荷物の出し入れができるなど、使い勝手は良好なのですが大きな欠点が真後ろの死角の多さです。

 観音開きという構造上リアウインドウが2分割され、センター付近に幅広のピラーがあり、リアウインドウの面積も小さくなっています。

 そのため純正のルームミラーも必要最低限の画角で、一般的な国産トールワゴンやミニバンと比べても、かなり死角が多い印象です。

 そこで、リアゲートにカメラを取り付け、DRV-EM3700の本体を純正ルームミラーに重ねるかたちに設置。大きさ的には市販のワイドミラーと同等のイメージで、とくに気になりません。

 実際に走ってみると、当然ながらリアゲートの形状に関係なくクリアな視界となりました。画質は良好かつ実像とのタイムラグはわずかです。

 画角も左右にワイドとなり、真後ろだけでなく両サイドの視野も広くなって、サイドミラーによる目視だけよりも合流時はかなり安心できます。

 また、夜間のドライブでは後続車のヘッドライトによる眩惑もなく、街灯の明かりだけでもかなりクリアな映像となっています。さすがに街灯もあまり無いような場所では映像は荒くなりますが、プライバシーガラス越しに目視するよりもよく見えます。

 後退時はカーナビのバックカメラと併用することで上下方向の広い視界が得られ、リアカメラは本体のモニターをタッチすることで角度も調整できるので、後退時により死角を減らすことも可能です。

 そして、本機のメインはドライブレコーダーでは、リアのカメラは後方用、本体右側のカメラはフロント用として機能し、フロントカメラの映像はリアルタイムにモニターに映すこともできます。

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 カングーのように使い勝手の良いトールワゴンは、フル乗車や、荷物を大量に載せることも珍しくありません。そんな状況でも人の頭で後ろが見づらいこともなく、リアウインドウが隠れるほどの荷物を積んでもデジタルルームミラーなら視界は良好なままです。

 同様なシステムの製品はすでに数多く販売されており、オプション設定されていないクルマでも後付けすることで、安全性が向上するのは間違いないでしょう。

 これも技術の大きな進歩といえますが、過信は禁物です。とくに後退時はサイドミラーも併用しつつ後方を直接目視して、安全確認を忘れないようにしましょう。