2021年6月に日本で発売されたフォルクスワーゲン(VW)新型「ゴルフ」。同年7月にはそのワゴンモデル「ゴルフ ヴァリアント」も登場しています。今後さらにスポーツモデルの「ゴルフGTI」、ディーゼルの「TDIモデル」など続々とラインナップに加わる予定ですが、日本上陸からおよそ半年の販売状況はどうなのでしょうか。

ハッチバックに続き7月には「ゴルフ ヴァリアント」も上陸

 フォルクスワーゲンの主力モデルである「ゴルフ」。その最新世代である、8代目モデルが日本で発売になったのは2021年6月15日。発売から約半年が経とうとした現在、最新ゴルフの販売状況などを紹介します。

 VWゴルフの世代交代は8年ぶりとなります。2013年より日本で発売された先代の第七世代のゴルフ(通称ゴルフ7)は、輸入車として初めて「日本カー・オブ・ザ・イヤー」を獲得。走り、環境性能、安全性能、価格など、様々な側面から見てバランスが良いという、非常に高い評価を得たモデルでした。

 そんな先代モデルのベースを引き継ぎ、現代に相応しく「デジタル化」「電動化」「ドライバーアシスタントシステム(先進運転支援システム)」を進化させたのが、新世代となる第8世代のゴルフです。

 インテリアには、通信機能を備えたインフォテイメントシステムとデジタルメーターを標準化。シフトなどの操作系も新世代を感じさせるシンプルなものとなりました。

 パワートレインには、48Vマイルドハイブリッドシステムを採用。組み合わせるエンジンは現在、最高出力110馬力の1リッターおよび150馬力の1.5リッターのガソリン・ターボエンジン(TSI)の2種。2リッターディーゼルエンジンの「TDI」やスポーツモデル「ゴルフGTI」も、もうまもなく日本にやってくる予定です。

 また、ステアリング操作をアシストしながら前走車を追従するACC機能だけでなく、運転手が病気などで意識を失ったときに自動で車両を停止させる機能など、最先端の運転支援システムが搭載されています。

 車両価格は291万6000円(消費税込、以下同)から375万5000円。発売前となる2021年2月より開始された先行予約では、約1か月で受注が1000台を突破したとか。

 また、7月28日にはステーションワゴンの「ゴルフ・ヴァリアント」を追加発売しています。パワートレインは、ハッチバックと同じく1リッターと1.5リッターの2本立て。こちらの価格は、305万6000円から389万5000円となっています。

「BMWミニ」と輸入車トップの座を争うことになりそう

 では、そんなゴルフの売れ行きは、どのようなものでしょうか? 

 チェックしたのは日本自動車輸入組合(JAIA)が発表する「外国メーカー車モデル別新車登録台数順位」です。ただし、これは単月ごとではなく、四半期、半期、暦年、年度ごととなります。

 まず、発売前となる2021年上半期(1月から6月)のランキングを見ると、ゴルフは11位(2885台)。トップは、BMWミニの9135台です。まだ、新型が発売されていないということで、ゴルフはランキングの下位に沈んでいます。

 そして、6月のゴルフ、7月のゴルフ・ヴァリアントの発売直後となる、2021年第3四半期(7月から9月)の順位はどうかといえば、ゴルフは2位(5475台)にジャンプアップ。VWの大黒柱らしいポジションに返り咲いています。

 ただし、そんなゴルフの躍進に待ったをかける存在がありました。それが1位を取ったBMWミニ。こちらの販売は8285台です。

 じつはBMWミニの売れ行きは、ここのところ絶好調で、暦年(1月から12月)でいえば、2016年から2020年まで5年連続で「モデル別新車登録台数ナンバーワン」を獲得しています。つまり近年の輸入車ベストセラーカーは、BMWミニになっていたのです。

 そして、その王者であるBMWミニも2021年5月25日にマイナーチェンジをしたばかり。ゴルフとBMWミニは、この夏バチバチの新車対決をおこなっていたというわけです。

 ちなみに、BMWミニが輸入車トップとなったのは2016年から。その前のナンバーワンは、当然のごとくゴルフでした。

 JAIAの記録が公開されている2003年以降、10年以上もナンバーワンの座はゴルフが守っていたものです。まさに、ゴルフとミニは屈指のライバルといえるでしょう。

 しかしゴルフが、ナンバーワンの座を諦めるわけはありません。この後も、スポーティモデルである「ゴルフGTI」や、走りや燃費性能に優れるディーゼルエンジン(TDI)モデルを投入してきて、追撃するのは間違いありません。ゴルフとBMWミニの戦いは、この年末商戦にも続くことでしょう。

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 とはいえ、そんな戦いに水を差す存在もあります。それがコロナ禍による半導体や部品の不足です。

 これによって現在、世界中の自動車メーカーの生産が滞っている状況です。輸入車の日本における新車登録台数も、2021年8月までは前年比プラスで推移してきましたが、9月以降は急ブレーキがかかり、9月で前年比85.1%、10月は67.9%という、ひどい有様です。

 聞けば、どこの輸入車ブランドも「受注は堅調だけれど、生産が遅れて、日本に届かない」というのです。売るものがなければ、新車登録も増えるわけがないというわけです。

 こうした半導体不足や部品不足の解消は、数か月単位ではなく、年単位の時間が必要という見かたもあります。せっかくの新型車もモノがなければお話にならず、なんとも残念な話としかいいようがありません。