年末年始に向けて、いよいよ降雪が本格化してきました。2021-2022シーズンは、ラニーニャ現象の影響から全国的に気温が低く、日本海側では降雪が多い予報となっています。年末年始に帰省などで雪国にドライブする人は、例年以上に念入りな準備が必要となりそうです。

雪道の運転にはどのような準備&装備をすればいい?

 2021年12月24日、国土交通省は「大雪に対する緊急発表」を出しました。

 同月25日から28日頃にかけて強い冬型の気圧配置となる見込みで、北日本から西日本の日本海側を中心に荒れた天気や大雪となる恐れがあります。
 
 また、太平洋側でも山地を中心に大雪となり、平地でも積雪のおそれがあることから各所に注意を呼びかけています。

 2021年から2022年にかけた冬シーズンは、ラニーニャ現象の影響から全国的に気温が低く、日本海側では降雪が多い予報となっています。

 年末年始に帰省などで雪国にドライブする人は、例年以上に念入りな準備が必要となりそうです。

 そうしたなかで、雪道を走行するうえで欠かせないのが、冬用タイヤと滑り止めです。

 雪道を安全にドライブするためには、スタッドレスタイヤかタイヤチェーンなどの滑り止めが必要になります。

 高速道路で冬タイヤ規制が実施された場合には、どちら一方があれば通行することが許さます。しかし、一方で安心というわけではありません。

 昨今はスタッドレスタイヤの弊害で、路面が凍結して劣悪な状態になることが多くなっています。

 大型SUVやミニバンなどの重量車の場合は、スタッドレスタイヤだけでは性能が不十分なこともあります。

 雪道に運転に不慣れな人ほど、両方用意する方が得策でしょう。タイヤチェーンは、深雪に対しても有効な対策です。

 ちなみ昨今トレンドになっているオールシーズンタイヤですが、冬タイヤ規制の場合は注意が必要です。

 かつては「M+S」や「MUD&SNOW」という刻印があれば通行を許されましたが、現在の規制では「スノーフレークマーク」がないタイヤは冬用タイヤとして見なされず、途中インターからの流出を余儀なくされます。

 ちなみに冬用タイヤを購入する場合、見た目で純正サイズよりも大径のものを選んでしまうと、湿雪の場合、スタッドレスタイヤから排出された雪が、タイヤハウス内に付着して空間がなくなってしまい、タイヤハウス内を擦ってコントロールできなくなることがあります。

 そのため、できるだけ純正サイズに近いタイヤを選ぶことをおすすめします。

 またスタッドレスタイヤの寿命は、一般的には3、4シーズンといわれています。

 減り具合に関しては、溝の間にあるプラットホームという小さな壁のような部分が、トレッド面と同じ高さになっていたら、十分な性能を発揮しません。

 またサイプと呼ばれる微細な波形の溝が広がりきっていたり、深さがない場合も同様に性能が不十分な場合があります。

 ちなみに、新品のスタッドレスタイヤを履いた場合は、最低でも100km程度の慣らし運転をすることが理想です。

 昨今のタイヤは新品でもある程度の効果が出るように工夫されていますが、十分な性能発揮とまではいきません。

 横からサイプを見た時に、波形になると「スタッドレスタイヤにアタリが付いた」状態です。

 ちなみにガソリンは、マメに満タンにするようにしましょう。

 ただし、ディーゼル車の場合は、出発地で軽油を満タンにするのはNG。冬の軽油は地域によって異なります。

 軽油にはパラフィンが含まれており、この成分が低温下で凝固。それが燃料フィルターで目詰まりを起こし、エンジンがかからなくなってしまうのです。

 1月から3月は本州の寒冷地では「3号」、北海道は「特3号」といって、凝固を防ぐ添加剤が混ざられた軽油が販売されています。ちなみに、フェリーで北海道に行く場合は、タンクの5割以上が特3号であれば問題ありません。

 エンジンオイルも凍結して、エンジンに大きなダメージを与えることがあるので、事前にチェック・交換しておきます。

 エンジンオイルは粘度が、0w、5w、10wであれば寒冷地でも粘度が上がりすぎることはありません。どの粘度が愛車に適しているかは、自動車用品店やディーラーに相談してください。

降雪時は視界も大切! 事前に出来ることは?

 降雪地帯のドライブにおいて、もっとも重要なのは「滑らない」ということへの対策ですが、同時に視界の確保も大切な準備です。

 何はともあれ、家でやっておきたいのが、フロントガラスの清掃です。車外側は綺麗にするだけでなく、油膜取りを十分にしておきましょう。油膜が付いていると凍結しやすく、霜取りが面倒になります。

 油膜を落としておいても凍結することはあるので、解氷剤やスクレーパーの準備も忘れないようにしましょう。

 解氷剤を用意するのが手っ取り早いですが、代用品として燃料用アルコールも使えます。

 スプレーボトルに燃料アルコールを水で1/3くらいに希釈したものを入れ、これを吹き付ければ十分に解氷することができます。あまり水で薄めすぎると効果がなくなり、しかも現地で凍結するので注意しましょう。

 凍結防止には、ガラス撥水剤も有効です。ウォッシャー液タイプでもOKですが、塗り込むタイプのほうが効果は高いようです。

 走行中の雪も付着も大幅に減りますので、ぜひ試してみてください。ちなみにサイドドアミラーやリアウインドゥも十分に油膜を落とした後、ガラス撥水剤を塗っておきましょう。

 霜取り用スクレパーは専用品が販売されていますが、いらなくなったプラスチック製のポイントカードを斜め半分にカットしたもので代用できます。

 ただし、積もった雪にはスノーブラシが有効です。SUVやミニバンなど、車高が高いクルマに屋根の雪降ろしも含めて必需品になります。

 車内側の窓は、家庭用のガラスクリーナーで清掃しましょう。

 きれいになったら、結露防止剤や曇り止め剤を塗っておくとさらに効果が高まります。

 現地では、靴に付いた雪を十分に落としてから車内に入ると、凍結や曇りを抑制することができます。

 ちなみに、車内にマイクロファイバー製のタオルや、キッチンペーパーを用意しておくと、ガラスやサイドミラーの結露、ヘッドライトの汚れをサッと取り除くことができます。

 ウォッシャー液のチェックも忘れずに。低温に地域に行く場合、ウォッシャー液は原液で入れるのがセオリー。

 水で薄めてしまうと、凍結して出なくなることがあります。すでに希釈された液がタンクに入っている場合は、可能な限り原液を足していきましょう。

 さて、視界の確保という点で、ぜひ用意していただきたいのが、スノーワイパーブレードです。

 通常のワイパーは、気温が零下近くになると可動部が動かなくなってしまいます。

 また拭き取るゴム部分が硬化して、まったく雪を拭き取らなくなり、最後にはアイスキャンディのようになってしまうのです。

 スノーワイパーブレードは可動部をゴムで覆い、さらに低温でも硬化しない拭き取りゴムを使うことで、窓の雪を強力に取り除いてくれます。

 それでも激しい降雪の場合は、ワイパーブレードが雪で固まってしまう場合があるので、そのときは手で雪を取り除いてあげましょう。

 事前に被覆ゴムや拭き取りゴムの根元に、シリコンを塗っておくと、凍結しにくくなります。最近では、シリコンゴムを使ったブレードも販売されています。

 ちなみに、窓ガラスを常にクリアにしておくコツとしては、フロンガラスの直上の屋根の雪をマメに取り除いておくことです。

準備して損はなし! ある便利なアイテムとは

 雪道に行く場合、まだ準備が不十分です。

 必ずしも使うとは限りませんが、こんなものを持って行くと便利だというモノを挙げていきます。

 まず必需品が手袋です。軍手などと書いている場合がありますが、低温下で濡れた軍手は悲惨。スキー・スノーボード用の使い古しのグローブや、農業用の冬用ビニール手袋など、防水性と保温性のあるものを用意しましょう。

 カッパの上下もあると、チェーン装着やスタック脱出時に重宝します。大抵は雪道の上に寝転がることになるからです。

 同時に、キャンプ用のアルミマットを用意しておくと、長時間の作業でも冷えを防ぐことができます。車外に出たとき、雪解け水がくるぶし以上になっている場合があるので、長靴もあるとベストです。

 手持ちライトはマストアイテムです。手で持つものよりも、マグネットで車体に付けられるLEDライトがオススメで、両手が使えるために一人でも作業効率がグッと上がります。

 また、車両にジャッキが搭載されているかも確認しましょう。

 とくにSUVやオフロード4WDの場合、セダンやコンパクトカー用のジャッキは高さが不十分で代用できません。

 ジャッキはタイヤチェーン装着や側溝にタイヤが落ちてしまった場合に役立つので、必ず携行しましょう。

 けん引ロープも購入したいアイテムです。クッションロープという伸縮式のものが使いやすいでしょう。

 けん引ロープにはけん引耐荷重が定められているので、愛車の車重よりも2倍以上の耐荷重を持ったロープが安心です。長さは4m程度がけん引時の汎用性が高まります。

 スノースコップも何かと使う機会が多いアイテムです。愛車の前に降り積もった雪を取り除いたり、スタック時に車両下の雪を取り除くのに使います。

 樹脂製のものでもいいですが、金属製なら使い途が広くなります。また路面で固まった氷の破砕も容易です。

 ちなみに、凍結路でのスタック脱出時にJAFは砂の使用を勧めていますが、筆者(山崎友貴)は新聞紙や塩をオススメします。

 道路表面の水膜をスピーディに除去してくれて、タイヤのグリップを促してくれ、新聞紙は身体に巻き付けると、防寒具にもなります。

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 最後に、十分な防寒服(上下)と1日分の携帯食×人数分(カロリーメイトなど)、毛布などの寝具も用意しておきたいものです。

 昨今は爆弾低気圧の影響で大雪が降るケースが見られ、自動車専用道路に限らず一般道でも車両に閉じ込められるという事態がままあります。

 このような場合、ガソリンは永遠ではありませんので、備えておく必要があります。

 今回は、雪道ドライブに行く前の準備について解説しましたが、寒冷地には予期せぬ危険やアクシデントが待ち受けています。

 経験があっても油断することなく、初心にかえった運転を心がけたいものです。