関越道の渋滞は、なぜ発生箇所がいつも同じなのでしょうか。高坂SAや東松山IC、嵐山PA、前橋ICなどは共通点があるのでしょうか。NEXCO東日本に聞きました。

ドライバーができることは何か?

 年末年始をはじめ、ゴールデンウィークやお盆、3連休などにも、高速道路の渋滞は度々発生します。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、高速道路の渋滞は減った時期もありましたが、緊急事態宣言の解除や新規感染者の減少などにより交通量は回復傾向にあり、2021年秋の行楽シーズンにはコロナ前のような渋滞も発生するようになりました。

 そんななか、東京と新潟を結ぶ関越自動車道も、渋滞が“復活”しつつあります。しかも渋滞ポイントはかつてと同じ場所です。

 なぜ渋滞は時機や時間が変わっても同じ場所で発生するのでしょうか。

 NEXCO東日本の広報担当者によると、渋滞原因のひとつに「サグ部」が挙げられるといいます。

 サグ部は下り坂から上り坂に差し掛かる場所のことです。下り坂から上り坂に変わってもアクセルを同じように踏んで走っていると、クルマのスピードは落ちます。

 とくに勾配が緩やかに変化する場所は、勾配とスピードの変化にドライバーが気付きにくくなります。

 スピードが落ちると車間が詰まるため、後続車はブレーキを踏んで速度を落とします。このように速度低下やブレーキを踏むクルマが続くと減速の連鎖が生まれ渋滞に発展するというカラクリです。

 関越道の場合、高坂SAや東松山IC、嵐山PA、前橋ICなどの付近は、川をまたぐなどの地形に合わせてサグ部や長い上り坂となっており、渋滞ポイントになっています。

 下りの駒寄PAは、長い上り坂に加え手前の前橋ICでの車線減少(3車線→2車線)も影響しています。

 前出の担当者によると、サグ部などには「速度低下注意」「ここが渋滞ポイント」などの標識を立てて、ドライバーにスピードを意識してもらうよう働きかけているとのこと。

 このように道路構造(地形)に起因するポイントは、季節や時間が変わっても交通量が一定以上になればどうしても渋滞が発生する傾向にあるのです。

 対策としては、標識だけでなく、登坂車線やICやSA/PAの合流車線を延ばすなどして付加車線を整備している箇所も存在します。

 しかし道路側の対策だけでは限界があります。実際にアクセルを踏むドライバーの協力も不可欠です。

 担当者は「渋滞ポイントでは、前のクルマとの車間距離を取るとともに、速度回復を心掛けてください」と呼び掛けています。

 なお、サグ部ではありませんが、上りの練馬ICも渋滞ポイントです。

 ここは上り本線が一般道の目白通りに直結しており、高速道路が終わってすぐの所に信号のある交差点が待ち構えています。このため渋滞が発生しやすく、そのうえ渋滞時は走行速度がかなり遅くなるのが特徴です。

 渋滞が悪化すると練馬ICの手前にある大泉JCTまで延びることもあり、関越から外環道に進みたい交通の流れも滞ることがあります。

 なお、ここを含む上りの沼田ICから練馬ICまでの区間は、NEXCO東日本とNTTドコモが「AI渋滞予知」の実証実験を実施中。

 携帯電話から得られる当日昼時点の沿線地域一帯の人口統計に基づき、夕方から夜における上り線の混雑・渋滞予測を毎日14時に更新しています。

 各区間・各時間帯の交通量や所要時間の予測が調べられるようになっています。

 ドライバーとしては、車間距離を取る、速度低下に注意するなどで渋滞が起きないようにするとともに、渋滞予測などのサービスをうまく活用して、そもそも渋滞に巻き込まれないようにするのも賢い高速道路の使い方かもしれません。