速度違反の取り締まり方法として通称オービスが存在しますが、なぜあえて強烈な赤い光を発光するのでしょうか。

そもそもオービスってなに?赤いフラッシュの正体は?

 高速道路だけでなく、一般道路にも設置されている「速度違反自動取締装置」、通称「オービス」。
 
 オービスのフラッシュに赤が多いのはなぜなのでしょうか。

 一般道路では速度制限の標識がない場合、60km/hの上限が設けられています。

 高速道路では各道路の管理者が速度制限を定めていますが、現在日本でもっとも速い速度域で走行できるのは、新東名の御殿場JCT−浜松いなさJCT間と東北道の岩手県内の花巻南IC-盛岡南IC間で速度制限は120km/hです。

 つまり、日本の公道で出せるクルマの速度は最高でも120km/hまでとなっており、それ以上の速度では走行できません。

 各道路においては、このような速度制限がしっかりと守られているか、適宜取り締まりがおこなわれています。

 そんな速度違反を取り締まる方法のひとつに、「速度違反自動取締装置」(通称:オービス)の活用が挙げられます。

 オービスは、速度制限を超えて走行する車両がいた場合に、速度違反車両として電子カメラで写真を撮影して記録に残しておくことができます。

 基本的にオービスは高速道路やバイパスなど速度域の高い場所に設置されていることが多く、撮影された写真は白黒ですが、運転者の顔や車種、ナンバープレートまではっきりと写されています。

 その写真をもとに運転者の判別がおこなわれ、後日、運転者には警察署への出頭要請が届く仕組みです。

 従来の取り締まりのように、警察官を現場に配置しなくても取り締まりがおこなえるため、深夜や早朝などの警察官の街頭活動が手薄になりがちな時間帯などにとくに有効とされています。

 一般的にオービスには、可動式(半可動式)と固定式のものがあり、可動式のものは「移動式オービス」とも呼ばれています。最近とくに活用が多く見られるのが移動式オービスです。

 運転者のなかには、オービスの設置を事前に感知する「レーダー探知機」をクルマに搭載していたり、よく通行する道路においてはオービスの場所を把握していたりすることもあります。

 しかし、移動式オービスはレーダー探知機には反応しないことも多く、いままで設置されていなかった場所に突如設置することもできるため、より適切な取り締まりをおこなうことができます。

 そんなオービスについて、SNSでは「赤く光らせた…終わった…」「オービスの赤光り眩しすぎる」といった声が見られ、速度違反の車両を撮影する際には赤く光るとされています。

 赤く発光する理由について、東京都内のオービスを製造する企業の担当者は「オービスは取り締まりに関するものなのでお答えできません」といいます。

 ネット上では、赤く発光する理由について「運転者に速度違反を知らせるためではないか」という憶測も飛び交いますが、実際にはどのような理由が考えられるのでしょうか。

 そもそもオービスが発光するのは、夜間の撮影でも違反車両を正しく捉えるためだと考えられますが、それでは昼間は発光する必要がないということになるため筋が通りません。

 一方で、人の目に見える可視光線は、波長が短いものから順に、紫、青、水色、緑、黄、橙、赤となっており、これらの色の中では赤が1番深く人の目に認知されるということです。

 撮影のためのフラッシュであれば、何色でも問題はないように見えますが、人の目に捉えやすい長い赤をあえて使用しているということは、やはり運転者自身にオービスが光ったこと、すなわち違反とみなされたことを伝えるためなのかもしれません。

 ちなみに、国土交通省にオービスについて話を聞いたところ、製造会社同様に回答は得られなかったものの、「オービスは速度の低減を求めるための装置です」と説明がありました。

 つまり、オービスの役割は速度違反車両の取り締まりや記録に加え、運転者に速度を落とすことを啓発するものであるといえます。

 このことからも、オービスの光に赤を用いているのは、運転者に速度違反を自覚させるためだと予想できます。

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 一方、最近では白く発光するオービスもあるようです。SNSでは「オービスが白く光ったんだけど…」「え? オービス赤じゃなかったっけ?」といった声が見られます。

 白く発光するオービスは、2018年頃に日本国内に参入したスウェーデンの企業、センシス・ガッツォグループが製造しているものとされており、動画サイトには実際にその様子が投稿されています。

 センシス・ガッツォグループが製造しているオービスの写真は、どうやらカラー写真となっているようで、ホワイトバランスを整えて、カラー写真を撮影するために白いフラッシュになっていると予想できます。

 オービスは、違反の取り締まりに活用されるものであるため、あまり詳細は明らかにされていませんが、今後技術の進歩とともに発光色も変化していくのかもしれません。