トヨタ「カローラ」のステーションワゴンモデルである「カローラフィールダー」は、2019年9月に次期型である「カローラツーリング」が発売された後も販売が続けられています。新旧併売されるカローラフィールダーの魅力はどこにあるのでしょうか。

パーソナルユースに重きをおいた国産ステーションワゴン

 トヨタの代表的車種である「カローラ」は、1966年の発売開始以来多くの派生モデルが登場しています。

 そのなかでも、ステーションワゴンモデルである「カローラフィールダー」は、2019年9月に後継車である「カローラツーリング」が登場した後も販売され続けている、「新旧併売モデル」です。

 そんなカローラツーリングにはどういった魅力があるのでしょうか。

 カローラのステーションワゴンモデルは、1982年の4代目カローラからラインナップされていますが、「カローラフィールダー」という名称が与えられたのは、2000年の9代目カローラからです。

 フィールダーは、「フィールド(Field)」と「人(ーer)」を組み合わせた造語で、「フィールドに出て遊ぶ人のためのクルマ」という意味が込められているように、登場した当初はパーソナルユースが意識されたモデルでした。

 一方、SUV全盛となった昨今では、アクティブ層の選択肢がステーションワゴンからSUVへと変化したことで、カローラフィールダーは法人向け車両としての性格を強めていくことになります。

 また、現在では珍しくなった5ナンバーサイズのワゴンという点も、法人にとってはありがたい点といえます。

 複数車両を管理する法人では、一定の積載量はありつつもコンパクトなボディサイズのクルマが求められる傾向があります。

 また5ナンバーサイズを想定した駐車スペースしかない場合も少なくありません。

 このように、おもに法人からの需要があることが、カローラフィールダーは新型車であるカローラツーリングの登場後も併売される理由のひとつです。

 そのため、現在のカローラフィールダーのグレード展開はそれほど多くありません。

 ラインナップには大きく分けて、パーソナルユースも想定されているハイブリッド車と、法人向けのガソリン車の2グレードあり、ガソリン車では5MTとCVTから選ぶことが可能です。また、ガソリン車のCVT仕様のみ4WDが用意されています。

 CVT仕様とMT仕様どれぞれに搭載されているのは1.5リッターのガソリンエンジンですが、MT仕様には「シエンタ」などに使用されているものが、CVT仕様には型式の異なるエンジンが用いられています。

 燃費性能は、WLTCモードでハイブリッド車が27.8km/Lと、新型モデルであるカローラツーリングの24.4km/Lから29km/Lに匹敵するものとなっています。

 ガソリン車は、MT仕様が17.2km/L、CVT仕様が15.6km(4WD仕様は19.8km/L)と、こちらも現行モデルと遜色のないレベルです。

 一方、内外装のデザインや運転支援機能に関しては、やはり古さが感じられることは否めません。

 カローラツーリングの登場以降、カローラフィールダーは法人向け車両としての性格を強めたことで、エクステリアもインテリアも、必要最低限の加飾・装備にとどめられており、ボディカラーやインテリアデザインのバリエーションもほとんどありません。

 運転支援機能についても、ミリ波レーダーではなく、レーザーレーダーを採用していることから、追従式のアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)は備わっていません。

 ただ、「トヨタセーフティセンス」は全車標準装備となっており、さらに2021年9月の仕様変更ではプリクラッシュセーフティシステムが歩行者(昼)検知機能付衝突回避支援タイプのものへとアップグレードされているなど、可能な限り進化が図られています。

 価格は、エントリーモデルであるガソリン車のMT仕様が170万9400円、CVT仕様が182万9300円(4WD仕様は197万3400円)、ハイブリッド車が229万2400円です。

 装備が制限されている分、カローラツーリングと比べてもかなり割安になっているのが特徴といえます。

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 新型モデルのカローラツーリングが登場した現在では、最新機能の搭載が少ないカローラフィールダーを選ぶという人は少ないかもしれません。

 しかし、5ナンバーサイズのコンパクトさに加えて、優れた燃費性能、使い勝手の良さ、そしてコストパフォーマンスの良さを合わせ持っていることから、主に法人向け車両として、まだまだ需要があるといえそうです。