2022年1月14日に、7代目となる日産新型「フェアレディZ」が発表されました。フェアレディZは1969年に誕生して以来、FRスポーツカーという伝統を守ってきましたが、一時期は数多くのライバルも存在しました。そこで、全盛期だった1990年代にデビューしたFRスポーツカーを、3車種ピックアップして紹介します。

全盛期だった1990年に登場したFRスポーツカーを振り返る

 2022年1月14日に、千葉県・幕張メッセで開催された「東京オートサロン2022」の会場において、7代目となる日産新型「フェアレディZ」が発表されました。

 フェアレディZは1969年に初代が誕生し、以来、50年以上にもわたって6気筒エンジンを搭載したFRスポーツカーというコンセプトを守ってきました。

 かつて、同様なFRスポーツカーは数多く販売されていましたが、2000年代になると急激に減少してしまい、現在に至ります。

 一方、FRスポーツカーの全盛期といえるのが1980年代から1990年代にかけてで、フェアレディZ(当時は「Z32型」)のライバルといえるモデルが存在しました。

 そこで、1990年代にデビューした往年のFRスポーツカーを、3車種ピックアップして紹介します。

●アンフィニ「RX-7」

 マツダは1967年に、世界初の量産ロータリーエンジン搭載車として「コスモスポーツ」を発売しました。

 その後、さまざまな車種にロータリーエンジンが搭載されましたが、ロータリーエンジンのFRスポーツカーというコスモスポーツの系譜を受け継いだのは「RX-7」で、究極の進化形モデルとして今も世界的に高い人気のモデルといえば、1991年10月にデビューしたアンフィニ「FD3S型 RX-7」です。

 外観はロングノーズ・ショートデッキのスタイリングや、ダブルバブルのルーフ、リトラクタブルヘッドライトといった古典的なスポーツカーの要素を取り入れつつ、空力性能を追求した最新のデザインコンセプトを融合していました。

 内装はタイトに設計され、コクピットには5つのアナログメーターを搭載し、各種スイッチを機能的に設置するなど、すべてドライバーを優先するレイアウトとなっていました。

 エンジンは最高出力255馬力を発揮する654cc×2ローター・2ステージツインターボロータリーを搭載。軽量な車体と、アルミ製アームを採用した前後ダブルウイッシュボーン・サスペンションにより、優れた加速性能と運動性能を実現しました。

 その後、改良が重ねられて1999年にエンジンが最高出力280馬力に到達し、外観もピュアスポーツカーとしてのイメージを高めるようにモディファイされました。

 しかし、排出ガス規制の強化やスポーツカー人気の低迷もあり、2003年に生産を終了。最後のハイパフォーマンス・ロータリーエンジン車として、現在も高い人気を誇っています。

●トヨタ「スープラ」

 Z32型 フェアレディZやRX-7のライバルとして1993年に登場したのがトヨタ「A80型 スープラ」です。

 初代はアメリカで1978年に発売。日本の「セリカXX」に相当するモデルで、日本では1986年に登場した3代目 の「A70型」からスープラの車名となりました。

 A80型 スープラは空力性能を強く意識した流麗なウェッジシェイプのフォルムで、FRスポーツカーの定番であるロングノーズ・ショートデッキのスタイリングを採用。

 駆動方式は伝統を守るかたちでFRのみとされ、エンジンは全車3リッター直列6気筒DOHCを搭載し、トップグレードの「RZ」は最高出力280馬力を誇るツインターボエンジン「2JZ-GTE型」に、トランスミッションはゲトラーグ社と共同開発された6速MTと、4速ATを設定していました。

 足まわりは4輪ダブルウイッシュボーンで、RZにはビルシュタイン製ショックアブソーバーが装着され、高剛性のシャシと相まって高い運動性能を誇りました。

 その後、A80型 スープラは改良が重ねられましたが、2002年に排出ガス規制強化への対応が困難なことから生産を終了しました。

 そして、2019年に5代目となるスープラ(DB型)が復活。ピュアなFRスポーツカーとして世界的にも注目される存在です。

●ポルシェ「968」

 ポルシェといえば「911」という長い歴史を誇るRRスポーツカーが代表的な存在ですが、1975年に、アウディやフォルクスワーゲンのパーツを流用して開発されたエントリーモデルのFRスポーツカー「924」が登場しました。

 その後924は進化を続け、1983年に第2世代の「944」、そして1991年には第3世代の「968」がデビューしました。

 外観は924から継承されたロングノーズのFRスポーツカーらしいファストバッククーペで、特徴的だったのが高級GTカーの「928」に採用されていたポップアップ式ヘッドライトのフロントフェイスです。

 また、アメリカでの販売を重視して、オープンカーのカブリオレも設定されていました。

 エンジンは3リッター直列4気筒自然吸気をフロントに搭載し、同社初の可変バルブタイミング機構(バリオカム)を採用し、最高出力は240馬力を発揮。

 6速MTもしくは4速AT(ティプトロニック)のトランスミッションを、エンジンと分離してリアアクスに搭載するトランスアクスルを採用し、前後重量配分をFR車として理想的な50:50近くを実現することで、高い運動性能を誇りました。

 室内は2+2の4シーターが標準ですが、1993年には軽量化のためにリアシートなどを撤去した、よりスポーティな2シーターモデル「968 クラブスポーツ」が追加ラインナップされました。

 その後、968は1995年に生産を終了して、翌1996年に発売されたミッドシップスポーツカー「ボクスター」がエントリーモデルを受け継ぎ、968はポルシェ最後のFR車となりました。

 なお、日本では価格的に968とフェアレディZが競合することはありませんでしたが、アメリカでは価格帯も近く実際に競合していました。

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 FR車の魅力というと、駆動輪と独立した前輪による優れたハンドリングや、アクセルで車体をコントロールすることで得られるドライビングプレジャーではないでしょうか。

 近年は選択肢がだいぶ少なくなってしまいましたが、直近では2代目となるトヨタ「GR 86」/スバル「BRZ」、そして新型フェアレディZが登場するなど、まだまだFRスポーツカーは健在です。