ホンダの軽自動車「N-BOX」が、2021年度(2021年4月から2022年3月)の新車販売台数 第1位に輝きました。軽ジャンルでは7年連続首位で、2021年度は登録車も含め総合1位を獲得しています。2017年の現行型(2代目)デビューから5年目を迎えてもなおTOPを走り続けるN-BOXに弱点はないのか、改めて検証してみましょう。

世界的な部品不足の中、2021年度も販売台数減を最小限に留めたホンダ「N-BOX」

 ホンダの独走態勢が止まりません。軽自動車「N-BOX」が2021年度(2021年4月から2022年3月)の新車販売台数 第1位を獲得しました。軽自動車ジャンルに限れば7年連続の1位記録となります。
 
「向かうところ敵なし」といったN-BOXですが、ライバル車に勝ち目はあるのでしょうか。

 一般社団法人 日本自動車販売協会連合会(自販連)と一般社団法人 全国軽自動車協会連合会(全軽自協)の調べによると、2021年度の新車販売台数ランキング(軽自動車、登録車の全乗用車)において、N-BOXが総合1位に輝きました。

 国内外の新車販売において、この1年以上に渡り課題となっているのは、世界的な半導体不足や新興国での部品供給遅れによる生産体制への影響です。

 そんな状況下で獲得したN-BOX総合1位の栄誉は、例年とはまた違ったものといえるでしょう。

 例えば軽自動車で2021年度の販売第2位となっているスズキ「スペーシア」は、前年度の14万5319台に対し10万3605台(対前年度累計比71.3%)と、販売台数を大きく落としています。

 同様に3位のダイハツ「タント」は78.9%、7位の日産「ルークス」は72.3%と、競合各社とも台数減となっているのが現状です。

 そんななかでN-BOXの2021年度販売台数は19万1534台と、スペーシアに対し大きく差をつけています。

 しかも前年度の販売台数19万7900台に対し96.8%と、部品不足などの影響も最小限に留めたことが、N-BOXのTOPを維持した要因のひとつとなっているのは間違いないでしょう。

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 軽自動車の2021年度ランキング上位3台は、「スーパーハイトワゴン」と呼ばれる背高のモデルです。

 室内は非常に広く、後席左右にはスライドドアを備えることで実用性の高さも抜群と、軽自動車の売れ筋ジャンルとして定着しています。

 ただしこれまでの軽自動車に対し背が高く車体も重くなったことで、燃費の面では不利となります。

 ここで各ライバル車のカタログ燃費を比べてみましょう。いずれも2WD・ノンターボモデルのWLTCモード燃費です。

 ホンダ N-BOXは21.2km/Lです。これに対しスズキ スペーシアは22.2km/L(「HYBRID G」グレードのみ)と、1km/Lも上回っています。

 ダイハツ タントは21.0km/L、日産 ルークスは20.8km/Lと大きく違いはありません。

 ライバル各車のカタログ燃費を比べてみると、スペーシアがあたまひとつ飛び出している状況ですが、大差とまではいえません。

 しかしWLTCモード燃費の各モードを比べてみると、もう少し違いが出てきます。

 高速道路モード(WLTC-H)、郊外モード(WLTC-M)、市街地モード(WLTC-L)と3つのモードのなかで、明確に異なるのは市街地モードでした。

 ホンダ N-BOXの市街地モード燃費は18.7km/L。これに対しスズキ スペーシアの市街地モード燃費は20.3km/Lと、1.6km/Lの差がついたのです。

 国土交通省によると、WLTCモード燃費における市街地モードは、信号や渋滞等の影響を受ける比較的低速な走行を想定しているといいます。

 主に低速域での加速をモーターでサポートするスペーシアのマイルドハイブリッド機構が、発進加速の多い市街地モードで効果をあげているのに加え、N-BOXとスペーシアで、車両重量の差がおよそ50kgある点も少なからず影響していそうです。

 N-BOXを街乗り中心で使用するユーザーの場合、長く所有する間にはじわじわと維持費の面で影響を与えるかもしれません。

 2017年にフルモデルチェンジして以来、幾度かの改良を重ねることで更なる人気を維持してきた現行型(2代目)N-BOX。

 しかしマイルドハイブリッドなど、ライバル車が対策し始めている電動技術については未対応なままです。

 逆に考えれば、もしN-BOXに新たな電動化技術が搭載できれば、その絶大なる人気は、ますまず盤石になるともいえるかもしれません。