2021年1月に登場した新型「ヴォクシー/ノア」には、トヨタの最新技術の数々が採用されました。そこで、新型ヴォクシーの新機能を実車で体験してみました。

新型ヴォクシーの新機能がすごかった!

 2022年1月に4代目へとフルモデルチェンジを果たしたトヨタのミニバン「ヴォクシー」「ノア」。

 およそ8年ぶりのフルモデルチェンジということもあって、プラットフォームやハイブリッドシステムなどが一新されただけでなく、先進安全装備に代表される装備類も現時点でトヨタの最新のものが備わっています。

 そこで、新型ヴォクシーに搭載されている新機能や新技術を実際に体感。目新しさだけでなく、実際に使える装備となっているのでしょうか。

●トヨタチームメイト

 新型ヴォクシーには、高度運転支援技術「トヨタチームメイト」がオプション設定されており、新機能として「アドバンストドライブ(渋滞時支援)」「アドバンストパーク(リモート機能付)」が装備されました。

 アドバンストドライブは、高速道路での渋滞時に一定条件を満たすと手放し運転ができるというもの。

 もちろん自動運転ではないので、ドライバーはいつでも運転操作ができるよう備える必要があるのですが、アクセルとブレーキの踏みかえが多い渋滞時にクルマが支援してくれる機能は非常に便利です。

 一度体験すると病みつきになる支援システムだといえます。

●アドバンストパーク(リモート機能付き)

 このトヨタチームメイトの機能として、ボタンを押すだけで駐車操作を支援してくれる「アドバンストパーク」があります。

 新型ヴォクシーに装備されたのは、並列駐車において従来からあるバック入庫に加え、前向き入庫やバック出庫、前向き出庫も可能になるなど、さまざま状況での入庫・出庫をアシストしてくれるものです。

 今回はもっとも使用頻度が高いと思われる並列バック駐車を実際にやってみましたが、まず駐車スペースの認識速度の早さにビックリしました。

 テストした駐車場は駐車枠が薄くかすれているような悪条件下でしたが、ボタンを押すのと同時くらいの勢いで枠を認識。

 その後はディスプレイの「開始」にタッチするだけで、前進しての切り返しからリバースへのギアチェンジ、後退時のステアリング操作、停止後にPレンジに入れるという一連の動作をすべてクルマがやってくれました。しかも、ボタンを押し続ける必要はありません。

 周囲が危険な状態になった場合はドライバーがブレーキ操作をする義務がありますが、安全な状態であればほぼ自動駐車といって良いレベルであり、不慣れなドライバーが自らバック駐車をするよりも早く正確といった印象。

 やや加減速がラフで乗員に揺れが伝わるケースもありましたが、充分実用に足る機能といえそうです。

 続いては、ハイブリッド車に備わる、スマートフォンの専用アプリを使って車両の外から入庫および出庫をすることができるリモート機能を試しました。

 基本的な車両の動きは通常のアドバンストパークと同様ですが、車外からスマホの画面を操作(円を描く動作を続ける)することによって車両を操作できるというものです。

 入庫だけでなく出庫もリモートでおこなうことが可能になるため、車庫が狭くてドアの開閉ができないというような環境にあるユーザーにとっては、今まで諦めていたミニバンを購入することも夢ではなくなるかもしれません。

 ただしあまりに壁が近すぎるとセンサーが反応して入出庫ができなくなるとのこと。

 また、車内のディスプレイで操作するよりもアプリの操作はやや煩雑になるため、混み合ったショッピングモールの駐車場などで車外から駐車を操作する場合は周囲への配慮が必要でしょう。

任意の角度で止められる「フリーストップバックドア」

●プロアクティブドライビングアシスト(PDA)

 トヨタの予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」は、衝突被害軽減ブレーキや死角のサポート、ステアリングアシストなどさまざまな機能が備わっています。

 なかでも「プリクラッシュセーフティ」は、車両や歩行者、自転車に加え、自動二輪車(昼)まで検知範囲を拡張し、衝突回避や被害軽減に役立ちます。

 交差点右折時に隣接の2レーンから直進してくる対向車両や、右左折時に前を横断する歩行者と自転車に加え、交差点で交差する車両、自動二輪車も検知するトヨタ初の機能も追加するなど、事故が起きやすい交差点での支援が拡大されました。

 そして、トヨタブランドとして初めて新型ヴォクシーに搭載(全車標準装備)されたのが、「プロアクティブドライビングアシスト(PDA)」です。

 これは運転の状況に応じたリスクを先読みすることで、危険に近付きすぎないように運転操作をサポートしてくれる機能です。歩行者や自転車、駐車車両に対する操舵・減速支援や、先行車、カーブに対する減速支援をしてくれます。

 じつは、初めはこの機能がONになっていることを知らずに運転していたのですが、あまりに自然に制御が介入するためにしばらくその存在に気付かなかったほど。

 見知らぬ土地をドライブしているときに、進入したカーブが思った以上に急でヒヤリとしたことがある人もいると思いますが、カーブに対する減速支援によって適切な速度まで減速してくれるので、安全運転に大きく寄与してくれる装備といえそうです。

 また、減速支援のおかげでアクセルの踏みかえ操作を減らすことができ、ペダルの踏み間違えや疲労軽減にもひと役買いそうです。

●フリーストップバックドア

 ミニバンはリアゲートが大きいことから、後方が狭い場所でのゲート開閉は気を使います。

 これまでの車種であれば、開けたとき後ろにぶつかったりしないように片手でリアゲートを支えるか、クルマを少し前に出して後方スペースを確保するしかありませんでしたが、新型ヴォクシーには「フリーストップバックドア」という、好きな位置でリアゲートを保持することができる世界初の機能が全車標準装備されました。

 バックドアとボディがワイヤーで接続されており、開けている最中に、任意の角度になったらバックドアを手で軽く押し返すことでその位置で固定されるというものです。

 車両後方に十分なスペースがない場合でも、ぶつからない程度にバックドアを開けて荷物を出し入れすることが可能となり、利便性が高まりました。

 一方、新型ヴォクシーは「パワーバックドア」をオプション設定。この場合、フリーストップバックドアではなく、電動で操作可能なバックドアとなります。

 ほかのミニバンと異なるのは、操作スイッチがボディサイド(スライドドアレール後端)の左右に配置されていることです。

 横からリアゲートの状態を目視しながら開閉のコントロールができるようになっており、バックドアが開く側に立たなくて良い(テールゲートを開けているときに後ろに下がらなくて良い)のは便利だと実感しました。

※ ※ ※

 今回はとくに特徴的な4つの装備についてチェックしてみましたが、ほかにも、7人乗り仕様2列目シートが超ロングスライドして、おまけにオットマン付きでくつろげるシートになっていることや(8人乗りはオットマンはありませんが超ロングスライド機能付き)、3列目シートが跳ね上げ格納しやすくなっているなど、ミニバンとしての機能が向上しています。

 8年ぶりのフルモデルチェンジですべてが刷新された新型ヴォクシーは、現時点で「最強のミニバン」といえそうです。