アメリカホンダは2022年3月に、アキュラブランドから新型「インテグラ」を発表しました。16年ぶりに復活することになったインテグラですが、その先祖である「クイントインテグラ」は斬新かつ魅力的なスポーティモデルでした。そこで、1985年にデビューしたクイントインテグラはどんなクルマだったのか、振り返ります。

DOHCエンジンがスタンダードだった斬新なスポーティモデルを振り返る

 日本では2006年に生産を終えたホンダ「インテグラ」は、FFスポーツカーとして人気を博したモデルで、なかでも「タイプR」はFF最速と呼ばれ、シリーズのイメージリーダーに君臨していました。

 このインテグラが2022年に、北米のアキュラブランドから復活を果たすことが決定しています。

 ボディは最後モデルだった「DC5型」が3ドアハッチバッククーペだったのに対し、新型は5ドアハッチバックセダンへと一新。

 外観はシャープなデザインのフロントフェイスに、流麗なシルエットのボディと、見るからにスポーティです。

 また、パワーユニットは最高出力200馬力を発揮する1.5リッター直列4気筒ターボエンジンが搭載され、トランスミッションはCVTが標準で6速MTも設定されることなどが明らかになっています。

 すでにアメリカでは受注が始まっており、受注台数の75%以上がMTということも、スポーツモデルとしての期待の高まりを証明しています。

 このインテグラの歴史を遡ると、1985年に発売された「クイントインテグラ」へとたどり着きますが、果たしてどんなクルマだったのでしょうか。

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 クイントインテグラの紹介の前に、さらに前進のモデルだった「クイント」に少し触れてみます。

 ホンダは1972年に初代「シビック」を発売し、1976年にはシビックの上位モデルとして初代「アコード」をリリースしました。

 両車ともヒット作となりホンダはさらなる車種の拡充を開始して、1980年には5ドアハッチバックセダンのクイントを発売。

 ヨーロピアンな雰囲気が漂うデザインのクイントでしたが、スペック的に目を見張るものはなく、当時の日本では「5ドアハッチバックセダンは売れない」というジンクスがあり、それを証明するかたちで販売台数は伸び悩みました。

 そこで1985年に、車名とともにコンセプトを一新したクイントインテグラへとバトンタッチされました。

 クイントインテグラはクイントと同じく、車格的にはシビックとアコードの中間に位置するモデルであり、発売当初は3ドアハッチバッククーペのみのボディでスタート。

 外観はリトラクタブルヘッドライトを採用したショートノーズと低いボンネットが特徴で、リアはサイドに回り込んだラップラウンド・リアウインドウとハイデッキを採用し、全体のフォルムはシャープなウェッジシェイプとなっていました。

 内装では直線基調のシンプルなデザインのインパネで、低位置にレイアウトしたメーターバイザーによって広く明るい視界を確保。上位モデルにはバケットタイプのシートを採用し、シックかつスポーティな印象でした。

 また、全グレードにDOHCエンジン搭載したこともクイントインテグラのスポーティさを強調しており、上位グレードの「GSi」と「RSi」に搭載されたエンジンは、「シビックSi」などと共通の1.6リッター直列4気筒DOHC「ZC型」に電子制御燃料噴射装置「PGM-FI」を備えた仕様で、最高出力135馬力(グロス)を誇りました。

 下位グレードはZC型のキャブレター仕様で、最高出力115馬力(グロス)を発揮し、トランスミッションは全車5速MTと3速AT(ホンダマチック)から選択できました。

 そして、クーペが発売された同年には5ドアハッチバックセダンが加わり、3ドアと同じく全車DOHCエンジンを搭載。翌1996年には4ドアセダンも登場して、エンジンはDOHCとSOHCも設定されました。

 5ドアハッチバックセダンと4ドアセダンともに、基本的なデザインは3ドアハッチバッククーペと共通で、いずれもシャープなフォルムをまとい、広い室内空間と十分な

 ちなみに、前述のとおりアキュラ新型インテグラは5ドアハッチバックセダンですが、シリーズではこのクイントインテグラ以来、実に37年ぶりに5ドアハッチバックセダンのインテグラが登場することになります。

 クイントインテグラは同時期に販売されていた3代目シビック/バラードスポーツ CR-Xとは異なるコンセプトのスポーツモデルとして人気を博しました。

 そして、1989年に発売された2代目では車名が「インテグラ」に改定されるとともに、ホンダ初のVTECエンジンを搭載し、FFスポーツカーとしてのイメージを確固たるものとしました。

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 アキュラ新型インテグラは、発表された時に5ドアハッチバックセダンとなったことから、多くのファンから失望の声が聞こえました。

 やはりファンとしては、インテグラ=3ドアハッチバッククーペを期待していたということです。

 しかし今の市場で、同クラスの3ドアではまずヒットすることはありえない状況で、ホンダとしても苦渋の決断だったのではないでしょうか。