トヨタ「ノア/ヴォクシー」やホンダ「ステップワゴン」が全面刷新し、ミニバンが注目を集めています。ミニバンの魅力とはどのようなところにあるのでしょうか。オーナーに聞いてみました。

ミニバンの広い居住空間は一度使うと手放せない!

 トヨタ「ノア/ヴォクシー(ノアヴォク)」が8年ぶりにフルモデルチェンジしたり、それらのライバルであるホンダ「ステップワゴン」も新型に刷新されるなど、2022年はミニバンが豊作の年ともいえます。

 トヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」といったコンパクトミニバンや、ノアヴォク、ステップワゴン、日産「セレナ」などミドルサイズミニバンに加え、トヨタ「アルファード」「ヴェルファイア」に代表されるラージサイズの高級ミニバンなど、日本ではさまざまなタイプのミニバンが販売されています。

 アルファードは2021年に9万5049台も販売(登録)されてミニバンのトップに君臨するほか、新型ノアヴォクは7万台以上ものバックオーダーを抱えているといわれているなど、ミニバン人気は衰えることを知りません。

 ファミリーカーの代表格であるミニバンは、どのようなところが魅力なのでしょうか。

 実際にミニバンを所有しているオーナーに、ミニバンのメリット・デメリットを聞いてみました。

 新型が登場する直前に先代「ノア」に乗り換えたNさん(50代・男性)は、次のようにいいます。

「ノアを乗り継いで3台目になります。ミドルサイズなので取り回しもそれほど苦にならず、走行性能についても不満はしないです。

 何より最大で7名乗車できるので、息子夫婦や孫と一緒に1台で移動できるのはミニバン最大のメリットだと思います」

 多人数乗車でも余裕のある、広々とした居住空間がミニバン最大のメリットだと感じているそうです。

「趣味で始めた農作業の道具などが意外にかさ張るんです。そんなときは3列シートを跳ね上げてラゲッジスペースを拡大して搭載できるなどシートアレンジがしやすいのも魅力ですね。

 たとえ2名乗車でも、いざというときに大きな荷物を気兼ねなく積載できるのもミニバンを選んだ理由のひとつです」

 しかし、ミニバンの形状ゆえのデメリットもあるといいます。

「タイヤが四隅に設置されていてホイールベースが長い分、内輪差は大きいと思います。また山の中腹にある旅館など、傾斜のある駐車場でハンドルを切りながら下るというシチュエーションがあるのですが、その場合はサイドを擦りそうになりやすいので注意が必要です。

 あとは、通常の走行は問題ないのですが、ボディが大きく重いので、高速道路の上り坂などではパワー不足を感じることもあります」

 ただ、それも広々とした居住空間の魅力には代えがたいと割り切っているそうです。まさに移動する「プチ倉庫」として活用しているとのことです

 トヨタ「シエンタ」に乗っているYさん(40代・女性)は、自宅の駐車場に入るサイズのなかで、利便性を優先してコンパクトミニバンを選択したのだそうです。

「家族だけでなくペット(犬)3匹と一緒に暮らしているので、旅行や通院なども含めて一緒に乗れるクルマというのがクルマの条件でした。

 ペットのケージをラゲッジスペースだけに集中させたくなかったので、3列シートのクルマを選びました」

 ペットを飼っている人にとっては、一緒に行動できる車内スペースがクルマ選びの大切な条件なのかもしれません。1匹ならまだしも多頭飼いとなると、やはりミニバンを選ぶ確率は高そうです。

「3列シートを装備しつつ5ナンバーサイズということでシエンタに乗っています。実はシエンタは2台目なんです。

 やはり3列シートの便利さを知ってしまうと、なかなかセダンやコンパクトカーには戻れないですね」

 普段は一人で乗る機会が多いにしても、シートアレンジで広がるラゲッジスペースや、いざというときに多人数乗車が可能という点は、ミニバン最大のアドバンテージとなっているようです。

 また、車内は圧迫感も少なく、長距離でも疲れにくいところも良いとYさんはいいます。

 さらに、現代のミニバンは先進安全装備や運転支援技術も充実したおり、さまざまな用途に対応できる汎用性の高さを持っていると評価できそうです。

ミニバンオーナーの“ある共通点”とは?

 今回、複数のミニバンオーナーに話を伺いましたが、おもしろい共通点がありました。

 まずは「1台のミニバンを長く保有する」ということです。

 今や、新車で購入した場合、新規車検の切れる3年で乗り換える人は少数派で、最低でも5年目、または2回目の車検がくる7年目に乗り換えるケースが増えているようです。

 ミニバンオーナーも5年または7年周期でクルマを買い替えるという人たちばかりでした。

 もうひとつは「同じ車種に乗り換える」傾向があることです。

 前出のNさんやYさんは同じ車種に買い替えており、人も物もたくさん乗せられる広大な車内・荷室を一度味わってしまうと、ほかの車種に買い替えたくなくなるのかもしれません。

 ほかにも話を聞いたOさん(40代・男性)は、複数台のトヨタ「ハイエース」を乗り継いできたと話してくれました。

 商用ではなく、乗用としてハイエースを選んだOさんの趣味はサーフィンとのことで、サーフボードを車内に積んで移動できることや、ときには車中泊もできること、そしてカスタムも楽しめることなどを考慮した結果、最終的にハイエースをチョイスしたそうです。

 ミニバンを選ぶ人は子供が小さいファミリー層と思われがちですが、多人数乗車のためだけではなく、趣味の道具を運ぶ手段としてミニバンを選ぶ人も多いことが分かりました。

 今回話を聞いた人たちに「次の愛車もミニバンを選びますか?」と聞いたところ、8割の人は「ミニバンを選ぶと思う」と回答しています。

 一方で、「次の愛車はミニバンを選ばない」と答えたFさん(30代・男性)は、ミニバンの便利さは認めつつも、やはりキビキビした走りを楽しみたいとのことで、現在はスポーツカーを物色中。それでも利便性を考慮するとSUVも捨てがたいといいます

「本当にミニバンは、移動する部屋と考えればよくできていると思います。自分はまだまだ運転も楽しみたい気持ちと、独身という身軽さから違うジャンルのクルマも選べますが、一緒に行動する家族が増えるほどに、ミニバンじゃないといけない場面も増えそうです。私も結婚して家族が増えたら、またミニバンを選ぶと思います」

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 家族やペットとの移動、趣味の道具を載せたいといったニーズを考慮した結果、ミニバンにたどり着いたという人が多いようです。

 ファミリー向けだけでなく三菱「デリカD:5」のようなSUV的な悪路走破性まで備えたモデルもあることを考えると、ミニバンはユーザーのさまざまなニーズを満たしてくれるような進化をしていきそうです。