キャンプがブームとなっている昨今、普通のクルマでキャンプに出掛ける人も多くいますが、そんなときに便利なのが「カーサイドタープ」です。カーサイドタープはどのように使用したら良いのでしょうか。

オートキャンプで活躍する「カーサイドタープ」って何?

 本格的なキャンピングカーだけではなく、普通のクルマでもデイキャンプや車中泊がブームとなっており、SUVやミニバンにテントやバーベキューセットなどを満載して、キャンプ場に出掛ける家族連れやカップルが増えたほか、一人で「ソロキャンプ」を楽しむ人も増加しています。

 通常、テントといえば、ドーム型や三角錐型などの形状で、骨組みを使って自立するものを指しますが、寝室やリビングルーム、テラスがある、まるで家のような大型のものから、一人用までいろいろなものがあります。

 そうしたなか、キャンピングカーショーに行くと、トヨタ「ハイエース」やホンダ「N-VAN」のボディサイドに「タープ」を張るアレンジをよく見かけます。

 タープは、ポールなどを使ってテントと同じような素材を自在な形状に張ることができ、シンプルながら使い方としてはかなり奥の深い商品です。

 クルマとタープの相性は良く、一般的に「カーサイドタープ」と呼ばれているものは、タープを車体上部と周辺の樹木などに結びつけるといった方法がオーソドックスな使い方です。

 このカーサイドタープは、大きく分けてふたつの種類があります。

 ひとつは、車体側面の上部にタープを収納する細長いボックスがあり、そこからタープを水平方向に引き出すタイプです。これは、ハイエースを改良したキャブコンで採用されることが多くあります。

 廉価なものは、軽量でルーフキャリアに装着でき、タープを手で引き出して使いますが、上級モデルでは、飲食店の店先のカフェテラスのように専用器具や電動でタープを開閉するものなど、海外メーカー品を主流として商品ラインナップは豊富です。

 ただし、この上級モデルは価格も10万円以上になったり、取付工事も専門業者に依頼する必要がありコストがかかります。

 もうひとつが、ドーム型テントを半分にしたような格好で、タープの片側をクルマの側面上部に吸盤を使って装着して使います。このタイプはいつでも後付けできるのが魅力です。

 大きな円弧を描くようなドーム型のほかに、より四角い形のテント型もあるなど、さまざまな商品が存在。

 シトロエン「ベルランゴ」では新車のメーカーオプションとしてもラインナップされており、またスズキ「ジムニー」ではリアハッチに装着することを想定したカーサイドタープがあります。

 このほか、国内外のキャンプグッズメーカーから、ドーム型やテント型のカーサイドタープが市販されています。

カーサイドタープをフォレスターで実際に使ってみた

 筆者(桃田健史)は各種のカーサイドタープを購入し、ハイエースやN-BOX、スバル「フォレスター」などに装着して日常的に使用してきました。

 通常は1台にひとつのカーサイドタープを装着しているのですが、今回はフォレスターに複数のカーサイドタープを同時に装着して、それぞれの使い勝手を確認してみました。

 まずは半ドーム型タイプから張ってみます。

 最初にタープ全体を地面に広げ、支柱となるポールをタープの上に置き、その接続部に対してタープ上部には短いポールを、反対のタープ下部には長いポールを組み付けます。

 そして短いポールの一端をタープ上部のポケットに差し込み、タープを強めに引っ張りながら長いポールの一端を組み付けます。

 これで骨組みが完成し、ここでタープとポールをフックで留めます。

 最後にタープ内型の中央に小型のポールを差し込むと、半ドーム型タープが出来上がりました。

 これを持ち上げてフォレスターの側面まで運び、車体上部の前後2か所に吸盤で留めます。風が強い場合は、吸盤を追加する場合もあります。

 なお、クルマの車高によって設置場所の横方向の位置が違ってくるので、クルマの駐車位置にも配慮が必要です。

 最後にペグを打って地面に固定します。コンクリートなどペグが打てない場合は、石や砂などを袋に詰めて固定したり、ペットボトルを重りとして使います。また、必要に応じてロープも使って固定します。

 慣れてくれば、こうした一連の作業は一人でも15分程度で出来るようになるでしょう。

 半ドーム型タープには縦の長さが違うさまざまなものがあるので、クルマのタイプや用途に応じて選ぶようにしてください。

 一方、テント型の場合、上部に2本のポールで梁を作ってから、サイドポールを組み込みます。テント型のサイズもメーカーによって違いがあります。

 テント型では、三方向が蚊帳にようになったり、開閉できるタイプがあり、テント内をまっすぐ立ったままで自由に移動できます。

 ドーム型でもテント型でも、クルマを家に見立てると、軒先の縁側にもうひとつ部屋ができたような感覚です。

 雨が強くなってきたときなどは、一時的に車内に入って天候回復を待つこともできますし、キャンプの際はカーサイドタープのなかで寝たり車中泊と組み合わせることで、楽しみ方が一気に広がります。

 もうひとつ、リアハッチを使ったタープもあります。

 N-VANのメーカーオプションでは、「テールゲートカーテン」という商品名がラインアップされており、ちょっとした日除けや着替えスペースとして活用できます。

 量販品の場合、クルマの種類やサイズによってサイドカーテンの下の隙間に差が出てしまいますが、N-VANのテールゲートカーテンはリアゲートを開けた状態でボディ全体のサイズに収まり、手軽にキャンプ気分を味わえます。

※ ※ ※

 各種のカーサイドタープは、クルマの大きさ1.5台から2台分のスペースを必要とするため、一般的な駐車場やSA/PA、道の駅などでは使用できません。キャンプ場でも、場内にクルマで入れるオートキャンプ場での使用が原則となります。

 リアゲート内に収まるサイズのタープを、海岸などの駐車場で利用することについてはどうでしょうか。

 サーファーが多く集まる海沿いの自治体に問い合わせたところ、「利用の制限はとくに設けていないが、あくまでも一般常識の範囲として認識してほしい」という回答でした。

 これから夏に向かってキャンプが楽しい時期になってきますが、カーサイドタープを含めてどのようなキャンプグッズを使うにしても、キャンプ参加者としてのモラルを守って、皆が楽しい時間を過ごせるよう心掛けることが大事だと思います。