オートキャンプや車中泊をおこなう人が増えていますが、快適に過ごすためにはさまざまな準備が必要です。なかでも、電気や水道、トイレといったインフラを整備するには、どのようなグッズを揃えたら良いのでしょうか。

オートキャンプや車中泊で電源を確保する方法

 新型コロナ禍となり、一気に世間の注目を浴びるようになった「オートキャンプ」や「車中泊」ですが、快適に過ごすためには、各種テントやタープ、マット、料理道具など、ユーザーとして気になるアイテムはさまざまあります。

 最近は、キャンプ専用メーカーだけではなく、大手ホームセンターのプライベートブランドはもとより、100円ショップでも使い勝手が良さそうなグッズが続々登場しています。

 一体どのようなグッズを揃えれば、オートキャンプや車中泊で快適に過ごせるのでしょうか。

 車中泊の基本といえば、まずは車内の座面をいかに“平ら”にするかという点に注目が集まります。

 シートをフルフラットにした状態で、その隙間に枕や毛布などを入れたり、または空気を入れて膨らませるキャンプ用のマットなどを活用する方法が一般的です。

 さらに、メーカーオプションやディーラーオプションとして、ミニバンや商用バンの後席から荷室をフラットにするキットなども販売されており、これらを活用することで快適な寝床を確保できるでしょう。

 車外でのテントやタープとしては、一般的に販売されているテントを立てるか、またはクルマと連結する各種の「カーサイドタープ」があると便利です。

 さらに、折り畳み式の椅子やテーブル、そしてバーベキューセットやカセットボンベ式の小型ガスコンロなどは、多彩なアイテムがラインナップされており、用途や人数、予算などに応じてさまざまな選択肢があります。

 このように車中泊やオートキャンプでの準備が整ったうえで、気になるのはインフラです。

 自宅と同じような住空間の環境をクルマの車内・車外で再現しようとすると、電気や水道、トイレといったインフラの必要性を改めて感じることが多いように思えます。

 もちろん、最近のオートキャンプ場は設備が拡充されている場合も多く、インフラについて心配することは減ってきているかもしれません。

 それでも、使えるはずの設備が故障して使えないこともあり得ますし、車中泊ではインフラに関する制約も増えがちです。

 そうした状況になっても困らないため、オートキャンプや車中泊をするときに便利な備品を紹介してみたいと思います。

 インフラのなかで、もっとも気になるのは電気ではないでしょうか。

 クルマでの電気の活用方法といえば、シガーソケットから電気を取り出す方法が昔から一般的で、スマートフォンの充電をするためにUSBポートに変換する商品が数多く市販されています。

 また、直流専用での湯沸し器などがあり、大型トラックなど商用ドライバーが休憩中のSA/PAなどでエンジンをかけた状態で使用している光景を見かけることがあります。

 一方、トヨタが進めている「トヨタの給電」という方式があります。

 給電とは、充電の反対で、「電気を取り出す」という意味です。この場合、交流(AC)対応となり、一般的な家電を使うことを想定しています。

 とくにハイブリッド車やプラグインハイブリッド車はAC100V/1500Wに対応できるアクセサリーコンセントを備えており、走行中に車内で電気製品への給電が可能なほか、車両の走行機能を停止させた状態で、非常時給電システムとして使うことが可能。

 起動電力の合計出力が1500W以下でさまざまな電気機器が使用できます。

 また、充電口にヴィークルパワーコネクターを接続すると、車内でのコンセント使用に加えて外部給電が可能となります。こちらは、災害被害地での活用で知られています。

 日産の場合、「リーフ」の外部給電方式を使い、地方自治体と各地の日産ディーラーが災害時に給電での連携をおこなう連携プロジェクト「ブルースイッチ」を全国で展開しています。

 2022年は、トヨタ「bZ4X」、スバル「ソルテラ」など各種BEVが登場しますが、BEVを活用したさまざまな形での給電についてもさらに注目が集まりそうです。

トイレやシャワーの問題はどう解決する?

 車載電源からの給電のほかに、車中泊やオートキャンプで最近注目されているのがポータブルバッテリーです。

 対応する出力によって、価格は数万円から20万円程度まで幅広くありますが、クルマだけではなく自宅でも使えることから、もしもの場合のバックアップ電源として活躍します。

 筆者(桃田健史)が日頃からポータブルバッテリーを使ってもっとも重宝しているのは、車載用の冷蔵庫です。

 魚や肉などの要冷蔵の商品を移動先であっても気兼ねなく購入できますし、夏場は冷えた飲み物がとてもありがたい存在だと実感します。

 さらに、ポータブル電源と組み合わせることで威力を発揮するのが太陽光パネルです。

 出力によって価格は数千円から数万円まで各種ありますが、ポータブル電源への充電はもちろん、USBポートを使ってスマホなどへ直接充電が可能です。

 実際、ポータブルとして大型な太陽光パネルを使い、天気の良い日にあたりに障害物がほとんどない平地でiPhoneを充電すると、1時間強でバッテリー残量40%から100%まで充電することができます。

 屋外で電気のインフラがまったくない状況で、スマートフォンなど生活必需品に充電できることで、改めて太陽光パネルの存在の大きさを痛感しました。

 電気のほかに気になるインフラは、トイレとシャワーです。

 上級モデルのキャブコン・キャンピングカーや、本格的キャンピングカーになれば、トイレやシャワーが車内に完備されています。

 しかし、普通のクルマでの車中泊をする場合、トイレが近くにある場所で車中泊するか、またはトイレ利用のために移動することになります。

 一方で、制限のないオートキャンプ場などでは、車外に簡易トイレを作ることも考えられます。

 簡単な方法としては、縦長タイプのポップアップテントのなかにポータブルトイレを置き、排出物が凝固するキットを使って燃えるゴミとして処理する方法です。

 ポータブル電源から小型扇風機をつなげば、ポップアップテント内の換気ができます。

 実際、筆者はこうした方式で屋外トイレを使っていますが、これら製品は合計1万円以内で揃います。

 シャワーについては、手動で加圧するポンプ式ポータブルシャワーが便利。価格は数千円程度で各種販売されています。

 シャワーにすることで、ペットボトルなどから直接水を流すより、水の使用料が節約できるだけではなく、キャンプ気分も一気に高まります。そして、ポップアップテントをもうひとつ用意すれば、専用シャワー室にもなります。

 なお、自宅からペットボトル数本に水道水を入れておくとシャワー用として使えるほか、電気ポットを使ってお茶を飲むときの飲料水としても活用することができて便利です。

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 オートキャンプや車中泊に向けたこのような準備は、災害時の備えにもつながります。

 キャンプや車中泊を通して、日常的に防災に対する考え方を家族で話し合う良い機会にもなるでしょう。