近年、ニーズの変化から数少なくなってしまったクルマのひとつがステーションワゴンです。しかし、1970年代から1990年代には、数多くのステーションワゴンが存在しました。そこで、昭和の時代を彩ったイケてるステーションワゴンを3車種ピックアップして紹介します。

昭和の時代を彩ったステーションワゴンを振り返る

 現在、日本の自動車市場では、ミニバン、コンパクトカー、SUV、軽ハイトワゴン/トールワゴンがトップセラーです。その一方で、各メーカーのラインナップから減少してしまったのがステーションワゴンです。

 とくに1970年代から1990年代はステーションワゴンが隆盛を極めていた時代で、数多くラインナップされていました。

 また、1989年にスバル初代「レガシィ ツーリングワゴン」の誕生をきっかけに、スポーティなステーションワゴンが各メーカーから次々に登場し、一躍ブームにまで発展。

 しかし、ブームが沈積化した後はステーションワゴンのニーズも低迷し、次第に数が減り現在に至ります。

 そこで、昭和の時代にクローズアップして個性的なステーションワゴンを、3車種ピックアップして紹介します。

●日産「セドリック/グロリア ワゴン」

 昭和の時代は1車種で複数のボディラインナップを揃えているのが一般的で、高級車も例外ではなく、4ドアセダン、2ドアクーペ、ステーションワゴン、ライトバンなどが設定されていました。

 そんな高級車として挙げられるのが日産「セドリック/グロリア」で、主力はセダンでしたがステーションワゴンとライトバンがラインナップされました。

 ステーションワゴンとバンの設定は1983年に登場した6代目が最後で、セダンと同系統のフロントフェイスで、直線基調のボディは重厚感のあるデザインでした。

 ボディサイズは全長4690mm×全幅1690mm×全高1500mmと5ナンバーサイズに収まっていましたが、スクエアなフォルムによって数字以上に立派に見えました。

 内装もセダンに準じたデザインでしたが3列シートの7人乗りが標準で、後期型では1列目がベンチシートの8人乗りもありました。

 3列目シートがユニークで普段は荷室に折りたたんで格納され、乗車時は後ろ向きに座るレイアウトだったため、あくまでも緊急用といえました。

 エンジンは2.8リッターディーゼルと2リッターV型6気筒の設定でトランスミッションはMTとATが用意され、フロアシフトとコラムシフトも選べました。

 セドリック/グロリア ワゴン(バン)は一定の需要があり、セダンがフルモデルチェンジしてもそのままの姿で1999年まで継続して販売され、絶版車になった後も往年のアメリカ車風のビジュアルから、若い世代に人気となりました。

●ホンダ「シビック カントリー」

 ホンダは1972年に新世代の大衆車である初代「シビック」を発売。1974年にはライトバンの「シビック バン」が登場しました。

 その後、1979年に2代目へとフルモデルチェンジされ、同時にシビック バンも2代目に移行。1980年にホンダ初となるステーションワゴン「シビック カントリー」が発売されました。

 ボディは5ドアハッチバックをベースに荷室部分を伸ばし、ボディサイドからリアゲートまで木目調パネル(ステッカー)が採用されました。

 この木目調パネルはアメリカのステーションワゴンで古くから流行していたドレスアップのひとつで、本来、シビック カントリーではオプション扱いでしたが、発売時の最初の1500台に木目調パネルが標準装備され、牧歌的な外観のイメージを強く印象づけていました。

 エンジンは最高出力80馬力(グロス)の1.5リッター直列4気筒CVCCエンジンを搭載。トランスミッションは5速MTとホンダ独自のATである「ホンダマチック」を設定し、グレードは1グレードのみのシンプルな展開でした。

 また装備もワゴン専用に、運転席からボタンを押すだけでテールゲートのロック解除ができる電磁式オープナーが採用され、リアシートの背もたれは4段階に角度調節できる「バリアブルシート」となっているなど、ステーションワゴンとして使い勝手の良さが考慮されていました。

 人気となったシビック カントリーでしたが、3代目では5ドアハッチバックに近い、モダンなショートワゴンスタイルへ一新され、車名も「シビック シャトル」へと改名しました。

●スバル「レオーネ ツーリングワゴン」

 数少ない現行ステーションワゴンのなかでも、評価が高く人気となっているのがスバル2代目「レヴォーグ」です。

 このレヴォーグの前身にあたるのが「インプレッサ スポーツワゴン」と「レガシィ ツーリングワゴン」でしたが、さらに遡ると「レオーネ ツーリングワゴン」にたどり着きます。

 初代レオーネは1971年に誕生。翌1972年には世界初の乗用車タイプの量産4WD車「レオーネ エステートバン 4WD」が加わり、積雪地域などの足となる「生活四駆」の先駆け的存在でした。

 当時はまだ悪路走破性を重視しており最低地上高も高めでしたが、まさにレガシィ ツーリングワゴンの原型といえるモデルで、スバルのアイデンティティである水平対向エンジン+4WDの「シンメトリカルAWD」を確立していました。

 1975年には、同じく世界初の量産4WDセダンとして「レオーネ 4WDセダン」も登場し、生活四駆としてさらに人気を獲得。

 その後、1979年には2代目、1984年に3代目へとモデルチェンジしましたが、前時代的なOHVエンジンなど基本設計の古さは否めませんでした。

 そこで、1984年には最高出力135馬力(グロス)の1.8リッター水平対向4気筒SOHCターボエンジンを搭載したモデルが追加され、さらにフルタイム4WD化も果たすなどメカニズムを一新。

 しかし、スペック的にはまだ他社に遅れをとっていたため、スバルは1989年に次世代型の初代レガシィを発売し、一気に世代交代が図られました。

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 ステーションワゴンはセダンに匹敵するドライブフィールで、荷室の広さから使い勝手の良い、優等生なクルマといえます。

 今は需要が少ないものの、子育てが一段落したファミリー層のユーザーがミニバンからステーションワゴンに乗り換えるケースもあるようで、今後、さらに注目を集めるかもしれません。