トヨタの新型「ノア」「ヴォクシー」、ホンダの新型「ステップワゴン」が相次いで発表されたことで、2022年はミニバンの当たり年となりそうです。共に主力モデルとあって、激しい販売競争が予想されます。どちらが勝つのでしょうか。

「あっさり系のホンダ」と「こってり系のトヨタ」対極に分かれた新型ミニバンのデザイン性

 2022年1月に先行公開されていたホンダの主力ミニバン、新型「ステップワゴン」が、5月26日に正式デビューする見込みです。
 
 同じ1月に発売を開始したトヨタのライバル車、新型「ノア」「ヴォクシー」が非常に押しの強い「こってり系ギラ顔」フロントマスクだったのに対し、大きく方向性が異なる「あっさり系シオ味」デザインで話題となりました。
 
 あらためて2大メーカーによる最新ミニバンのデザイン性について比較してみましょう。

 2022年1月13日に発売を開始したトヨタの新型ミニバン、ノア/ヴォクシー。

 最新のTNGA GA-Cプラットフォームを採用し、パッケージングも一新。室内空間は拡大され、シートアレンジも大きく改善されました。

 なによりも、先代以上に押し出しの強い大型フロントグリルが主張する「こってり系」なギラ顔デザインで話題を呼びました。

 トヨタの開発者は、新型ノアを「堂々・モダン・上質」「王道・アグレッシブ」のキーワードで説明します。

 対する新型ヴォクシーは「先鋭・独創」としており、その違いはフロントデザインにも色濃く反映されていました。

 デビューした直後は、SNS上では特に新型ヴォクシーに対し「ギラギラしたデザインだ」「ドヤ顔すぎる」などの声を目にしました。

 しかしその後新型を街でも目にする機会が増え、見慣れてきたせいか「カッコいい」「なかなか良い」などの声も増えてきた印象です。

 事実、新型ノア/ヴォクシーはデビュー早々好調な立ち上がりとなっています。

 一般社団法人 日本自動車販売協会連合会(自販連)調べによる2022年3月の販売台数は、2モデル合わせて1万4737台。翌4月にも1万404台を記録しています。

 5月中旬現在、コロナ禍による部品不足の影響とも相まって、納車には早くとも半年以上かかるとトヨタの公式サイトには記載されており、グレードや仕様によってはさらに長い納期がかかる模様です。

 現在のところ、新型ノア/ヴォクシーの力強いデザインも、ユーザーから好評をもって受け入れられている、とみて良いでしょう。

初代ステップワゴンの精神に立ち戻り「シンプルな道具感」を表現した新型

 対する新型ステップワゴンも、1月7日には内外装デザインを先行公開。

 ガチのライバル車である新型ノア/ヴォクシーの正式発表1週間前という、非常に戦略的な発表でお披露目されました。

 新型ステップワゴンはノーマルタイプを「AIR(エアー)」と変更し、エアログレード「SPADA(スパーダ)」との2ラインで対抗します。

 1.5リッターガソリンターボとe:HEV(ハイブリッド)というラインナップは先代モデルと同様ですが、そのデザインは、極めて特徴的に生まれ変わりました。

 新型ステップワゴンはAIR、SPADAともに直線基調の非常にシンプルなラインとし、ライバルとは全く違う「あっさりシオ味系」な方向性でまとめられていたのです。

 新型ステップワゴンを担当したホンダのデザイナーは「初代ステップワゴンが持っていたシンプルな道具感を表現しました」と説明します。

 先代に対しAピラー(フロントウィンドウの柱)を立てて室内空間を拡大。内装もシンプルなラインを意識し、車内からの視界の良さを意識したといいます。

 エアロ系のSPADAは、力強さを表現しつつも伸びやかさと品格ある佇まいを目指したと話します。

「ミニバンといえば大型グリル!」というのが主流路線だったこともあり、SNS上のクルマ好き勢からは発表直後から「良いデザインだ」と、おおむね好意的な声が寄せられていました。

 ステップワゴンはその後、公式サイト上で「2022年5月26日デビュー」と正式発表のタイミングを宣言。販売ディーラーでも、先行予約がおこなわれています。

 トヨタ同様に、ホンダでも公式サイト上で「工場出荷時期目処」の告知が行われており、5月上旬現在、新型ステップワゴンは「ガソリン車:5か月程度/e:HEV:6か月程度」と掲載されています。
 
 新型ステップワゴンも、正式発売前から多くの予約受注が入っていることがわかります。

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 ステップワゴンが正式デビューする2022年夏は、新型ミニバンの販売競争もますます激化しそうです。

 こってりギラ顔系のトヨタと、あっさりシオ顔のホンダ。販売台数合戦はどちらが勝利を果たすのか、2大メーカーの動きから目が離せません。