カローラシリーズの頂点に立つ、トヨタ新型「GRカローラ」(日本仕様)が2022年6月1日に初公開されました。“最強カローラ”といえる本格スポーツモデルですが、なぜ市販化にいたったのでしょうか。

「コモディティといわれる存在にしたくない」豊田社長の想い

 トヨタは、2022年6月1日に新型「GRカローラ」の日本仕様を初公開しました。カローラスポーツをベースに開発された、本格的なスポーツ走行にも耐えうるモデルとなります。

 カローラはトヨタのベストセラーモデルとして知られていますが、なぜトヨタはカローラスポーツをベースに本格スポーツカーを開発したのでしょうか。

 GRカローラの「RZ」グレードに搭載される1.6リッター直列3気筒ターボエンジンは、最高出力304馬力・最大トルク370Nmを発揮。

トランスミッションにATは設定されず6速MT(iMT)のみ、駆動方式はスポーツ4WDシステム「GR-FOUR」のみの設定となります。

 RZグレードをベースに作り込まれた限定車「モリゾウエディション」では、エンジンがチューンナップされて最大トルク400Nmを達成。さらに、軽量化のために後席が撤去され、5ドア車にも関わらず乗車定員が2名となります。

 なおトヨタはGRカローラについて同社のスポーツカーブランド「GRモデル」のひとつとして展開。「GRスープラ」や「GRヤリス」、「GR86」と同じ扱いとなります。

 なぜ、トヨタはカローラシリーズのトップモデルとして新型GRカローラを開発したのでしょうか。

 この点について、トヨタの豊田章男社長がカローラに対して強い思い入れがあることが影響しています。

 2019年9月17日におこなわれた12代目「カローラ」(ワゴンとセダン)の発表会に、豊田社長はビデオメッセージでコメントを寄せました。

 その際、自身がはじめて自分のお金で購入したクルマがカローラ(1600GT)であったことを明かしたうえで、次のように話しています。

「(自身にとってもカローラは)忘れられない青春時代の思い出が詰まったクルマです。カローラは、そんな誰かのストーリーになるクルマだと思っています。

 多くの人に愛されるクルマだからこそ絶対にコモディティ(汎用品)といわれるような存在にしたくない、というのが私のカローラへの想いです。開発陣にもずっとそう伝えてまいりました」

 後日、豊田社長は次のようにも話しています。

「カローラは、トヨタのブランドを支えてきた大切なモデルです。私が社長に就任したとき、心に決めたことがあります。それこそが、“Corolla is BACK”」

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 前述した12代目カローラでは、先行して投入されたカローラスポーツ(ハッチバック)も含めたすべてのモデルでTNGAプラットフォームを採用。これにより低重心なシルエットを獲得し、操縦安定性の高さなども話題となりました。

 さらに、新型GRカローラの開発にあたっては「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を実践。

 水素エンジンを搭載したGRカローラ(試作車)を開発してスーパー耐久シリーズに出場しました。

 また「モリゾウ」というドライバー名でレースにも出場する豊田社長は、自ら開発車両のハンドルを握り、走り込みにも参加。「お客さまを魅了する野性味」を追求するために新型GRカローラを鍛え上げたといいます。

「お客さまを虜にするカローラを取り戻したい」という豊田社長の意気込みが反映された新型GRカローラは、RZグレードが2022年秋ごろに発売さます。

「モリゾウ」の名前を冠した「モリゾウエディション」は、2022年秋に予約抽選の受付を開始。同年冬ごろに台数限定で発売される予定です。