大きな高低差を克服するために設けられたループ線は、ぐるりと「の」の字の形をしています。道路のループ線は全国各地にありますが、そのなかで「2連続のループ線」を3か所紹介します。

高低差を一気に克服するループ線

 高低差を一気に解消する道路の線形のひとつにループ線があります。一周クルリと回る間に坂を上り下りするもので、地図で見ると「の」や「α」の字のような形をしています。

 このループ線は、地形の険しい場所や、川や海で高さを確保する必要のある橋のたもとなど全国各地に設けられていますが、なかには2周連続する所も存在。今回はそんな「2連続ループ」を3か所紹介します。

●国道314号「奥出雲おろちループ」(島根県奥出雲町)

 島根県南東部の奥出雲町を通る国道314号は、高低差105mを2周しながら上り下りする日本最大級のループ区間があります。1982年に着工され、1992年4月に開通しました。

 記紀神話のヤマタノオロチから「奥出雲おろちループ」という名前が付けられており、途中には道の駅や展望台があったりと、一種の名所となっています。

 7本の橋と2本のトンネルが連続。特にループを上った先にある三井野大橋(橋長392m)は100m近い高さがあり、これからループ区間に入る道を跨いでいます。赤いアーチが印象的です。

●国道411号の柳沢峠付近(山梨県甲州市)

 標高1472mの柳沢峠は、東京の八王子から青梅を経て山梨の甲府までを結ぶ国道411号(青梅街道)が通っています。明治時代には、青梅街道の道筋が大菩薩峠(山梨県甲州市・小菅村)から柳沢峠経由に変わり、同街道の最高地点になりました。

 この柳沢峠から甲府方面へ下りていく区間に、2連続のループ線があります。

 実はこの2連続ループの区間はできたばかり。元々は幅が狭くヘアピンカーブの続く走りにくい道でしたが、これらを解消する「上萩原III期バイパス」が2010年度に事業着手され、2019年11月までにループ線2つの供用が始まり、2021年8月にバイパス全体が完成しました。

 延長1960mのバイパスは主に3本の橋と2本のトンネルで構成されており、2つのループ線で一気に坂を駆け下ります。

一般車通行禁止の2連続ループも

●首都高速の大黒JCT/PA・大黒ふ頭出入口(横浜市鶴見区)

 高速道路のICやJCTのなかには、ぐるりとした形のランプが設けられていることが多いですが、首都高速湾岸線と神奈川5号大黒線が接続する大黒JCTは、さらにPAと出入口が一体化しており、非常に複雑です。

 湾岸線の横浜ベイブリッジ(本牧JCT方面)から大黒PAや大黒ふ頭出口に行く場合、大きく2周しながら坂を下りていきます。その間、3回の分岐と2階の合流があります。

 この大黒JCTがこのような“グルグル構造”になったのは、1つは土地が限られていること、もう1つは横浜ベイブリッジが海面から50mあまりと高いことが挙げられます。そのため、周回しながら高度を下げていく構造が採用されました。

 大黒PAは、JCTのループ状ランプに囲まれた敷地に位置しており、駐車場からは、PAを取り囲む高架道路の曲線美を堪能できます。

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 このほか、一般車は通行できませんが、秩父太平洋セメントの叶山鉱業所(群馬県神流町)にある白水隧道は、2周のループ線を描いています。が、このループ線はすべて山体の中に掘られているため、外からそのグルグルの姿は確認できません。

 首都高速の大橋JCT(東京都目黒区)や国道414号の七滝高架橋(河津七滝ループ橋、静岡県河津町)、国道487号の音戸大橋(広島県呉市)など、コイルばねのように同じ位置でグルグル回る形をしたらせん状のループ線も各地に存在します。

 このようなループ線を目印や経由地にしたりして、ドライブルートのアクセントにしてみるのも良いかもしれません。