夏休みを迎えるこれからの時期は、レジャーやお盆の帰省など、クルマを利用する機会も増えてきます。一方、夏の長距離ドライブでは、バーストやパンクなど、タイヤのトラブルが多く発生しています。夏のタイヤの注意点とトラブルの対策方法はどのようになっているのでしょうか。

真夏はなぜタイヤのトラブルが多いのか

 2022年はチベット高気圧と太平洋高気圧が重なる“2階建て高気圧”により、猛暑が予想されています。
 
 一方、夏の長距離ドライブでは、バーストやパンクなど、タイヤのトラブルが多く発生しています。夏のタイヤの注意点とトラブルの対策方法はどのようになっているのでしょうか。

 暑さが辛く感じる人も多いかもしれませんが、それはクルマにとっても同様です。クルマは外気や直射日光にさらされることが多いので、気温が暑い日には、内外装のパーツ類への負担も大きくなっています。 

 熱によるダメージが多いのがゴム類で、走行の要になっているタイヤの劣化には、とくに注意が必要です。

 JAFが公表する2021年の「JAFロードサービス 主な出動理由TOP10」によると、一般道路での「タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足」の出動件数は36万9670件 (18.24%) と、全体の2位を占める割合です。

 また、高速道路に至っては、2万1189件 (38.91%) で、第1位となっています。比較的、タイヤへの負担が多い高速道路においては、第2位の出動理由である「燃料切れ」の8020件 (11.98%) と比べ、大きく差をつける結果です。

 さらに、シーズン別の出動件数では、お盆シーズンがもっとも多く、2021年のお盆期間(8月7日から8月16日)には、9日間で6万6675件もの出動要請があったそうです。

 このようにお盆期間の出動件数が多い背景には、そもそもの外出量の増加はもちろん、気温の高さなども関係しているようです。

 国内のタイヤメーカーブリヂストンの広報担当者は、タイヤのトラブルについて「タイヤの主な材料はゴムです。一般的に、ゴムはある程度高温になると軟らかくなる性質があるので、気温が高い夏場では変形が大きくなり、故障などのトラブルにつながる可能性があります」と話しています。

 また、カー用品店イエローハットの広報担当者も、同様に「タイヤはゴム製なので、熱を持っていると性質が脆くなり、ゴムがちぎれたり変形する可能性が高くなります」として、以下のように説明を続けます。

「タイヤは、地面と接地しているときと、接地していないときを繰り返すことで熱を発します。

 この圧縮と解放の繰り返しに、夏の高い外気温や路面温度の上昇といった要因が加わることによって、さらにタイヤが熱を持ち、負担がかかってしまいます。

 これにより、空気圧の不足やタイヤの変形が起こりやすくなり、タイヤのバーストが発生しやすいと考えられます」

 そもそも夏場の日中は、道路の路面温度が60度を超えることもあり、冬場などに比べてゴムに負担がかかりやすくなっています。

 さらに、高速道路では、イエローハットの担当者が話すような、タイヤと地面の接地・不接地が繰り返され、一般道路に比べてゴムが高温になりがちになっています。

 一方で、ブリヂストンの担当者によると、最近のタイヤではそうしたトラブルがおこらないように、しっかりと対策されている場合も多いようです。

「弊社の場合、ゴムなどの材料は使用される地域の温度//湿度などを考慮しタイヤを開発しているので、適切な空気圧で使用頂いている分には問題はないと考えます。

 例えば、中近東(北アフリカや西アジア)のような地域でご使用いただくタイヤであれば、日本と違った熱に強いゴムなどの材料を使う場合もございます」(ブリヂストン担当者)

バーストやパンクの対策方法は?

 このように、最近のタイヤは進化も進んでいますが、タイヤはさまざまな国で多くのメーカーが製造しており、すべてのタイヤにそうした対策がおこなわれているわけではありません。

 では、バーストやパンクなどのタイヤトラブルを防ぐためには、どのような対策をおこなうのが良いのでしょうか。
 
 大前提として重要なのが、タイヤを定期的に点検することです。

 ブリヂストン、イエローハットともに「季節にかかわらず、月に1回の点検を推奨している」といい、タイヤの空気圧はもちろん、溝の残りや状態を確認することを求めています。

 なお、タイヤの点検は、イエローハットなどのカー用品店でスタッフに点検してもらうことはもちろん、そうした店舗やガソリンスタンドなどでは、空気入れを借りて、自分で点検をおこなうことも可能です。

 イエローハット担当者は「推奨はしているものの、月に1回もタイヤの点検を実施している人はあまり見かけないのが実情です。とくに、夏はご自身のクルマの点検をより高頻度でおこなっていただきたいです」と念を押します。

 自身でタイヤの空気圧を点検する際には、モデルごとに決められている「指定空気圧」を運転席ドア付近や給油口付近の表記から確認し、適切な量の空気を入れるようにしましょう。

 もし、適切な量がわからない場合には、店頭のスタッフに案内してもらうことも可能です。

 空気圧が高かったり、低かったりすることでもトラブルになる可能性があるので、指定通りの空気圧にすることが重要です。

 また、最近のクルマでは、空気圧の変化を感知するセンサーが搭載されていることもあり、車種によっては後付できる場合もあるようなので、導入を検討するのも良いかもしれません。