夏になると猛暑が続きますが、屋外に駐車したクルマのなかの温度は非常に高くなります。    とくに直射日光にさらされるダッシュボードは、火傷するほどの熱さになるといいます。車内の温度の上昇を抑えたり、早く下げたりする方法はあるのでしょうか。

夏の車内は灼熱に!? ダッシュボードでやけどの恐れも

 夏になると猛暑が続きますが、屋外に駐車したクルマのなかの温度は非常に高くなります。
 
 とくに直射日光にさらされるダッシュボードは、火傷するほどの熱さになるといいます。車内の温度の上昇を抑えたり、早く下げたりする方法はあるのでしょうか。

 夏場の車内は、ハンドルやダッシュボードなどがうかつに触れないほどの熱さになっている場合があります。

 日本創傷外科学会の説明によると、高温のものはもちろん、45度から50度ほどのものでも、長時間触れている場合には、低温火傷をしてしまうことがあるそうです。

 例えば、国土交通省が火傷について注意喚起しているもののなかには、チャイルドシートが挙げられます。

 国土交通省では、チャイルドシートの装着について、以下のように注意を促します。

「炎天下での駐車時には、チャイルドシート本体、バックル、ベルトの金具部分などが熱くなり、火傷するおそれがあります。

 子供を着座させる際には、各部に触れてみて、火傷をしないことを確認したうえで使用しましょう」

 もちろん、チャイルドシートだけでなく、シートベルトや車内の金具部分も同様に火傷のリスクがあり、クルマに乗り込んで、触る際には注意が必要といえます。

 また、金具部分以外にも車内で火傷の恐れがあるのが、ダッシュボードです。

 JAFは真夏の車内温度について「晴れた気温35度の駐車場にて、午後12時から4時間、駐車条件の異なる車両(ミニバン)を5台用意し、炎天下における車内温度を測定する」という実証実験をおこなっています。

 駐車条件は「1.対策なし(黒)」「2.対策なし(白)」「3.サンシェード装着」「4.窓開け(3cm)」「5.エアコン作動」の5つとなっており、「1」と「2」では、同条件でボディカラーによる車内温度の違いを測定しています。

 その結果、車内の最高温度を記録したのは「1」で57度。もっとも温度の上昇を抑えられたのは「5」で27度という結果でした。

 ダッシュボードの温度に関しては、もっとも高温になったのが「1」の79度だった一方で、車内温度では最低の27度を記録した「5」ですら、ダッシュボードの温度は61度と、どちらも高温状態になっています。

 ダッシュボードは、直射日光に当たりやすい位置にあるため、車内でもとくに高温になりやすくなり、前述のように人体は45度以上の温度から火傷のリスクがあるため、79度や61度ではじゅうぶんに火傷する可能性が考えられます。

 たとえ、エアコンを稼働させていたり、サンシェードを活用するなどの対策をおこなったりしていても、クルマを炎天下に放置していた際には、ダッシュボードなどを安易に触れないよう、注意したほうが良さそうです。

真夏の車内の火傷対策は?

 では、このような車内での火傷を対策するためには、どのような方法をとるのがベストなのでしょうか。

 JAFの担当者は、真夏の車内温度について、次のように説明します。

「窓を3cm程度開けた状態や、サンシェードでフロントガラスを覆ったときの車内温度は、対策なしのクルマと比べてわずかしか温度上昇を抑えることができませんでした。

 また、外気温35度で日なたと日陰にクルマをとめ、車内温度を比べた実験では、1時間後には日なたの車両が43度、日陰の車両が36度という結果になりました。

 日陰の方が温度の上昇を抑えることはできますが、それでも車内温度は高くなってしまいます」

 つまり、サンシェードといったアイテムの活用に比べると、クルマを駐車する場所の工夫などをおこなうほうが、車内の温度を下げるには有効的といえそうです。

 ただ、これらはダッシュボードや金具の温度ではなく、あくまでも車内温度であるため、実際にはダッシュボードや金具がさらに高温になっている可能性が高いといえます。

 このような場合に、直接触れてみて温度を確認するのは安全な方法とはいえません。

 シートベルトの金具やダッシュボードの温度を下げるためには、水で濡らしたタオルなどを用意し、2、3回ほど、高温が予想される部分をを拭き上げるのが良く、タオルでまんべんなく包み込んで温度を低減させることが重要です。

 また、車内で使用できる冷却スプレーなどを活用するのも有効的といえます。

 カー用品店などでは、車内の冷却用にスプレーを販売しており、それらを高温部分に噴出することで、瞬時に温度を下げることが可能です。

 なお、45度という温度はひとつの目安であって、絶対的な基準値ではないため、45度以下だからといってダッシュボードなどを触ることが安全とはいい切れません。

 自分なりの対策をおこなっていたとしても、真夏の車内でものに触れる際にはじゅうぶんに注意するようにして、とくに小さな子どもがいる場合には、子どもを車内に乗せるまえに、火傷対策をおこなっておくのが良さそうです。

※ ※ ※

 ちなみに、ダッシュボードにものを置く場合、スマートフォンやガスライターだけでなく、芳香剤や眼鏡、水の入ったペットボトルなど、光を集める作用があるものも要注意です。

 こうしたものは、直射日光の当たるダッシュボード上で、虫眼鏡のレンズのように「収れん現象」を起こし、車両火災の原因となります。とくに夏は車内にものを放置しておかないように意識しましょう。