世界最大級のEVメーカーとなるBYDは、日本乗用車市場への参入を決定し、BYDジャパンの日本での乗用車発売および新会社設立を発表しました。日本のEV市場に本格参入することになりますが、どのような展望を描いているのでしょうか。

BYDジャパンの日本での乗用車発売および新会社設立

 2022年7月21日、ビーワイディージャパン株式会社(以下BYDジャパン)は、日本乗用車市場への参入を決定し、BYDジャパンの日本での乗用車発売および新会社「BYDオートジャパン」の設立を発表しました。
 
 また、2023年1月より順次、EV3車種の販売開始します。

 バッテリーメーカーとして創業したBYDは、バッテリーをはじめとするEVのコアパーツを自社開発する技術力を強みとして、EV乗用車やEV商用車などのNEVを世界70以上の国と地域で展開。

 なお、NEVとは「新エネルギー車(NEV:New Energy Vehicle)」を指し、BEV(電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド)、FCV(燃料電池車)の中国における総称です。

 中国では2021年にNEV販売台数No.1となるなど、世界最大手の自動車メーカーのひとつとなります。

 一方のBYDジャパンは、これまで日本国内でEVバスやEVフォークリフトを販売。EVバスにおいては、公共交通用途などで64台を納入しており、国内EVバスのシェア7割を占めています。

 また、2010年には日本の自動車用金型メーカーの工場をグループ化し、日本の金型技術を乗用車に活用するなど、日本との繋がりを深めています。

 今回、BYDが日本の乗用車市場に参入する背景について、BYDジャパンは次のように話しています。

「日本政府が2035年までに国内新車販売で電動車100%を実現することを決定し、電動化が急務とされるな一方で、2021年に日本で発表されたEV販売比率は約1%です。

 BYDジャパンがおこなった調査では、『価格の高さ』『充電設備の不足』『航続距離への不安』『ラインナップの少なさ』が購入ハードルとなっていることが分かりました。

 BYDは、世界中で高い安全性と航続性能をもったさまざまなボディタイプのEVを手の届きやすい価格で展開してきました。

 そこで、日本においても『eモビリティを、みんなのものに』をテーマに、2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向けて、BYDの EVを日本の皆様の選択肢のひとつとして頂けるよう、日本の乗用車市場への参入を決定いたしました」

 また、日本市場参入にあたりライバルメーカーに対して、BYDジャパン代表取締役社長・劉 学亮氏は次のように話しています。

「日本は自動車に限れば日本から多くを学んできました。

 なお、EVはまだ産業ができてないこともあるので、すでに先行して自動車を展開しているともに、安心安全の社会を作っていきたい」

 また、BYDオートジャパン代表取締役社長となる東福寺 厚樹氏は、日本市場のシェアや価格帯について次のように話しています。

「日本市場のシェアについては、お客さまからどのくらい支持されるかによって変わります。

 しかしながら47都道府県に拠点を構えるのでそれなりのボリュームを期待したい。

 価格は2022年11月には公表したい。いまのところ、マーケットの状況などの要素で考えているが、手の届く価格やバリュー・フォー・マネーを考えています」

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 今回、日本の乗用車市場に導入するのはミドルe-SUV「ATTO3(アット3)」、e-コンパクト「DOLPHIN(ドルフィン)」、e-セダン「SEAL(シール)」の3台です。

 2023年1月に発売予定のアット3を皮切りに、2023年中頃にドルフィン、2023年下半期にシールを予定しています。

 BYDオートジャパンは、販売代理店を通じて乗用車の販売とアフターサービスを提供。

 2025年までに100を超える拠点を計画しているほか、発売開始時にはファイナンスや保険、カーアクセサリーも整えていく予定です。

 これらの展開により、日本のユーザーニーズに応えるサービスを構築するとしています。