トヨタ「GR86」とスバル「BRZ」が、初代デビューから10周年を迎え、特別仕様車が富士スピードウェイでおこなわれたイベント「FUJI 86・BRZ STYLE 2022」でアンベールされました。トークショーでは、両社の開発陣から開発の舞台裏が語られました。

10周年の「86(GR86)/BRZ」に特別仕様車登場!

 初代86・BRZが登場するときから始まったトヨタとスバルの協業ですが、新型GR86・新型BRZへと受け継がれ、さらにトヨタ新型「bZ4X」とスバル新型「ソルテラ」の共同開発などにも繋がっています。

 そんな86とBRZですが、両車の10周年記念モデルが、2022年7月24日に富士スピードウェイ開催された「FUJI 86・BRZ STYLE 2022」でアンベールされました。

 これまで両社の協賛として開催されてきた、86とBRZの一大イベント「86 STYLE with BRZ」は、初代モデル登場から10周年を迎えて「FUJI 86・BRZ STYLE 2022」と名称も変更。お互いにこれからもっと一緒に盛り上げていきましょうという意気込みが感じられます。

 GR86の特別仕様車として設定される「RZ“10th Anniversary Limited”」は、初代86を彷彿させる「フレイムオレンジ」に彩られ、インテリアの各所には専用オレンジアクセントやキャストブラック加飾が施されました。

 一方の「BRZ S “10th Anniversary Limited”」は、スバルといえばの「WRブルー・パール」を身に纏い、インテリアの各所には専用のブルーステッチが施されています。

 会場にはTOYOTA GAZOO Racing GRプロジェクト推進部 チーフエンジニア 末沢康謙氏と、スバル 新型SUBARU BRZ開発責任者 商品企画本部PGM 井上正彦氏が登場。10年にわたる86とBRZの開発秘話を聞くことができました。

 10周年を迎え井上氏は「10年 ひと昔といいますが、長いような短いような感じです。初代が9年、2代目が1年で10年ですけど、開発自体はその前からおこなわれていて、2008年くらいから始まっているのでかれこれ14、5年関わっています。トヨタさんとも毎週定例ミーティングをおこなっているんですよね、年に50回くらいあるわけですけど、10年経ったということは500回くらいはやっている訳です。良くもまぁネタが尽きないなと驚きます」と、定例ミーティングの多さと、開発のネタが尽きないと振り返ります。

 末沢氏も「本当にネタが尽きないですね。何度も群馬にも通い、フェイスtoフェイスで話もしています。いろんなネタがあってこれから発表することもありますがネタは尽きないです」と、エンジニア同士いつまでも次への思考が止まらない様子です。

「10年やっていると、スバルの開発用語とトヨタの開発用語が違うけれども、段々と何をいっているのか通じるようになってくる」と開発行程の違いも乗り越えてきたともいいます。

オレンジの「GR86」とブルーの「BRZ」に込められた想い

 井上氏は「新型GR86とBRZは開発に苦労していたこともありましたが、新型が登場した翌年が10周年な訳ですよ、その一番忙しい時期ですけど、やはり10周年は何かしなくてはダメでしょうということで、忙しい最中でしたが、それぞれ何かネタを考えましょうとなった」と、開発の佳境にも関わらず、10周年に向けてお客さまに喜んでもらえるものを計画していたことが明かされました。

 末沢氏は「GR86のオレンジは初代86で一番人気があった色です。じつはもうひとつ想いがありまして、初代の『レビン』、50年前の1972年の『TE27レビン』ですね。トヨタFRスポーツクーペの先駆けとなる車両になります。このモデルもオレンジが非常に人気がありました。その車両への想いもこめてのオレンジです」と初代86だけでなく、その先祖になるTE27レビンのオマージュも込められていることが語られた。

 一方の井上氏は「スバルといえばWRブルーというのも定着していますし、昨年(2021年)念願のスーパーGTのチャンピオンも獲りましたし、やはりここはWRブルーとなりました。実は個人的の推しはセラミックホワイトなんですけど、いろいろあってブルーとなりました」と、10周年記念車のボディカラーの裏話を聞くことができました。

 インテリアでは、GR86はオレンジのステッチやシートバック、ドアにオレンジの10周年の記念刺繍が施され、BRZはブルーのステッチとシートバック、同じくブルーの10周年記念刺繍が施されているのが10周年車の特徴となります。

 10周年が過ぎたことで今後のGR86・BRZについて、井上氏は「愛車という言葉がある通り、愛されるクルマにしていきたいです。9年毎年毎年進化してきて、フルモデルチェンジして1年、まだ進化しているわけです。いろいろな次世代の技術も盛り込んでいければ良いと思います」とコメント。

 一方の末沢氏は「2021年に発売になった訳ですが、それで終わりではなくて、毎年毎年進化していく、新しいバージョンを盛り込んでいく、そういうことを考えています。最初にいつまでも開発の会話が止まりませんといいましたが、ずっとそんな話しをしています。あとですね、今日の会場にも多くのアフターパーツメーカーさんがいらっしゃいます。いろんな声をお聞きして、カスタムしやすいですねとファンのみなさんの声にも応えていきたいと思っています」と意気込みを語りました。

 スーパー耐久でお互い切磋琢磨していることについて、末沢氏は「選択肢が増えている段階です。いろいろな実績を作りながらの最中です。エンジンの開発もおこなっていますし、軽量化の部分やパーツの開発も進めています」、井上氏も「元々の完成度が高いのですが、走っているといろいろ気づきもあります。あまり詳しくはいえないですけどレースからのフィードバックは入れ込んでいきたいです」とレースでの開発が進んでいることも語られた。

 その先にはひょっとしたらGRMN(GR86)やSTIバージョン(BRZ)なども、作れるようであれば作っていきたいと、実現しそうなビジョンも両者から飛び出し、「今後とも両社で多くのコミュニケーションをとりながらファンのみなさんに愛されるクルマ、みなさんに喜んでもらえるクルマを作っていきたい」とトークショーは終了しました。