「新車」はしょっちゅう購入できるものでもなく、安く買うためのノウハウを得るのも難しいもの。とくに昨今は新車供給も遅れ特別な対応も求められます。そこでクルマ購入の達人が新車商談のマル秘技を伝授します。

「新車商談」でつい見逃されがちな点が重要なポイントとなることも

 新車を購入する際に行う商談では、グレードやオプション、ボディカラーといった購入するクルマの仕様を決めるというのももちろんですが、車両本体価格の値引きについても駆け引きが行われるもの。
 
 さすがにデビュー間もない新型車などは値引きがなされない場合もありますが、ある程度登場から時間が経った車種においては数十万円単位の値引きがなされるケースもあり、まったく同じ仕様の新車を購入したとしても支払総額に大きな差が出ることも珍しくありません。
 
 そこで今回は、気になるクルマをなるべく安く購入するためにしておきたい商談の「マル秘テクニック」について、新車・中古車問わず「クルマ購入マニア」と化している筆者(小鮒康一)がご紹介します。

 マル秘といっても、ひとつひとつはごく当たり前のことだったりします。でも案外見落とされることでもあるので、ここで改めてひとつひとつを確認してみましょう。

 商談マル秘テク、その1は「購入の意思をしっかり伝える」です。

 シンプルかつ重要なのが、「クルマを買う」という意思をしっかり伝えること。新型車が出たからとりあえず様子を見に来たという客(冷やかし客とみなされる可能性が高い)と、クルマを購入する気マンマンでやってきた客とでは、やはり営業スタッフの気合いの入り方も違うというものです。

 そのため、好条件さえ出れば契約書に判を押すつもりで来ていることをしっかりアピールし、どのくらいの条件を出してくれるのかをしっかり見極めたいところです。

 その2は「相見積もりを取る」。

 狙っている本命車種が決まっていたとしても、ライバル車種の相見積もりを取るのは昔から有効な定番手段のひとつ。例えばミニバンのトヨタ「ヴォクシー」が本命だとしても、直接的なライバルであるホンダ「ステップワゴン」や日産「セレナ」の相見積もりを取り、「向こうの方が好条件だから悩んでいる」と相談すれば、本命車種の営業マンも頑張ってくれるハズ。

 逆に本命一本に絞りすぎると、「この客はそこまで値引きをしなくても買ってくれそう」と思われ、好条件が出にくくなるケースもあるので、あまり前のめりになり過ぎないクールさも必要となります。

 また同じメーカーの販売店でも、経営母体が違うディーラーであれば、同じ車種で相見積もりを取るのも有効な手段です。逆に同じディーラーの異なる支店で見積もりをとっても、店舗間で顧客データも共有されていてすぐにわかってしまうのでご注意を。

 県境などに住んでいれば、ちょっと足を延ばして隣の都府県にある別ディーラーで相見積もりを取るのも手段のひとつとなるでしょう。勤務先で営業用のクルマを使用している場合に、その担当者を通して見積もりを取るというウラ技もあります。

 ともかく、値引きを得るための手間は惜しんではいけません。

 その3は「下取り車をどうするか?」。

 今の愛車を下取りに入れて代替を考えているなら、その車両をどこで売却するかも悩ましいところ。ひと昔前ではディーラーの下取りよりも買取店の方が高値が付くというのが一般的でしたが、最近ではディーラー側も中古車の販売網を強化しているところが多く、車種によっては買取店並みの高値を付けるケースも増えています。

 また、車両本体価格からの値引きができない代わりに、下取り車の価格で調整するケースもあるので、単純な下取り価格だけで判断せず、最終的な見積もりや支払いの総額で考えることが必要でしょう。

いまもっとも気にしておきたい「新車納期の長期化」に備えよ

 商談マル秘テクその4は、いまもっとも重要なポイントとなる「長納期に対する問題をクリアにせよ」です。

 2022年7月末現在、新車を購入する際に気を付けておきたいのが、車種によっては納期がかなり長くなっているという点。

 以前では早ければ1か月、長くても3か月ほどで届いていた新車。車検切れのタイミングに合わせせいぜい3、4か月前から動きだせばよいだろうと考えている人がいたら、その考えはいま危険すぎます。

 長引く半導体不足やコロナ禍の影響による物流停滞などの影響もあり、早くても半年、長ければ年単位の納期となっている車種も珍しくありません。

 そのため、納車を待つ間に今乗っている車両の車検が満了してしまうケースも珍しくなくなっています。

 場合によっては販売会社が格安で継続車検を請け負ってくれるケースも出てきているようで、これも値引きの一環とみていいでしょう。ただし車検時に発生する税金関係は値引きの対象とはならず、必ず自己負担となる点に注意が必要です。

 新車不足が続くいま、商談の際には必ず長納期に対する対応や、万が一納期が伸びた場合の対応なども聞いておいた方がいいでしょう。

 また前述した下取り車についても、納期が年単位で先となると、車両の状態が査定時と変わってしまっている可能性も大いにあります。下取り価格がどのくらい担保されるのかも確認しておきたいところ。

 万が一のことを考えて、今の愛車にはしっかりとした車両保険を付帯するというのも自己防衛の手段となります。

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 このように従来の新車の商談スタイルに加え、長い納期の問題も悩ましいポイントとなっている現在。

 新たな選択肢として、即納可能な「登録済未使用車」なども存在していますが、納期が延びている影響で新車価格を上回る値段となっているものも珍しくなく、冷静な判断が必要な状況となっています。