違反行為を取り締るのは警察官の役目ですが、違法駐車に関しては「駐車監視員(緑のおじさん)」が取り締ることが可能だといいます。なぜ緑のおじさんは違法駐車を取り締ることが出来るのでしょうか。

街中で見かける駐車監視員と警察官の違いとは

 街中で見かけることの少なくない違法駐車車両ですが、そのようなクルマを取り締まるのが「駐車監視員」です。
 
 緑の制服を着ているので、「緑のおじさん」とも呼ばれる駐車監視員ですが、通常の警察官とは何が違うのでしょうか。

 違法に駐車されたクルマを取り締まる「駐車監視員」を、街中で見かけたことがある人は多いかもしれません。

 緑のおじさんとも呼ばれている駐車監視員ですが、一体どのような仕事をしている職業なのでしょうか。

 駐車監視員業務を委託されている関東圏の会社担当者は、駐車監視員について以下のように話します。

「私たちは、違法に駐車されたクルマが街の交通安全や皆さんの通行の邪魔にならないように、それらのクルマを対処するという業務を日々こなしています。

 違法駐車をなくすことによって、救急車や消防車などの緊急車両がどんなときも通行できるようにしています。

 また、道路を利用する皆さまの安全を確保したり、渋滞の緩和につなげたりと、皆さんのお役に立てたらいいなと思っています」

 駐車監視員は2人1組で行動し、違法駐車を見つけると証拠として写真に収めて、フロントガラスに黄色の縦長ステッカーを貼ります。

 このステッカーを貼られたクルマの使用者は、違法駐車に対する放置違反金を期日までに払う必要があります。

 しかし、駐車監視員が取り締まりできる区域は事前に決まっており、すべての違法駐車を取り締まるわけではありません。

 通行の妨害になる場合や事故を引き起こす可能性がある場合、また電柱などに警告文が書いてある「駐車監視員取締重点地域」の近辺は、取り締まりの対象になる可能性が高いといえます。

 しかし、警察官でもない緑のおじさんが、駐車禁止の取り締まりをおこなうことができるのはなぜでしょうか。

 前出の担当者は、駐車禁止の取り締まりについて以下のように話します。

「もともとは、警察官が違法駐車の取り締まりをおこなっていましたが、市街地での違法駐車車両があまりにも増えたため、2006年に道路交通法が改正されました。

 改正されたことによって、違法駐車の取り締まりを、民間委託でも対応できるように体制が変更されるようになり、私たち駐車監視員による取り締まりが可能になりました」

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 そんな駐車監視員ですが、民間企業ではあるものの、誰でもなれるわけではなく、駐車監視員資格者証明書の取得が必要となります。

 資格取得には、国家資格である駐車監視員の講習を2日間受講し、試験に合格する必要があります。

 また駐車監視員は国家公務員の警察官と違い、民間企業の扱いになるため、駐車違反の取り締まりはできても、ほかの違反の取り締まりやレッカー移動の手配、クルマの移動の命令をおこなうことはできません。

 ただし、駐車監視員の業務中は「みなし公務員」にあたるため、駐車監視員に対して暴行や脅迫を行った場合は、公務執行妨害が成立します。

 このように、警察官よりもできる業務が限られているものの、警察官と非常に近い立場で活躍しているのが、緑のおじさんと呼ばれる駐車監視員なのです。

知らないとダメ! 「◯◯の3m以内」は駐車禁止だった?

 駐車監視員は、前述のとおり、違法に駐車されたクルマにステッカーを貼り、取り締まっていますが、実際に駐車できるところとそうでないところはどういった場所なのでしょうか。

 道路交通法第44条では、停車および駐車を禁止する場所について、以下のように定められています。

「車両は、道路標識等により停車および駐車が禁止されている道路の部分および次に掲げるその他の道路部分においては、法令の規定もしくは警察官の命令により、または危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、または駐車してはならない」

 次に掲げるその他の道路部分には、「交差点」「横断歩道」「踏切」「交差点側端または道路の曲がり角から5メートル以内の部分」「横断歩道または自転車横断帯の前後の側端からそれぞれ前後に5メートル以内の部分」などが挙げられています。

 上記に挙げられたような交差点や横断歩道は、一般的に駐車してはいけない場所として知られていますが、そのほかにも駐車が禁止されている意外な場所があります。

 たとえば、駐車場、車庫などの自動車用の出入口から3m以内の場所や道路工事の区域の端から5m以内の場所、消防用機械器具の置場の道路に接する出入口から5m以内の場所や火災報知機から1m以内の場所などはすべて駐車禁止の場所です。

 また、駐車禁止の場所でなくても、長時間の駐車は法律によって禁止されています。

 自動車の保管場所の確保等に関する法律第11条では「自動車が道路上の同一の場所に引き続き12時間以上駐車することとなる行為」や「夜間(日没時から日出時までの時間)は道路上の同一の場所に引き続き8時間以上駐車することとなる行為」は禁止されています。

 違法駐車した使用者と揉めるトラブルに巻き込まれやすい駐車監視員ですが、違法駐車を見つけたら、即座に取り締まりをするのが緑のおじさんの本来の業務です。

 お互いが嫌な思いをしないためにも、当然ですがマナーや思いやりを持ってきちんと決められた場所に駐車するようにしましょう。