車中泊に最適なクルマといえば商用の1BOXバンが最有力候補ですが、日常の用途に使うにはすこし難しい面があります。それがミニバンでも同じように楽しめるのなら、とても良いと思いませんか。

いつものミニバンで車中泊を楽しめるなら万能度はますますアップ!

 車中泊ブームの盛り上がりを受け、広い荷室空間をベッドスペースに転用可能な1BOXタイプの商用バンに注目が集まっています。しかしファミリーカーとして使うのは、ビジネスライクなデザインや簡素な装備などで、ちょっとハードルが高いのも事実です。
 
 日常の買い物や通勤、送迎などにも使い、週末はレジャーや車中泊を…… というなら「ミニバン」という選択肢はどうでしょうか。

 スクエアな車体で広い室内を持ち、3列シートを配置する「ミニバン」は、ファミリー層を中心に絶大な支持を集めるジャンルです。以前に比べ走行性能や燃費性能も大幅に向上し、実用性はさらに高まっています。

 そんなミニバンで車中泊が楽しめるなら、ますます全方位で楽しめる万能なクルマとなるでしょう。

 今回は車中泊に最適なミニバン 3モデルを紹介します。

●アウトドア派の人気銘柄! 三菱「デリカD:5」

 数あるミニバンのなかでも、独自のキャラクターで存在感を放っているのが三菱のミニバン「デリカD:5」です。

 デリカD:5の特徴は、SUVテイストにあります。最低地上高をアップし、見た目にもアクティブな雰囲気が満点ですが、単なるファッションではありません。

 SUV譲りの電子制御四輪駆動システム「AWC(All Wheel Control)」を全車に装備し、舗装路から悪路まで高い走破性を誇り、アウトドア派のユーザーからも絶大な支持を集めています。

 三菱もそんな需要に応えるべく、純正アクセサリーに車中泊向けのアイテムを多数用意しています。

 注目は、シートをフルフラットにした際に使う「ジョイントクッション」です。

 クルマのシートは、走行中に乗員を支えるため、左右それぞれに凹凸が設けられていますが、ベッドとして使う際にはそれが邪魔になります。そんなときにジョイントクッションをベッドマット代わりにつかうことで「寝床」をフラットに補正してくれる効果があります。

 このほかにも、カータープ(クルマに取り付けて使用するアウトドア用の日除け)やチェア、テーブルまで用意されている念の入れよう。せっかくならトータルコーディネイトで揃えたいところです。

●フルモデルチェンジ直後から大人気! トヨタ「ノア/ヴォクシー」

 2022年1月にフルモデルチェンジを実施したトヨタのミディアムミニバン「ノア/ヴォクシー」が好調な売れ行きです。

 1月から6月までの販売台数は、ノアが2万3642台、ヴォクシーが2万2609台。2モデル合計で約4万6000台、月平均でおよそ7700台と、量販コンパクトカー並みの高い実績を誇ります。

 人気の中心は、2列目席が左右で独立したキャプテンシートとなっている7人乗り仕様ですが、車中泊を考えているのなら、一体型の8人乗り仕様も検討したいところです。

 8人乗りなら、2列目席を倒し3列目と一体化させることで、大きな簡易ベッドが出来上がります。これがキャプテンシート仕様だと席を倒しても左右席間にすき間が生じてしまうため、車中泊には向いていないのです。

 人気の新型ノア/ヴォクシーの購入を検討する際には、こうした視点でも比較してみてはいかがでしょうか。

●ベッド付きの純正特装車も! 日産「セレナ」

 日産の人気ミディアムミニバン「セレナ」も、ファミリー層から根強い支持を集める1台です。

 もちろんシートを倒してそのまま車中泊することも可能ですが、セレナがすごいのは、メーカー純正のベッド装着車「マルチベッド」の設定があるところでしょう。

 これは2列シート仕様の特装車で、日産の関連会社である日産モータースポーツ&カスタマイズ(旧・オーテックジャパン)が製造しています。

 セカンドシートをたたみ、奥行き2150mm、幅1310mmの大型ベッドマットを展開することができます。これから大人2名が余裕で車中泊可能のサイズです。

 ベース車には、e-POWER搭載の「ハイウェイスターV」など多数のグレードから設定されているので、好みと予算に応じて選ぶことも可能となっています。

 消費税込み価格は、323万1800円から407万7700円までとなっています。

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 ロングドライブの疲れをとるための仮眠や、アウトドアでの車中泊の際に気を付けたいのは車内の温度です。

 とくに夏場は夜間でも気温や湿度が高い場合があり、熱中症の危険が伴います。窓を開けたいところですが、虫などが侵入してくるのでそうもいきません。

 ならばカーエアコンを使用して……となりがちですが、キャンプ場などでエンジンをかけたまま停車するのは禁止されていますし、そもそもどんな状況でも長時間のアイドリングは推奨できません。

 ミニバンなど人気のモデルでは、窓に取り付けられる車種専用設計の「網戸」や、メッシュ状のシェードが売られています。車中泊をする際、換気用には必須のアイテムとなります。

 近年の車中泊ブームを受け、社外からの視線や陽ざしを遮るプライバシーシェードと兼用できる多彩な市販品が用意されているほか、自動車メーカーによっては純正アクセサリーとして設定されているケースもあります。