第3回神奈川県圏央道連絡調整会議が開催。この中で、圏央道を構成する高速横浜環状南線と横浜湘南道路の開通時期が「白紙」になることが分かりました。

難航する高速横浜環状南線と横浜湘南道路の建設工事

 神奈川県内で建設が進む圏央道の開通が当初の予定から遅れそうです。

 国土交通省関東地方整備局横浜国道事務所とNEXCO東日本関東支社横浜工事事務所は2022年8月5日、両路線の開通時期が、現在の公表時期から繰り下がる見通しであることを明らかにしました。

 これは、神奈川県県土整備局、横浜市道路局、国交省関東地整横浜国道事務所、NEXCO東日本関東支社横浜工事事務所で構成する第3回神奈川県圏央道連絡調整会議で説明されたものです。

 圏央道(首都圏中央連絡自動車道)は、東京都心からおよそ40〜60kmの圏域を環状に連絡する延長約300kmの道路です。

 千葉と神奈川にある未開通区間のうち、神奈川県内では、横浜横須賀道路の釜利谷JCT(横浜市金沢区)から新湘南バイパスの藤沢IC(藤沢市)までがつながっておらず、「高速横浜環状南線」「横浜湘南道路」としてそれぞれ建設が進められています。

 開通見込みは、初期は2020年度とされていましたが、施工方法や安全対策への課題により、2024年度から2025年度にかけて順次開通見込みと公表されていました。

※ ※ ※

 高速横浜環状南線は、釜利谷JCTを起点とし、国道1号の戸塚IC(仮称、横浜市戸塚区)までを結ぶ延長8.9kmの路線です。横浜環状道路の南側を担うとともに、圏央道の一部も構成します。

 道路は6車線(栄IC・JCT〜戸塚IC間は暫定2車線)、設計速度80km/hで、全体の7割近くが地下トンネルや堀割で計画されています。

 しかし、途中の住宅街を貫く桂台トンネル(延長約1.4km)では、シールドマシンが故障し約1年弱停止しました。部品交換を経て2022年2月に掘進を再開し、7月末の時点でスタート地点から約1.2km進んでいるといいます。

 現在は掘進速度を調整するなど、周辺への騒音と振動に配慮した対策をしながら工事を進めているということです。

 桂台トンネルの先にある公田IC(仮称、横浜市栄区)も住宅街にあるため、工事用車両の台数を絞るなど、周辺の生活環境に配慮しながらの工事が続いています。

 今後、住宅地に入る工事用車両を減らすため、桂台トンネルを工事用道路として活用する計画ですが、そのトンネルの掘進状況などにより工事工程の精査が必要な状況と説明します。

5km超のトンネルがある横浜湘南道路は?

 横浜湘南道路は、戸塚ICの手前にできる栄IC・JCT(仮称、横浜市栄区)で高速横浜環状南線と分かれて、藤沢バイパス(国道1号)の直下を西進し、藤沢ICにつながります。

 延長7.5km、4車線、設計速度80km/hで、両端以外は5.6kmの長い地下トンネルとなり、途中には換気所が2か所造られる計画です。

 トンネルは2機のシールドマシンで掘っていますが、1号機は2019年11月、西進中に地中の支障物に接触。その後2021年6月に掘進を再開し、2022年7月末の時点では約2.4km進んだといいます。

 1号機はもうすぐ藤沢IC付近に到達し東へ180度方向転換しますが、マシンを回転させる立坑のスペースが限られるため、「より慎重な作業を行うことが必要となった」ということです。

 なお、2号機は2022年1月から5月にかけて約180mの初期掘進を実施し、現在は本掘進に向けた準備をしているところといいます。

※ ※ ※

 このようにシールドマシンの停止や、安全かつ慎重な施工が要求される現場であることから、国土交通省関東地方整備局とNEXCO東日本関東支社は「現時点において全体事業工程を正確に把握することは困難な状況」と説明。

 現在公表している開通見込みは、高速横浜環状南線が2025年度、横浜湘南道路が2024年度ですが、いずれも新たな開通目標はトンネルの掘進の状況などを踏まえて改めて公表するとしています。

 会議では、神奈川県・横浜市が「開通時期の見直しについては残念」とした一方「密集した住宅地を通る工事を安全に進める必要があることは理解する」とし、早期開通に向けて工事の推進に協力していくとコメントしています。