クルマは、履物を履いて運転するのが一般的ですが、履物を脱いで裸足で運転することは問題ないのでしょうか?

ペダルの「踏み込む力」が弱まる? 裸足運転の危険性とは

 暑い夏は、涼しい格好で運転をしたいという思いから、靴を脱いで裸足でクルマを運転する人もいるかもしれません。

 しかしここで疑問となるのが、裸足でクルマを運転しても良いのかということです。問題ないのでしょうか。

 そもそもクルマを運転する際の履物についての決まりは、道路交通法第71条「運転者の遵守事項」の第6号に規定されています。

 抜粋すると、運転者の守るべき事項について、「道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項」との記載があります。

「公安委員会が定めた事項」とは、各都道府県の公安委員会が定めた細則のことをいい、東京都であれば東京都道路交通規則、茨城県であれば茨城県道路交通法施行細則のように、それぞれ定められています。

 このため、東京都と茨城県を例に見てみると、東京都道路交通規則第8条第2項では、「木製サンダル、げた等運転操作に支障を及ぼすおそれのあるはき物をはいて車両等(軽車両を除く。)を運転しないこと」とされています。

 茨城県道路交通法施行細則第13条第5項でも、「運転操作に支障を及ぼすおそれのあるげた、サンダル、スリッパその他の履物を着用して自動車又は原動機付自転車を運転しないこと」との規定があります。

 ハイヒールを記載している県もあるなど地域によって異なりますが、総じて足から脱げやすいものやハイヒールのようにかかとが高く不安定なものなどが、禁止されていることが分かります。

 では、裸足はどうなのでしょうか。

 これについて、道路交通法や各都道府県の道路交通規則には定めがないため、禁止されているわけではないことは事実といえます。

 しかし、裸足で運転することの危険性について、元警察官のBさんは以下のように説明します。

「裸足は道路交通法で特段禁止されているわけではありませんが、裸足で運転することでペダルを踏み込みにくくなってしまうことが考えられます。

 ペダルを踏み込む際には、ある程度力を込めないとペダルが動きません。

 裸足だと、靴を履いている時と比べて、とっさにブレーキを踏み込む必要がある場合に踏み込みが遅くなってしまい、事故につながるおそれもあるといえます。

 また、裸足では足にかかる直接の負荷が大きいため、足の疲労感が増したり、痛めてしまうなどの可能性もあります。

 さらに、裸足でクルマを運転していると、万が一事故が発生した際にガラスの破片などで足をケガをする可能性が高くなってしまう危険性もあります。

 私は警察官時代に交通事故現場を多く経験していますが、大きな事故では車内や道路上にクルマの部品やガラスが散乱することがありました。

 ほうきとちり取りで道路を清掃すると、目には見えにくい細かいガラスの破片が集まることもあったので、事故時のケガを防止する観点でも靴を着用しておく方が良いと考えられます」

※ ※ ※

 裸足での運転に関しては、道路交通法上での明確な定めはなく、禁止はされていません。

 しかし、ペダルの操作を難しくする可能性や、ケガを防止することを踏まえると、靴を履いて運転する方が安全といえるでしょう。