渋滞時の高速道路やバイパスの合流では、車両の流入が増えてさらに流れが悪くなりがちですが、渋滞を緩和する正しい合流とは、どのような方法なのでしょうか。

スムーズな合流はドイツでも導入している、先頭でおこなうのが正しい

 年末年始やGW、お盆連休になると数十キロ以上の渋滞が発生しやすくなります。とくに高速道路やバイパスの合流では車両の流入が増えてさらに流れが悪くなりがちですが、渋滞を緩和する正しい合流とは、どのような方法なのでしょうか。

 渋滞中は、高速道路の各合流ポイントがウイークポイントとされています。

 本来、高速道路の合流においては、道路交通法第75条の6には「本線車道に入ろうとする場合において、当該本線車道を通行する自動車があるときは、当該自動車の進行妨害をしてはならない」と、あくまでも本線優先のルールが定められています。

 そのため、合流する側のクルマのドライバーは、本線を走行しているクルマの状況を確認してタイミングを図りつつ、じゅうぶんなスピードまで加速したうえで本線に合流することが求められます。

 ただし、高速道路の渋滞時に本線を優先した走行をすると、本線のクルマが途切れるタイミングがなく、合流するまでにはかなりの時間を要することになります。

 それでは、どのような方法が一番スムーズに合流をおこなえるのでしょうか。

 2019年11月、NEXCO中日本の名古屋支社では、渋滞時の合流をスムーズに促す「ファスナー合流(ジッパー合流)」について、試験的に運用した結果を公表。

 また名古屋高速では「ジッパー法(ジッパー合流)」と呼んでいます。

 ファスナー合流/ジッパー法(以下ファスナー合流)とは、合流する側のクルマが加速車線の先頭まで進んで、本線走行車両と1台1台交互に合流するという合流方法です。

 ファスナー合流は、クルマのスピードのロス(不要な加減速)も少なく、効率的な合流方法といわれています。

 試験運用は、合流ポイントでの渋滞が多い名神高速道路上り線でおこなわれ、合流ポイントの先頭部分まであえてラバーポールを設置することで、加速車線の途中で本線と合流できないようにされました。

 そのようにファスナー合流を促した状態で、前年の同時期との渋滞状況を比較したところ、交通量はほぼ横ばいであったにもかかわらず、渋滞による損失時間が約3割減少したという結果になりました。

 また、渋滞区間の平均通過時間は、名神IC付近では約13分から約10分に約3分間短縮される結果となりました。

 なかには「渋滞がわかっているのに先頭まで進んで合流するのは気が引ける」、「渋滞を追い越して先まで行くのはずるい」と思う人もいるかもしれませんが、合流地点を1か所にすることにより、本線車両がスムーズに流れやすいというのが実情です。

 NEXCO中日本の担当者もファスナー合流について「もっとも安全で、クルマの流れを極力妨げない方法です」と説明し、以下のように話を続けます。

「本線の車間が空いている場所を見つけて、右ウィンカーを出して割り込むようなかたちで合流するクルマも見られます。

 そうした合流は、接触事故や新たな渋滞を引き起こす原因にもなるため、加速車線を使い切っての合流をお勧めします」

 渋滞が増える要因には必要以上の加減速が挙げられ、合流ポイントのいたるところでクルマの進入がおこなわれると、本線走行車線のブレーキを踏む回数も増え、後続車以降の流れが悪くなる傾向にあります。

 そこで合流ポイントを先頭に絞ることにより、本線を走行するクルマも合流するクルマも事前に速度の調整をおこなえるので、スムーズな合流が可能となるわけです。

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 ちなみに、ドイツでは以前からファスナー合流が導入されており、合流車は加速車線の先頭での合流が徹底されていて、妨害すると違反扱いになるほどとなっています。

 2021年3月には、NEXCO東日本の管轄である圏央道でも、ファスナー合流の試験運用がおこなわれました。

 路線にかかわらず、ファスナー合流が本線との合流において円滑な流れなだということは間違い無さそうです。

 しかし、なかには手前で合流しようとするクルマを無理矢理追い越して、先頭から合流するクルマも見かけられますが、かえって危険性が伴うこともあり、注意が必要です。