クルマの運転には「普通自動車第一種運転免許」の取得が必要ですが、この免許を保有していると原付も運転することが可能です。クルマの免許で原動機付自転車が運転できてしまうのはなぜなのでしょうか。

「原付」はバイクじゃなくて自転車?クルマの免許で運転できる理由は?

 公道でクルマを運転するためには、「普通自動車第一種運転免許」(以下、普通免許)の取得が必須となります。

 この免許を保有していると原付も運転することが可能です。クルマの免許で原付が運転できてしまうのはなぜなのでしょうか。

 普通免許は、18歳以上から取得することができ、自動車免許のなかでも、もっとも保有者数が多い免許になっています。

 普通免許には大きく分けてふたつの種類があり、MT車とAT車のどちらも運転できる通常の普通免許と、AT車の運転のみ認められた「普通自動車第一種運転免許(AT限定)」から撰択できます。

 どちらの免許を選択した場合でも、普通乗用車に加えて、小型特殊自動車と原動機付自転車(以下、原付)を運転することが可能です。

 とくに、原付はクルマに比べて初期費用や維持費が安価で済むうえに、保管場所にもさほど困らないため、普通免許の取得後、クルマではなく原付を保有・運転しているという人も少なくありません。

 一方で、原付とクルマでは、運転方法などが異なりますが、なぜ、クルマの免許で原付まで運転できるようになっているのでしょうか。

 実際にいくつかの免許センターなどに理由を訪ねてみたところ「詳細な情報が不明」だといいます。

 その一方で都内の自動車教習所の指導員は、以下のように話します。

 「昔は原付はバイクというより自転車の延長線上にある乗り物のひとつでした。

 昔は原付に対するルールがゆるく、原付を運転するのには、クルマほど高度な技術が求められるわけでもないことから、普通免許で運転する許可を得られるのではないかと思います」

 いまでこそ「原付バイク」などと呼ばれることもある原付ですが、正式名称を見るとわかるように、あくまでも原動機付“自転車”となっており、初めて誕生したとされる原付も、自転車に小型のガソリンエンジンを取り付けた程度のものでした。
 
 さらに、原付の運転に免許が必要になったのは1960年のことです。自転車の延長であった原付は、届出を出すことで誰でも気軽に運転ができるものになっていました。

 現在の道路交通法など、法律的な内容をより深掘りしてみても、原付はバイクと違って、四輪車用の駐車場ではなく、自転車用の駐輪場に駐車するものとされています。

 普通免許で原付が運転できる背景には、このようにそもそも原付が自転車の延長の乗り物であり、免許を要するほど、運転の難易度が高いものではないとみなされていることが関係しているようです。

 なお、自動車教習所で普通免許の教習を受けると、必須で原付に関する項目についても学びます。

 原付の運転方法なども一通り教わるうえ、基本となる道路交通法はクルマも原付も同じであるため、普通免許の取得過程で、原付についてもじゅうぶんな理解を深められるようになっているのです。

「原付」には「一種」と「二種」が存在! 何が違うの?

 このように、原付は普通免許を取得することで運転する資格が得られますが、ここでいう「原付」とは、あくまでも50cc以下の「原付一種」であり、「原付二種」とは異なります。

 原付二種は、その正式名称を「小型限定普通車二輪車」といいます。

 原付一種では、排気量は50cc以下、最高速度は30km/hまでとなっていますが、原付二種では、排気量は125cc以下、最高速度は60km/hとなり、両車には大きな差があることがわかります。

 原付一種と原付二種の免許が法的に区分されたのは1960年のことで、二輪車の免許は、当時は「原付一種(50cc以下)」「原付二種(125cc以下)」「自動二輪(制限なし)」の3つの区分でした。

 しかしその後、原付二種はそのほかのバイクと統合され、免許の区分は、原付一種のみを指す「原付」と、原付二種やそのほかのバイクを指す「自動二輪」のふたつに変更されました。

 また、原付のみの運転が許可される「原動機付自転車免許」の取得の際には、技能試験がなく、自動車教習所での教習も3時間程度しかおこなわれません。

 このことからも、原動機付自転車免許取得のハードルは比較的低くなっていることがわかります。