日本一の渋滞スポットといわれる東名高速道路の「大和トンネル付近」。そんな大和トンネルでは2022年7月に拡幅工事が完了し、付加車線が設置されましたが、実際に渋滞は緩和されたのでしょうか。

大和トンネル付近は拡幅工事によって渋滞は緩和された?

 高速道路を利用したドライブや外出の際、不安になる要素のひとつとして挙げられるのが渋滞です。
 
 なかでも東名高速道路の「大和トンネル」付近の「海老名JCT-横浜町田IC」は、渋滞が発生しやすいことで有名な区間となっています。
 
 そんな大和トンネル付近では2022年7月に拡幅工事が完了し、付加車線が設置されましたが、実際に渋滞は緩和されたのでしょうか。

 渋滞には発生しやすい区間や道路が存在しており、国土交通省が2019年に公表した「高速道路の交通状況ランキング」では、1位から順に東名高速道路「海老名JCT-横浜町田IC(上り)」、中央自動車道「調布IC-高井戸IC(上り)」、東名高速道路「東名川崎IC-東京IC(上り)」、東名高速道路「横浜町田IC-海老名JCT(下り)」となっています。

 また、NEXCO中日本では主要な渋滞箇所として、東名高速道路「横浜町田IC-海老名JCT」「大和トンネル付近」「綾瀬バスストップ付近」を挙げています。

 ランキングの1位と3位にランクインしている区間は「大和トンネル」を先頭に渋滞が発生しやすい箇所にもなっており、渋滞損失時間は上り・下り合わせて約287時間/年となっています。

 そんな大和トンネル付近とされているこの渋滞箇所は、近年では「綾瀬スマートIC」が設置され、現在では「綾瀬スマートIC」と呼ばれることが多くなっています。

 綾瀬スマートICは、2021年3月に新しく開通したトンネルとなっており、最近では「綾瀬スマートIC付近を先頭に◯◯kmの渋滞」といったアナウンスを耳にすることが多くあります。

 実際に、2022年のシルバーウィークに当たる9月17日-9月19日、9月23日-9月25日の3連休の間で、綾瀬スマートIC付近では下りで最長で25kmの渋滞が発生しています。

 そんな大和トンネル付近(綾瀬スマートIC付近)ですが、NEXCO中日本では渋滞対策として拡幅工事を実施し、2021年7月14日からは、付加車線の一部運用(上り線約3km、下り線約2km)を開始しました。

 付加車線とは、自動車専用道路および高速道路の侵入部や合流部における、本線の側道部のことを指しています。

 では、この大和トンネル(綾瀬スマートIC)付近では、この工事によって実際に渋滞が緩和されたのでしょうか。

 NEXCO中日本の担当者は、実際の渋滞緩和状況について以下のように話します。

「大和トンネルの拡幅工事を実施したことによって、現状ではわかりやすく渋滞が減少したとははっきりといえないのが実情です。

 これは付加車線を実際に活用している人がまだ少ないことが挙げられます。

 付加車線の開通直後では、まだ付加車線に慣れ親しんでいない人が多く、うまく活用できている人が少ないようです

 ただ、今後付加車線の存在や正しい利用方法をより多くの人に知ってもらうような取り組みを実施したり、さらなる道路の工事をおこなったりすることによって、さらに渋滞緩和に繋がっていくのではないかと思います」

なぜ大和トンネル付近は渋滞しやすい?

 大和トンネル付近は非常に渋滞が発生しやすい区間として、取り上げられることが多くみられますが、そもそもなぜ渋滞が発生しやすいのでしょうか。

 そもそも渋滞が発生しやすい箇所として、NEXCO各社ではいくつかのケースを挙げています。

 まず挙げられるのが「サグ部」と呼ばれる道路です。

 サグ部とは、下り坂から上り坂にさしかかる部分のことを指し、そういったサグ部では、無意識のうちにスピードを下げた状態で走行してしまう運転者が多く見られます。

 速度の遅いクルマが続くことによって前後のクルマとの車間距離が短くなり、詰まってしまい、渋滞が発生してしまいます。

 また、トンネルの入り口も渋滞が発生しやすい区間のひとつです。トンネルの入り口部分は、暗くなっており、さらに閉鎖された空間になるため、圧迫感から自然と速度が低下した状態になってしまう傾向があります。

 さらに、ICや料金所などの区間でも渋滞が発生しやすくなります。

 ICや料金所などでは、合流車が流れてきたり、一時的にクルマが徐行し停止をしなければいけなかったりと、一時的に交通容量が不足してしまうため、クルマが詰まりやすく、渋滞が起こりやすくなります。

 上記に挙げた渋滞の原因となる要素がすべて備わっているのが、大和トンネル(綾瀬スマートIC)付近となっています。

 加えて、出入口に設置されているNシステムをオービスと勘違いしてしまうことによって、一時的にスピードを低下させて走行してしまうクルマが多いことも原因のひとつといえそうです。

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 渋滞を回避するためには、事前に渋滞しやすい区間や箇所を調査しておくことはもちろん、渋滞が発生しやすい原因を知っておくことによって渋滞が発生しないようなクルマの運転を心がけることも重要です。