高速道路の案内板に掲示される「ここから渋滞◯◯km」の表示は、渋滞通過に際し非常に有益な情報です。しかしどうやって計測し、リアルタイムに表示できるのでしょうか。

高速道路上には交通量を測る「計測機器」がくまなく設置されていた!?

 週末の高速道路で人々の頭を悩ませるのが「渋滞」ですが、その渋滞を避けるために役に立つのが、ラジオの道路交通情報などで知らされる「渋滞情報」です。
 
 なかでも、道路の電光表示板にリアルタイムで表示される「ここから渋滞◯◯km」といった情報の正確さに助けられた人も多いと思いますが、果たしてどのような方法で調べられているのでしょうか。

 高速道路上で、リアルタイムの車両走行状況や渋滞情報などを収集するため設置されている計測器があります。

 それが「トラフィックカウンター」とよばれる機器です。

 トラフィックカウンターには複数のタイプがあり、地面に埋没されたコイル式、カメラを用いた画像処理式、超音波を用いた超音波式など、その道路に最も適した方式が用いられています。

 東日本エリアの高速道路を管轄する東日本高速道路(NEXCO東日本)によると、首都圏近郊ではトラフィックカウンターが2kmおきに設置されており、通行したクルマの台数や小型車、大型車の判別、通過速度などを計測しているといいます。

 また東京都心部を中心に首都圏をカバーする首都高速道路(首都高)では、さらに細かく超音波式のトラフィックカウンターを300mから600mの間隔で設置しています。

 超音波式のトラフィックカウンターは、1セットでふたつの感知器を5m間隔に置くことで、通過速度を算出しているといいます。

 こうした各地のデータが、リアルタイムで各地の道路交通管制センターへと常に集約されているのです。

 ただし渋滞情報のデータ元はこれだけではありません。

 トラフィックカウンターから絶えず届くデータ以外にも、人の目による情報も反映されているといいます。

高速道路巡回パトロールカーや料金所職員による報告も反映

 高速道路では、道路巡回車と呼ばれるパトロールカーが、安全のため24時間パトロールをおこなっています。

 トラフィックカウンターだけではなく、こうした現場からの情報も同時に道路交通管制センターへ集約されています。

 道路巡回車は黄色いパトカーのような外観で、部分的に赤と白のしま模様も施され、遠くからでも識別しやすいようになっています(地域により異なるカラーリングの場合もあります)。

 道路巡回車は交通管理隊などと呼ばれる組織によって、高速道路の巡回の際に用いられます。

 交通管理隊の主な職務は、高速道路の安全を守るために道路の情報を収集したり、走行したクルマの落とし物などの「路上障害物」の撤去をおこなうことですが、高速道路の渋滞や事故、故障車、落下物などを確認すると、道路交通管制センターに知らせるという重要な役割もあります。

 つまり、人の目による正確な現場情報もリアルタイムで寄せられているという訳です。

 人の目という意味では、料金所係員による報告情報も集約しています。

 例えば料金所付近で渋滞を確認した場合に、道路管理センターへ報告する流れとなります。

 報告を受けた道路交通管制センターは、インターチェンジ付近の渋滞情報として人々に知らせています。

 ETCの普及により、近年では料金所係員の数を減らしていますが、金銭のやり取りの業務のほかにも。交通情報の問い合わせの対応や、ETCの監視など、多くの業務をおこなっています。

 インターチェンジ付近は渋滞が発生しやすい場所なので、渋滞情報の報告も料金所係員の重要な業務のひとつに含まれているのです。

 各所からのトラフィックカウンターのデータやパトロールカー、料金所からの報告などとあわせ、様々な情報が道路交通管制センターへ一元化されます。

 このようにして、道路交通管制センターでの道路や施設の状況把握をおこなうと同時に、気候観測装置の情報なども加味しながら、24時間365日絶え間なくリアルタイムな道路交通情報として発信される仕組みができあがっているのです。