中国でトヨタ新型「bZ4X」が発売されました。すでに、日本仕様の新型bZ4Xはトヨタのサブスクリプションサービス「KINTO」を通しての販売されていますが、中国仕様にはどのような特徴があるのでしょうか。

トヨタ新型「bZ4X」満を持して発売! 日本向けとはどう違う?

 トヨタの世界戦略EVブランド「bZ」。2022年5月に日本で発売された第1弾となる新型SUV「bZ4X」は一時、ホイールボルトの不具合でリコール、生産・販売も中止していましたが、現在は解決したうえで販売を再開しました。
 
 そして2022年10月、新型bZ4Xがいよいよ中国でも発売となります。

 満を持してトヨタが世に送り出した新型bZ4Xは、2021年4月の上海モーターショーにて発表されました。

 スバルからは兄弟車「ソルテラ」が展開されていますが、ソルテラは普通に販売されているのに対し、日本仕様の新型bZ4Xはトヨタのサブスクリプションサービス「KINTO」を通しての販売のみとなります。

 日本仕様では前輪駆動と四輪駆動の2種類を用意。バッテリーは両モデルとも
容量71.4 kWhのリチウムイオン電池を搭載(北米仕様では四輪駆動のみ容量72.8 kWh)、航続距離はWLTC方式で前者が559 km、後者が540 kmです。

 これまでもトヨタは「RAV4 EV」や「C-HR EV」、「イゾア EV」、レクサスからは「UX 300e」を展開していましたが、新型bZ4Xが特徴的なのは最初からEVであることを前提に設計された「EV専用車」という点。

 これにより、今までのトヨタ製EVよりも大幅に進化した乗り味や航続距離を提供できるようになりました。

 また、トヨタ製EV初のグローバルモデルという点も新しい要素です。とくに、新型bZ4Xは中国で世界初公開されており、中国市場を意識していることもここから読み取れます。

 そんな中国市場での新型bZ4Xですが、これまでのトヨタ車とは異なり、2つの合弁会社から「同じ名前とデザイン」で販売されるという特殊な形態になります。

 ここでおさらいしておきたいのが、中国特有の「合弁会社」というシステムです。

 中国では輸入車に対して高い関税を課しており(2018年7月から9座席以下の乗用車に対しては25%→15%に引き下げられました)、それを回避するために多くの外国メーカーは一部モデルを中国国内で生産しています。

 また、合弁なしでは中国国内での生産が最近まで許可されていなかったため、海外メーカーは中国メーカーと合弁会社を設立、その工場で自社モデルを生産することになります。

 トヨタもその例外ではなく、アルファードやヴェルファイア、GR86、そしてGRスープラといった一部モデルを除いて、 中国で販売するモデルは中国で生産しています。

 トヨタが現在展開する合弁会社は主に2社存在し、それぞれ第一汽車との「一汽トヨタ」、広州汽車との「広汽トヨタ」です。

 トヨタではひとつの車種を、デザインと名前を変えた姉妹車としてふたつの合弁会社から展開するのが当たり前となっています。

 例えば、トヨタの小型セダン「カローラ」は、日本ではもちろんカローラとしてお馴染みで、中国でも一汽トヨタがカローラを製造・販売する一方、同じカローラでも広汽トヨタからはデザインの異なる姉妹車が「レビン」として展開されています。

 カローラとレビン以外にも、一汽トヨタと広汽トヨタからは、「ヴィオス/ヤリスL」、「アリオン/レビンGT」、「イゾア/C-HR」、「カローラクロス/フロントランダー」、「RAV4/ワイルドランダー」、「ハリアー/ヴェンザ」、「クラウンクルーガー/ハイランダー」、「グランビア/シエナ」がそれぞれ姉妹車として展開されています。

 しかし、今回の新型bZ4Xはこれまでとは異なり、一汽トヨタと広汽トヨタの両方が「bZ4X」を製造し、販売をおこないます。

日本と中国で何が違うのか…ボディカラーは中国専用が豪華!?

 中国仕様のデザインも全く同一のものとなっており、会社間の差別化も図られていません。

 こうした背景にはトヨタがまとめて「bZシリーズ」の一員として展開したいという考えがあると見られます。

 また、価格も両者とも足並みを揃え、ベースグレードは19万9800元(邦貨換算:約406万8100円)からスタート。

 一汽トヨタでは5つのグレードを展開し、もっとも高額である「四駆高性能Premium」グレードでは28万4800元(約579万8800円)。

 一方で、広汽トヨタ版bZ4Xも同じく5グレード、上から2番目のグレードまでは同じ価格となりますが、最上級グレード「X-MODE四駆Ultra」は一汽トヨタより3000元高い、28万7800元(約585万9900円)です。

 ボディカラーのラインナップも日本仕様と異なります。

 日本仕様ではベース色として「プラチナホワイトパールマイカ」「プレシャスシルバー」「プレシャスメタル」「ブラック」「エモーショナルレッドII」「ダークブルーマイカ」の6色を展開。

 一方の中国仕様では「ダークブルーマイカ」が存在しない代わりに、中国限定のシャンパンゴールドのような「暮光金」、そしてパールシルバーのような「皎月銀」の2色が追加されています。

 バッテリーは、日本仕様ではトヨタとパナソニックが共同出資する「プライムプラネット エナジー&ソリューションズ(PPES)」製の容量71.4 kWhのみです。

 それに対し、中国仕様では中国バッテリー大手「寧徳時代(CATL)」が製造、ベースグレードは容量50.3 kWh、それ以上のモデルが容量66.7 kWhとなります。

 また、航続距離(中国独自のCLTC方式)はベースグレードが400km、「長続」グレードの前輪駆動モデルが615km、そして「長続」の四輪駆動モデルが560kmとです。

 ちなみにバッテリー保証は日本と同様の10年20万キロとなっています。このように、新型bZ4Xは仕向地によって仕様の違いが見られるというわけです。

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 これまでもトヨタは中国でEVを販売していましたが、この新型bZ4Xをもってして、さらに販売台数を増やしていくことでしょう。

 同じ2022年10月には中国の自動車メーカー「BYD」と共同で開発した純電動セダン「bZ3」も正式に発表されており、今後トヨタが見せるBEV戦略の本気度がますます加速しそうです。