2022年11月10日から13日に愛知県・岐阜県にてWRCの最終戦「ラリーチャレンジ」が開催されます。そんな開催直前にGRヤリス&GRカローラをダートで乗ってみました。

待望のGRカローラ乗ってみた! その印象は? GRヤリスと違うのか

 トヨタはこれまで1999年に生産終了した「セリカ GT-FOUR」以降、「スポーツ4WD」を特徴とするモデルが不在でした。
 
 しかし、2020年1月に発表された「GRヤリス」は、20年ぶりに「スポーツ4WD」の特徴を持つモデルとして20年ぶりに復活を遂げたのです。
 
 そして、2022年4月に発表された「GRカローラ」もまたスポーツ4WDモデルとなりますが、それぞれにはどのような特徴があるのでしょうか。

 GRヤリスは、WRC(FIA 世界ラリー選手権)を通じて、各国のユーザーが普段走っている世界のさまざまな道で人とクルマを鍛える「もっといいクルマづくり」を軸に「誰もが安心して思いのままに運転できる」クルマとして開発されました。

 核となるスポーツ4WDプラットフォームに加えて、WRCの現場からのフィードバックを踏まえ、バランスの取れた高剛性ボディの実現や前後のサスペンションジオメトリを最適化。

 さらに多板クラッチによる前後駆動力可変システム採用の新開発スポーツ4WDシステム「GR-FOUR」との組み合わせによって、高次元での動的性能を追求しています。

 パワートレインラインナップの核となる1.6リッター直列3気筒直噴ターボエンジンは、エンジンの高回転化やターボチャージャーなど吸排気系の最適化によって、最高出力272馬力/最大トルク37.7kgf・mを発揮。

 このパワーをGR-FOURによって余すことなく四輪に伝えるほか、前後駆動力配分の自由度を拡大し、より卓越した走行安定性を実現しています。

 なお、GRヤリスは発売後も進化する「アップグレード」や「パーソナライズ」というサービスを展開しています。

 一方のGRカローラは、レースで勝つために鍛えたクルマを市販化するという、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を実践。

 GRヤリス同様にGR-FOURを採用し、サーキットやダート、雪道などさまざまなシーンで安心して走りを楽しめるクルマとなっています。

 パワートレインには、GRヤリスにも搭載した1.6リッター直列3気筒インタークーラーターボエンジンをさらに強化することで最高出力304馬力/最大トルク40.8kgf・mを発揮。

 スポーツ4WDのGR-FOURは、スーパー耐久シリーズに参戦する「水素カローラ」の開発を経て、GRカローラ仕様に最適化。これにより限界領域でも安心・安全にコントロールできるクルマに仕上げたといいます。

 GRカローラにはラインナップにはさらに「本気で走りを楽しむ仕様」となる「GRカローラ モリゾウエディション」を用意。

 この仕様は後席を外した2人乗りとなるほか、徹底した軽量化、エンジントルクアップ、ギア比最適化などもおこなっています。

GRヤリス&GRカローラをMT運転不慣れな筆者が試乗してみた…どきどき。

 そうしたなかで、今回GRヤリスとGRカローラをサーキットとダート(砂利場)で乗り比べる機会がありました。

 サーキットでは、「GRヤリス RZ“High performance”」、「GRカローラ RZ(プロトタイプ)」、「GRカローラ モリゾウエディション(プロトタイプ)」を乗り比べます。

 最初にGRヤリス RZ“High performance”から試乗し、1280kgというその軽さにより気持ちよく走るものの、運転に不慣れな筆者からすると少し不安な面もありました。

 次に乗った「GRカローラ RZ(プロトタイプ)」では、1470kgと、GRヤリスより重いもののホイールベースやトレッド幅があることで安定したコーナリングかつ、約30馬力増えている部分の恩恵もあり、多少の下手さもカバーする余裕がある運転が可能です。

 そして、最後に「GRカローラ モリゾウエディション(プロトタイプ)」を試乗。

 モリゾウ自らハンドルを握り「お客様を魅了する野性味」を追求して作り込んだモデルということもあり、めったにMTを乗らない筆者でも発進時に回転数をあげる「iMT」の効果や、トルクフルでずっと乗っていたい「走りの気持ちよさ」を体感出来ました。

 この3台はそれぞれに特性が異なりますが、筆者としては複数台所有が可能で走りが好きな人にはGRカローラ モリゾウエディション。家族兼用でMTでも問題なければGRカローラ RZをお勧めしたいところです。

 一方のダートでは「GRヤリス RZ」と「GRカローラ モリゾウエディション」に非売品のダート仕様パーツを装着した2台に試乗します。

 試乗前に全日本ラリー選手権にも参戦する勝田範彦選手の横に同乗。コース説明を兼ねての同乗ですがスタートからその速さに驚愕して瞬く間に終了しました。

 そして、ダート初心者の筆者は、最初にGRヤリス RZで特設コースを走ります。1速、2速をメインに使いながらハンドルとアクセルワークでダートを体感するも勝田選手のような走りは出来ず。

 それでも、軽さが特徴のGRヤリスでは、タイトな操作でもドライバーの意図通りにコースを走ることが出来ました。

 次に乗った「GRカローラ モリゾウエディション」は、開発車両でもありサイドブレーキは油圧式です。

 走り出しからGRヤリスよりパワーのある動きを体感するも、重量も増していることから、アンダーステア(外側に膨れてしまう現象)を連発。ダートでは、軽さを活かせるGRヤリスのほうが楽しめるかもしれません。

 なお、すでに発売から2年が経過しているGRヤリスは、トヨタが主催する「ラリーチャレンジ」や、スーパー耐久シリーズをはじめさまざまなモータースポーツでも活躍しているといいます。

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 同じスポーツ4WDのGR-FOURを搭載するも、絶妙に違いのあるGRヤリスとGRカローラですが、セリカ GT-FOUR以降で「トヨタの走りが楽しい4WD」を欲していたユーザーには待望のモデルといえそうです。

 そんななか2022年11月10日から13日に愛知県・岐阜県にてWRCの最終戦「ラリーチャレンジ」が開催されます。

 トヨタはGRヤリスをベースとした「GR YARIS Rally1 HYBRID」で参戦するため、大きな盛り上がりを見せています。

 すでに観戦券はほぼ完売ではあるものの、その勇姿を見ればGRヤリスや今後発売されるGRカローラが欲しくなってしまうかもしれません。