一般的に、ドライバーは交通違反をすると切符が切られる仕組みです。ではパトカーには交通違反が適用されるのでしょうか。

パトカーに交通違反は適用される?

 SNSではたびたび「パトカーが路上駐車をしているのを見かけた」「結構なスピードを出して走っていた」などの投稿が寄せられることがあります。
 
 これらは一般の車両であれば交通違反になる可能性のある行為ですが、パトカーには交通違反が適用されるのでしょうか。

 そもそもパトカーは業務によって交通違反とならないケースが多くあります。

 例えば、パトカーが赤色の警光灯を点灯させ、サイレンを鳴らしながら緊急走行をしている場合です。

 この状態のパトカーは「緊急自動車」と呼ばれ、急な事件・事故など緊急の用務で走っているという特性上、ある一定の違反行為については特例が認められています。

 緊急自動車の特例規定として、右側通行、停止義務の免除、通行禁止道路の通行、車両通行帯に従わない通行があります。

 このほか、指定横断禁止等に従わない通行、追越し禁止場所での追越し特例、車両の右左折方法に従わない通行、指定通行区分に従わない通行、横断歩道接近時の減速義務免除、最高速度の特例も挙げられます。

 これらの特例について一部紹介すると、停止義務の免除について、例えば赤信号や一時停止場所など本来停止しなければいけない場合でも、緊急走行中であれば停止しなくても良いというものです。

 ただし、この場合でも他の車両の通行に注意して徐行することは免除されないため、しっかりと安全確認をおこなう必要があります。

 最高速度の特例では、一般道では時速80キロメートルまで、高速道路では時速100キロメートルまでであれば、制限速度以上のスピードで走行することが可能となります。

 さらに、スピード違反を取り締まり中の緊急自動車については最高速度の制限がありません。このように、緊急自動車には多くの特例が認められています。

 そのほかパトカーに交通違反が適用されないケースについては、各都道府県公安委員会の道路交通規則に定められています。

 東京都道路交通規則を例に見ると、第2条には「交通規制の対象から除く車両」が定められています。

 そのなかには、「犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締り、警備活動その他警察活動のため警察職員が使用中の車両」については、車両通行禁止や駐車禁止の規制対象から除外されると定められています。

 つまり東京都においては、捜査や交通取り締まりなどをおこなっているパトカーであれば通行禁止の場所を通ったり、駐車禁止の場所に駐車するといったことが可能になり、一般的な交通取り締まりの対象にはなりません。

 この道路交通規則は各都道府県によって異なりますが、同様の内容が定められていることが多くなっています。

 ここまでパトカーに交通違反が適用されないケースについて見てきましたが、緊急自動車の特例に定められていない交通違反や、各都道府県の道路交通規則で除外されていない交通違反をおこなえば、もちろんパトカーであっても交通違反が成立します。

 交通違反を取り締まるという立場上、警察官が交通違反をすることは望ましくありませんが、もしパトカーが走行中に交通違反をしてしまった場合には、通常の交通取り締まりと同様にその地域を管轄する警察署などの警察官によって切符を切られます。

 過去には、住民から交通違反の指摘を受けた警察官がその場で交通課の警察官を呼び、反則切符を切られたというニュースが報じられたこともありました。

 あまり多くはないケースですが、交通違反の内容が酒酔い運転、無免許運転、大幅な制限速度超過などの重大な違反だった場合には、道路交通法上の処分とは別に警察での懲戒処分が下される場合もあります。

 最近では警察官の勤務中の様子がツイッターやYouTubeなどSNSに投稿されることが増加しているため、警察では言動に注意するよう指導がおこなわれているようです。

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 パトカーは緊急走行中や業務の内容によって、本来交通違反となる行為でも交通違反が適用されないケースがあります。

 しかし、パトカーがそれ以外の交通違反をした場合には通常の交通取り締まりと同じように、運転していた警察官が交通反則切符を切られることになるのです。