中国におけるトヨタの合弁会社の「一汽トヨタ」は中国向けに新型「クラウンスポーツクロス」を発表しました。どのような特徴があるのでしょうか。

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 2022年11月15日、中国におけるトヨタの合弁会社の1つ「一汽トヨタ」は中国向けに新型クラウンを発表しました。

 クラウンはトヨタを象徴するモデルです。初代が1955年に登場して以来、日本を中心として多くの人々にとってあこがれの高級車であり続けてきました。

 2022年7月には最新となる16代目クラウン(S230)がお披露目となりましたが、まずはクロスオーバーモデルが発売となり、大きな話題になりました。

 同時に発表されたエステート、スポーツ(コンパクトSUV)、そしてセダンの3ボディタイプも次の2年間で販売を予定しています。

 中国で新たに発表されたクラウンは、すでに日本でも「クラウンクロスオーバー」として発売されているモデルです。

 ですが、中国向けの独自の名称として「クラウン スポーツクロス(SportCrossと表記)」の名が与えられています。

 クラウンといえばメイン市場は日本で、海外展開もあまりされていない印象がありますが、実は長年にわたってクラウンが輸入、製造、販売されてきた国がありました。それが中国です。

 中国では1964年4月に最初のクラウンが輸入され、80年代から90年代にかけては大変な人気となりました。

 また、香港では一般用だけでなく、香港の象徴的な存在である「香港タクシー(香港的士)」としても長きにわたって親しまれています。

 2018年からは「コンフォート ハイブリッド」の名前で「ジャパンタクシー」が香港へ輸出され、現地のクラウンを置き換え始めていますが、今でも街中では多くのセダン型クラウンのタクシーが走っています。

 販売台数の低迷を受けて一時期は中国本土への輸出がおこなわれなくなりましたが、2005年には「現地生産」という形で再び中国本土に王冠のエンブレムが舞い戻りました。

 生産・販売は第一汽車との合弁会社「一汽トヨタ」が担当していましたが、2020年4月には従来のセダンモデルの製造を14代目モデル(S210)で終了、その15年間続いた歴史に幕を下ろしています。

 ですが、2021年には大型SUV「ハイランダー」を「クラウン クルーガー」、そしてミニバン「ヴェルファイア」を「クラウン ヴェルファイア」として発表し、クラウンの名前が1年の空白期間を経て復活することとなりました。

 一汽トヨタの思惑としては、SUVやミニバンなどの昨今人気となっている車種に、伝統ある「クラウン」の名前を与えてさらなるイメージアップ、販売力アップを狙うつもりがあったのだと推測します。

 そして今回、中国におけるこの「新生クラウンファミリー」に「クラウン スポーツクロス」が加わるという形になったわけです。

 中国仕様の新型クラウンのデザインやパワートレインは基本的に日本仕様と同一です。

「王冠」エンブレムも先に発表された北米仕様では通常のトヨタエンブレムに置き換えられていましたが、中国仕様ではしっかりと「王冠」エンブレムになっています。

 また、中国におけるクラウンの販売体制も強化をおこなっていくと発表会では明言されました。

 まずは中国全土に12か所の「クラウン専門ディーラー」を2022年内までに開設していくとのこと。

 そして2025年までにその数を約40店舗までに増やすという計画が発表されました。

 加えて、日本では2023年に発売を予定している「セダン」モデルについても中国へ導入することが明らかにされています。

 中国では依然として保守的なボディスタイルであるセダン車種への需要が強い傾向にあります。

 日本やアメリカ、欧州の各メーカーも新規セダン車種を拡充させるなど、中国におけるセダン需要を重要視しています。

 そのなかで、「クラウン クルーガー」や「クラウン ヴェルファイア」よりも、「よりセダンらしい」シルエットを持つ新型クラウンがどのように受け入れられるのか、非常に楽しみです。