2022年11月上旬に開催された米国の「SEMAショー」。そこには発売されたばかりの日産新型「フェアレディZ(米国名:Z)」のカスタムカーが多数展示されていました。どのようなカスタマイズが施されていたのでしょうか。

やっぱりアメリカのカスタムは凄い! SEMAショーに登場したZ達

 2022年夏に日本でも販売開始となった日産の新型「フェアレディZ(RZ34)」。
 
 7代目となる最新モデルは、よりパワフルなエンジンに過去の世代を彷彿とさせる要素を数多く盛り込んだデザインが好意的な反響を寄せています。
 
 その人気は日本にとどまらず、初代フェアレディZ(米国名:ダットサン 240Z)が大ヒットを記録したアメリカでも同様です。

 2022年のSEMAショーでも、新型フェアレディZのカスタムカーが数多く出展されていました。

 SEMAショーは1967年よりSEMA(Specialty Equipment Market Association、米国自動車用品工業会)が毎年開催している世界最大級のカスタムカー・アフターマーケット見本市です。

 エアロキットやエンジンチューニング、足回り、タイヤ、オフロード用品などのカスタムパーツだけでなく、板金塗装、補修用品、カーケア用品、そして電装品など、新車販売後にかかわる「アフターマーケット」製品を各社が世界中に発表する場所となっています。

 また、各社の新製品を用いてカスタムされた各々のカスタムカーも1つの見どころとなっています。

 そうしたSEMAショーですが、会場にはどのようなカスタマイズが施された新型フェアレディZが展示されていたのでしょうか。

 まずは本家・日産が出展していた2台です。

 最近では自動車メーカーによる出展も盛んで、ほかのショーでは見られないような派手なカスタムカーがメーカーによって展示される様子は、なんともユニークです。

 日産も2018年に久々の出展をおこない、以来、毎年多種多様なカスタムカーを世界に向けて提案しています。

 2022年の出展でもっとも目を引いたのが、おそらく新型フェアレディZのドリフトマシンでしょう。

 アメリカで大人気のドリフト競技「フォーミュラドリフト」にて、3度のチャンピオンに輝いたクリス・フォースバーグが、2022年シーズンより使用している実際のマシンです。

 フォースバースは以前より先代フェアレディZ(米国名:370Z)を競技に使用しており、日産とも濃い協力関係にありました。

 2022年シーズンでは新型フェアレディZに、GT-R(R35)に搭載されるR38DETT型3.8リッターV型6気筒ツインターボエンジンを換装するなど、数多くのチューニングを施して1300馬力のモンスターマシンを作り上げました。

 SEMAショー当日はフォースバーグによるサイン会も実施され、来場したファンは大いに盛り上がりました。

 日産のブースにてもう1台展示されていたのが、新型フェアレディZをGT4のレギュレーションに合わせた競技用車両「Nissan Z GT4」です。

「GT4」とは近年人気のレースクラスで、元レースドライバーのステファン・ラテル氏が設立した「SRO」によって提唱されているレースカテゴリーとなります。

 1つ上のクラスである「GT3」が高性能・高コストの道を辿っていく現状のなかで、元々GT3が設立された「少ないコストでアマチュアドライバーが楽しめるクラス」というのをもう一度実現させたクラスがGT4です。

 現在はヨーロッパを中心にGT4クラスの競技が盛んであり、ポルシェやアウディ、トヨタなどが「カスタマーレーシング」と称し、数々のGT4マシンをチームやドライバー向けに販売しています。

 今回、日産もその流れに乗り、カスタマーレーシング向けGT4マシンの販売を発表した形となります。

 Nissan Z GT4は基本的には新型フェアレディZをベースとしているものの、重量や最高出力、最大トルクはSROが定める基準にのっとって調整されています。

 また、市販車とそっくりな形をしているものの、競技専用車両となり、公道での走行は不可能な仕様です。

 日産は2023年より日本のスーパー耐久シリーズや、SROピレリGT4アメリカシリーズなどに参戦する主要カスタマーへの供給をおこなうと発表しており、ますます新型フェアレディZが活躍する様子を見られることでしょう。

 それ以外のカスタマー向けには2023年中頃よりすべての経費込みで22万9000ドル(邦貨換算:約3177万5000円)にて受注を開始し、2024年より供給をおこなっていくと発表しています。

日産本家だけじゃない! カスタマイズメーカーが作った「Z」とは

 新型フェアレディZのカスタムカーを出展したのは日産だけではありません。

 ADVAN RacingやRAYSなどのホイール、そしてブレーキブランド「プロジェクトミュー」などの数多くの日本製品をアメリカで取り扱う「マッキン・インダストリーズ」もその1つです。

 ブースには最新のスバル「BRZ」やスバル「WRX」と並んで新型フェアレディZも展示されました。

 基本的な姿はノーマル状態とは変わらないものの、少し車高を落とし、ブレンボのキャリパーとドリルドローターを装着、そしてホイールにはRAYS gramLights 57DRを選択しています。

 ノーマルの姿を極力くずさず、車高を下げて足元をバッチリ決めるだけでもさらなる存在感を示せることの証左となっています。

 また、数々のカーボンファイバー製エアロキットを手掛ける「セイボン・カーボン」でも、出展車両の1つに新型フェアレディZを選んでいます。

 カーボンファイバーのパーツは一般的に純正外装よりも軽量化を図っており、セイボンではボンネットやルーフ、リアスポイラー、ダクトなど、数多くのカーボンファイバー製外装パーツを多種多様な車種へと提供しています。

 今回セイボンが出展した新型フェアレディZはボンネット、リアゲート、フロントリップスポイラー、そしてリアスポイラーがセイボンの製品を用いた仕様となっています。

 ホイールにはRAYSが2021年に7年ぶりの新作として発表した「VOLK RACING NE24」を装着、スリムながらも力強い印象を与えています。

 これ以外にも、数多くの出展者が新型フェアレディZを用いたカスタムカーを出展しており、アメリカにおけるフェアレディZの人気が凄まじいことの証明でもあります。