毎年、年末年始だけでなく連休になると交通量が増加し全国で渋滞が発生します。とくに2023年は全国旅行支援の実施や行動制限の緩和などにより、例年の連休よりも混雑するかもしれません。有名な渋滞スポットをおさらいしておきましょう。

渋滞スポットの原因は何がある?

 2022年は全国旅行支援や行動制限の緩和がおこなわれ、外出自粛などにより帰省や行楽地へ出かけられなかった人々が今後大勢移動することが予想されます。
 
 そこで必ず起こるのが「渋滞」。今一度、有名渋滞スポットを確認し、事前に備えておきましょう。

 国土交通省が過去に発表した「高速道路の交通状況ランキング(平成31・令和元年)」では、渋滞がよく発生する場所を上下線(内回り・外回り)別に、各IC(インターチェンジ)やJCT(ジャンクション)ごとに集計したものをランキング形式にまとめています。

 では、ワースト1位から順に見ていきましょう。

・1位:東名高速道路上り線 「海老名JCT」〜「横浜町田IC」間

・2位:中央自動車道上り線 「調布IC」〜「高井戸IC」間

・3位:東名高速道路上り線 「東名川崎IC」〜「東京IC」間

・4位:東名高速道路下り線 「横浜町田IC」〜「海老名JCT」間

・5位:東京外環自動車道内回り 「外環三郷西IC」〜「草加IC」間

 渋滞ランキングをワースト20位まで見てみると、圧倒的に「東名高速道路」の名が多く、なんと9か所もランキング入りしています。

 高速道路での交通渋滞は、人口や比較的交通量の多い関東の首都圏に集中しています。一方で、首都圏以外でも渋滞の発生する高速道路や、渋滞区間の長い区間があります。

 大阪府の吹田市から松原市へ至る近畿自動車道の下り線は摂津北IC〜近畿吹田IC間が、混雑する道路として悪名高い東名高速道路や中央自動車道の一覧をかき分け、8位にランクインしています。

 また、福岡県から九州を縦断し鹿児島県に至る九州自動車道では、上り線の鳥栖JCT〜筑紫野IC間がワースト14位にランクイン。

 このように全国津々浦々で発生する渋滞ですが、これらの渋滞スポットに関して、NEXCOの広報担当者は次のように注意を呼びかけています。

「例えば大和トンネル付近(上り)は、緩やかな下り坂から上り坂になる『サグ部』といわれる場所です。そのため、自然と速度が低下するために渋滞が発生します。

 このような場所では『速度低下注意』などの看板などで注意喚起をおこなっていますので、速度回復にご協力をお願いするほか、走行中は余計なブレーキを踏まないように十分な車間距離を確保してください。

 また、車線変更は控えるようお願いします。渋滞中における必要以上の車線変更は、さらなる渋滞の悪化を招きます」

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 人口の多い各都市圏を結ぶ路線は、年末年始やGW、お盆の帰省や行楽地への外出で交通量が増えることから、必然的に大規模な交通渋滞が引き起こされています。

 勾配のある区間では、目の錯覚により速度低下や、スピードの出しすぎに気づかないこともあります。そのため、どれくらいのスピードを出しているのか、ときどきスピードメーターでチェックすることも重要です。

 それにより、自分や周囲のクルマとも適切な車間距離を保つことができ、不要な加減速や、ブレーキ操作を行わずに済みます。

 また、渋滞中は「少しでも早く前に行きたい」という心理状態に陥ることもあります。しかし、頻繁な車線変更をおこなえば、結果として後ろのクルマにブレーキを踏ませてしまい、渋滞がより長期化する可能性があります。

渋滞スポット「ワースト5」はそれぞれどのような区間?

 ではここで、最も渋滞する区間の「ワースト5」はどこなのか、順に見ていきましょう。

・5位:東京外環自動車道内回り 「外環三郷西IC」〜「草加IC」間(埼玉県)

 千葉県北西部から埼玉県を通り、東京都練馬区へ至る東京外環自動車道(外環道)のうち、練馬区方面へと向かう内回りの外環三郷西IC〜草加ICは、ラジオなどの交通情報でもよく耳にする渋滞スポットです。

 この区間は埼玉県三郷市周辺に存在する大型商業施設を利用するクルマが元々多いうえに、手前の三郷JCTから常磐自動車道や首都高速6号三郷線から流入するクルマも多く、混雑する区間となっています。

 渋滞によって1時間を無駄にした人が、年間で何万人に上ったかをあらわす渋滞損失時間は、「105.6万人/時間」という単位で表され、影響を受けた人の内訳は以下のようになります。

 もっとも多かったのは「交通集中渋滞」が74万人、「事故渋滞」が7万人、「その他」が5万人です。

・4位:東名高速道路下り線 「横浜町田IC」〜「海老名JCT」間(東京都・神奈川県)

 東京都から愛知県を結ぶ東名高速道路の下り線、横浜町田〜海老名JCTは、いわずとしれた渋滞スポットで有名な区間です。

 横浜町田ICから流入するクルマが多く、この合流部により交通が乱れる場所ですが、2022年11月19日に合流区間が改善され、今後このランキングも変化するかもしれません。

 渋滞損失時間は110.6万人/時間とされ、渋滞で1時間を無駄にした人が年間110.6万人/時間に上ったことになります。

 内訳は「交通集中渋滞」が19万人、「事故渋滞」が12万人です。

・3位:東名高速道路上り線 「東名川崎」〜「東京IC」間(神奈川県・東京都)

 3位は東名高速の東京側の終点です。連休や祝日のみならず平日の朝にも渋滞は発生し、都心部へ向かうその先の首都高速3号渋谷線を先頭にした長い渋滞となることもあります。

 渋滞損失時間は116.6万人/時間。内訳は「交通集中渋滞」が71万人、「事故渋滞」が17万人、「工事渋滞」が5万人です。

・2位:中央自動車道上り線 「調布IC」〜「高井戸IC」間(東京都)

 東京都から山梨県、長野県、岐阜県を経由し愛知県へ至る中央自動車道は上り線の東京側最後の区間が2位でした。

 渋滞損失時間は167.0万人/時間で、その内訳は「交通集中渋滞」が106万人、「事故渋滞」が31万人、「工事渋滞」が3万人で、交通集中による渋滞ではこの区間がダントツでした。

 渋滞の長さは7.7kmと、3位の東名高速道路「東名川崎IC〜東京IC」と同じ数字ですが、渋滞損失時間は50万人以上多くなっています。

・1位:東名高速道路上り線 「海老名JCT」〜「横浜町田IC」間(神奈川県)

 ワースト1位は東名高速道路の上り線で、なんと4位の反対区間でした。

 神奈川県海老名市から横浜市緑区にまたがるこの区間は、クルマに乗らない人でも一度は耳にしたことがありそうな渋滞の名所「大和(やまと)トンネル」があります。

 同区間の下りが4位にランクインしましたが、上り線ではその先に3位の「東名川崎IC〜東京IC区間」が控えており、下り線よりも激しい渋滞が発生しやすい条件が整っています。そのため、この区間は日本で一番の渋滞スポットとなっているのです。

 渋滞損失時間は171.1万人/時間となり、影響を与えている渋滞の長さは2位の倍近い13.8kmとなっています。

 この区間の渋滞により1時間を無駄にした人が年間で171.1万人、2015年度の福岡県福岡市の総人口が約153.9万人なので、福岡市民全員よりももっと多くの人々がこの区間の渋滞で1時間を無駄にしている計算になります。

 影響を受けた人の内訳は、「交通集中渋滞」が54万人、「事故渋滞」が43万人、「工事渋滞」が3万人となり、事故により渋滞に巻き込まれるケースがダントツで多い現実となりました。

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 2023年は、行動制限も緩和され、観光産業を支援するために割引などが適用される全国旅行支援の実施など、コロナ禍で自粛を余儀なくされていたこれまでとは異なった年となりそうです。

 そのため、渋滞もコロナ前と同等かそれ以上のものとなる可能性も十分にあり、帰省や行楽などは事前に計画を練って、渋滞を避ける動きが必要です。

 NEXCO各社では、年末年始の渋滞予想や最も渋滞する時間帯などをホームページ上で公開しています。

 渋滞予想区間を通過する場合にはこうした情報も事前に参考にしながら、渋滞ピーク時間を避け、常に最新の交通情報を収集するなど余裕を持ったドライブ計画を立てるようにしましょう。