クルマで日本一周をする場合、どのようなルートが考えられるのでしょうか。また、どのくらいの費用が必要となるのでしょうか。
「クルマで日本一周」に一度はあこがれる?
ドライブが好きな人なら誰しも一度は「クルマで日本一周」を夢見たことがあるかもしれません。
一人で気ままに旅するのはもちろん、気心の知れた仲間や恋人とともに各地を巡るのは、忘れられない一生の思い出になるはずです。
では、実際に「クルマで日本一周」を実行しようとした場合、どのくらいの時間、そしてお金が必要になるのでしょうか。
まずは「日本一周」の定義を決めることからはじめたいと思います。
北海道、本州、四国、九州の4つに、無数の島を加えた島国であるため、海岸線や国境沿いを通って一周することができません。
できるだけ海岸線を通って一周するというルートも考えられますが、今回は現実的に実行可能であることを優先し、「道路元標」のある東京・日本橋を起点として北海道の最北端である稚内市を目指します。
そこから九州の南端にある鹿児島県鹿児島市を通り、東京・日本橋へと戻ってくるルートを想定します。
ルートは主要な国道を中心に走行し、必要不可欠な場合をのぞき、高速道路や有料道路などは使用しないこととし、往路と復路では可能な限り同じ道を使用しないようにします。
さらに、1日の走行距離は500km前後とし、宿泊地としてルート上にある主要都市を経由します。
以上のルールで「バーチャル日本一周」に出発してみましょう!なお、【】内は走行する主要な国道です。
●1日目(約534km)
東京・日本橋〜【国道4号】〜岩手県盛岡市
●2日目(約544km※航路含む/計約1078km)
岩手県盛岡市〜【国道4号】〜【国道279号】〜青森県大間町〜【津軽海峡フェリー(航路)】〜北海道函館市〜【国道5号】〜【国道230号】〜北海道札幌市
●3日目(約380km/計約1458km)
北海道札幌市〜【国道12号】〜北海道旭川市〜【国道40号】〜北海道稚内市
●4日目(約565km/計約2023km)
北海道稚内市〜【国道232号】〜【国道231号】〜北海道札幌市〜【国道5号】〜北海道函館市
●5日目(約491km※航路含む/計約2514km)
北海道函館市〜【津軽海峡フェリー(航路)】〜青森県大間町〜【国道279号】〜【国道4号】〜青森県青森市〜【国道7号】〜秋田県秋田市〜【国道7号】〜山形県鶴岡市
●6日目(約449km/計約2963km)
山形県鶴岡市〜【国道7号】〜新潟県新潟市〜【国道8号】〜石川県金沢市
●7日目(約484km/計約3447km)
石川県金沢市〜【国道8号】〜福井県敦賀市〜【国道27号】〜京都府京丹後町〜【国道9号】〜島根県松江市
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東京・日本橋をスタートしてから1週間となる7日目には太平洋側から北海道、そして日本海側を通って島根県まで行くことが出来るようです。
1週間で東京からぐるっと島根に。では日本一周は何日かかってお金はいくらかかる?
●8日目(約584km/計約4031km)
島根県松江市〜【国道9号】〜山口県下関市〜【関門国道トンネル】〜福岡県北九州市〜【国道3号】〜福岡県福岡市〜【国道3号】〜佐賀県鳥栖市〜【国道34号】〜長崎県長崎市
●9日目(約368km/計4399km)
長崎県長崎市〜【国道444号】〜【国道442号】〜【国道3号】〜鹿児島県鹿児島市
●10日目(約593km/計約4992km)
鹿児島県鹿児島市〜【国道10号】〜福岡県北九州市〜【関門国道トンネル】〜山口県下関市〜【国道2号】〜山口県山口市
●11日目(約517km/計約5509km)
山口市岩国市〜【国道2号】〜広島県尾道市〜【西瀬戸自動車道(しまなみ海道)】〜【国道317号】〜【国道196号】〜愛媛県松山市〜【国道56号】〜高知県高知市
●12日目(約499km/計約6008km)
知県高知市〜【国道55号】〜徳島県徳島市〜【国道11号】〜香川県高松市〜【瀬戸中央自動車道(瀬戸大橋)】〜岡山県岡山市〜【国道2号】〜兵庫県神戸市
●13日目(約564km〜計約6572km)
兵庫県神戸市〜【国道2号】〜大阪府大阪市〜【国道1号】〜京都府京都市〜【国道24号】〜奈良県奈良市〜和歌山県和歌山市〜【国道42号】〜三重県伊勢市
●14日目(約479km/計約7051km)
三重県伊勢市〜【国道23号】〜愛知県名古屋市〜【国道1号】〜東京・日本橋
今回想定したルートは、計14日間、総走行距離は約7051kmとなり、可能な限り多くの都道府県を巡るルート選定とした結果、千葉県、群馬県、山梨県、長野県、岐阜県、そして沖縄県をのぞく、41都道府県を通過することができました。
では、このルートを実行した場合、どの程度の費用が必要となるのでしょうか。自家用車(普通車)で大人2人の場合を仮定して算定していきます。
まず、最も大きなウェイトを占めると思われるガソリン代について見てみましょう。平均燃費を15km/L、ガソリン代を160円/Lとすると、7051km走行した際のガソリン代は約7万5210円です。青森県大間町〜北海道函館市の海上区間(往復約85km)はガソリンを消費しませんがここでは無視します。
次に、有料区間の料金を確認してみましょう。2日目と5日目に利用する津軽海峡フェリーでは、軽自動車では1万1650円〜、普通車(6m未満)の場合は、1万5000円〜の片道車輌運賃に加え、最も安い「スタンダード」席で、大人(12歳以上)1人につき2160円〜の片道旅客運賃が発生。普通車1台と大人2人の場合、往復で3万8640円の運賃が必要となります。
また、本州と九州、および本州と四国を往復する際にもそれぞれ高速道路を通る必要があります。
8日目に利用する関門国道トンネルは片道160円(普通)、11日目に利用する西瀬戸自動車道(しまなみ海道)は2950円(平日/ETC利用)、12日目に利用する瀬戸中央自動車道(瀬戸大橋)は2310円(平日/ETC利用)の通行料金が発生。合計すると5580円となり、ガソリン代とフェリー運賃と合わせると約11万6160円となります。
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もちろん、実際には食事や宿泊、雑費も計算に入れなければならないため、「クルマで日本一周」の総予算は30万円程度になるものと想定されます。
これだけの費用に加えて、少なくとも14日間の時間的余裕をつくりだすことは、決して簡単なことではないかも知れません。また、体力面、精神面でのタフさも求められます。
それでも、もし実際にこのルートで日本を一周したなら、それはかけがえのない思い出となることは間違いないでしょう。