クルマを洗車するとき、機械で洗ってくれる「洗車機」は便利なものです。しかし、洗車機を使えないクルマも存在しているというのですが、一体どのようなクルマが使用NGなのでしょうか。
洗車機で洗ってクルマが故障することも!
クルマが汚れたときに洗車をしますが、手洗いでおこなう人もいれば、洗車機に任せるという人もいるでしょう。
ガソリンスタンドに設置されている洗車機は短時間で効率的にクルマを洗ってくれるので便利なものですが、なかには洗車機で洗えないクルマもあります。一体どのようなクルマが「洗車機NG」なのでしょうか。
洗車機にはさまざまな種類があるのですが、フルサービスおよびセルフ式のガソリンスタンドで見かけるものは「門型洗車機」と呼ばれる洗車機が多いでしょう。
この門型洗車機を利用する際、当然ながらクルマの「全高/全幅/全長」が収まらないと洗車機は動きません。ボディがはみ出た状態で洗車機が動き出すと、クルマに傷が付いたり、大きな事故にも繋がります。
ボディサイズがオーバーしたら洗車機では洗えないことを知っているドライバーは多いと思いますが、筆者(藤本敬太)がガソリンスタンドで勤務していたとき、サイズ内にも関わらず、「洗車したらNGだった」というクルマがありました。
現在あまり見かけなくなりましたが、スズキの軽自動車「カプチーノ」がそのひとつ。
カプチーノが洗車機NGな理由は、天井が3分割式の取り外し可能な構造になっていることが挙げられます。天井継ぎ目部分とフロントドアガラスの全閉時に隙間が生じ、洗車時の水や洗浄剤が車内に侵入してしまうのです。
もうひとつは、BMW「3シリーズ(E90型)」です。
高級車として定着しているBMW 3シリーズですが、そのなかでも5代目にあたるE90型(セダン)は2005年に登場。年式も経過していることから、比較的安価で中古車市場に流通しています。
非常に構造が簡単なのですが、実際に洗車機で洗車したところ、フロントライトへの水侵入、ドアミラーの故障を経験。約5万円の修理代が必要となりました。
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カプチーノやE90の場合、水漏れ対策を事前におこなっていれば洗車機で洗車することが可能です。
カプチーノは天井ルーフの分割部分にマスキングテープなどで養生すると車内に浸水することは防げます。
E90も同様に、フロントライトの継ぎ目接合部分とドアミラーの前後接続部分に防水対策としてマスキングテープなどを貼ると良いでしょう。
流行りのルーフキャリアは洗車NG
ガソリンスタンドの洗車機の横には注意事項が掲示されています。
ボディサイズはもちろん、装備品やボディ形状、カスタムパーツなど、洗車機を使用できないクルマの条件が細かく記されています。
なかには、特定の車種を名指しして洗車NGとするものもあり、洗車機を使用する前に確認することをおすすめします。
ここでは筆者が現在も勤務しているガソリンスタンドの洗車機の注意事項を紹介します。
ホイール洗浄はオプションコースになりますが、メッキが装飾されているクルマやローダウン車は禁止事項に記載されています。
とくにローダウン車は、ホイールセンサーが反応してもフェンダーとタイヤとのクリアランスが非常に狭いため、ブラシ回転時にボディに当たってしまう可能性が高いことからNGとなっています。
また、トレーラーなどをけん引するヒッチメンバーやルーフキャリアを搭載しているクルマなども注意が必要です。
昨今はアウトドアレジャーがブームとなっており、ルーフキャリアに道具を積んでキャンプに出掛けるという人が多いほか、ファッションとしてルーフキャリアを搭載する人も増えています。そういった場合、洗車機を使えない可能性があるということを覚えておきましょう。
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ほかにも、電動スライドドアや電動テールゲートなどで、スイッチに軽く触れたり、足を抜き差しするだけで開閉できる機能が備わるクルマは、洗車機のブラシが当たって洗車中にドア開いてしまうという事例が報告されています。
そのため、電動ドアが装着されている場合、自動開閉機能をオフにしておく必要があります。