地域高規格道路「一宮西港道路」の構想が動き出しています。東海北陸道の一宮JCTから南へ進む形で構想されていますが、どのような役割があるのでしょうか。

名二環の外側に新たな環状線?

 名古屋の西側を南北に結ぶ「一宮西港道路」の構想が動き出しています。どのようなルートと役割になるのでしょうか。

 一宮西港道路は、愛知県西部の一宮市から弥富市までを南北に結ぶ計画の地域高規格道路です。名二環の西側に位置し、名神高速と東海北陸道が接続する一宮JCTと、伊勢湾岸道を結びます。

 期待される機能としては、名二環の混雑緩和、名古屋港への南北アクセス向上、道路網強化などが挙げられます。

 名古屋港を発着する物流は、北陸方面と関東方面が多い状況です。一方で終点付近に位置する名古屋港の鍋田埠頭(ふとう)や飛島埠頭では、国際海上コンテナターミナルの整備が進められており、今後、貨物量の増加も見込まれています。

 名古屋港・伊勢湾岸道と東海北陸道を結ぶルートは現在、一般道の西尾張中央道が通っていますが、一宮西港道路の整備により大型車のシフトや混雑軽減が見込まれています。

 道路計画をめぐっては、2022年3月に開かれた名古屋都市圏環状機能検討会で名古屋都市圏の今後の方向を取りまとめ、一宮西港道路の概略ルート・構造の検討に着手することを公表しました。

 2023年2月の第1回計画段階評価では、計画ルート周辺の現状や課題、政策目標などを検討。今後、地方公共団体や地域住民らからの意見聴取などを経て計画段階評価を進め、ルートや構造の策定が進んでいきます。

 なお、伊勢湾岸道の南側では、名古屋三河道路の構想も動き出しています。この道路は伊勢湾岸道から東名高速までを東西に結ぶものですが、このうち西知多道路から国道23号名豊道路までが優先整備区間に設定され、概略ルートと構造の検討が進行中です。

 一宮西港道路と名古屋三河道路が全線にわたって開通すると、名二環の外側に新たな環状道路が形成され、東京から岐阜・米原方面へ抜ける際の新たなルートになりそうです。