高規格道路「名古屋三河道路」の計画が動き出しています。伊勢湾岸道に並行するルートで検討されていますが、どのような役割があるのでしょうか。

まず「名豊道路〜西知多道路」を優先整備へ

 愛知県内で、伊勢湾岸道路のさらに南側で、「名古屋三河道路」の計画が動き出しています。どのようなルートと役割なのでしょうか。

 名古屋三河道路は、知多地域と西三河地域を東西に貫く計画の高規格道路です。

 東名の岡崎ICあたりから西へ分かれて、伊勢湾岸道の南側を並行する形で国道23号名豊道路や知多半島道路、西知多道路と交差し、名古屋港の入口にある人工島のポートアイランド付近を渡り進路を北へ変えて、伊勢湾岸道に至ります。

 東名高速から名古屋港や中部空港方面へのアクセス性を高めるほか、伊勢湾岸道とのダブルネットワーク機能により道路網の強化にもつなげます。

 また、西三河・知多地域、境川や衣浦港を渡る道路の混雑緩和も期待されます。

 この名古屋三河道路の計画をめぐっては、2022年3月の名古屋都市圏環状機能検討会で概略ルート・構造の検討に着手することが決定。ただし延長が約50kmと長いため、まず名豊道路から西知多道路までを優先整備区間に設定しました。

 その後、愛知県で検討を進めるという方向性が示され、2022年度から同県が概略ルート帯や道路構造などの概略計画を段階的に取りまとめる構想段階評価を進めています。

 2023年4月までは、地域住民らを対象に、道路網の課題や名古屋三河道路に求める役割・機能などについてのアンケートも実施中です。

 なお、名古屋三河道路が伊勢湾岸道に接続した「先」では、一宮西港道路の計画も動き出しています。この道路は伊勢湾岸道から北へ進み、名神高速と東海北陸道の一宮JCTまでを南北に結ぶ高規格道路です。

 名古屋三河道路と一宮西港道路が全線にわたって開通すると、名二環の外側に新たな環状道路が形成され、東京から岐阜・米原方面へ抜ける際の新たなルートになりそうです。