各市場に向けてEVを投入していくと発表したホンダですが、かつてスポーティさを強調した2ドアスポーツEVの登場を示唆するコンセプトカーを出展していました。

期待の「2ドアスポーツ」も市販化の話は出ず

 ホンダは2023年4月26日、電動化を含む企業変革に向けた取り組みについて発表し、2026年までに新型EV(電気自動車)を4車種国内投入すると発表しました。
 
 すでに国内で展開されているEVといえば「Honda e(以下ホンダ e)」がありますが、実は2ドアライトウェイトスポーツEVの登場を示唆するコンセプトモデルが過去の東京モーターショーで出展されていました。

 ホンダは2023年4月26日に「2023 ビジネスアップデート」を開催し、今後ホンダが展開する企業変革に向けた取り組みを発表しました。

 環境負荷ゼロを目標に掲げたうえで、その実現に向けて北米市場や中国市場でのEV投入を明らかにしています。

 日本国内では軽商用バン「N-VAN」をベースとした新型EV投入のほかに、2025年には軽乗用車「N-ONE」ベースのEV、2026年にはSUVタイプを含む小型EV2車種を発売予定とするなど、今後電動化戦略を進める方針について明言しました。

 現在展開されているEVでは、2020年8月に登場したコンパクトモデルのホンダ eがあります。

 丸を基調としたシンプルで親しみやすいデザインを採用したほか、先進運転支援システムには「ホンダ センシング」を標準装備し、また駆動用バッテリーを家屋などに供給するV2H(Vehicle to Home)や、機器などの電源となるV2L(Vehicle to Load)に対応させるなど、安全性や機能性を高めたモデルです。

 このホンダ eは2017年9月にドイツで開催された「フランクフルトモーターショー」で初公開された「Honda Urban EV Concept(アーバンイーブイコンセプト)」がベースです。

 その後、東京モーターショー2017においても出展され、市販化を明らかにしましたが、同じタイミングで「Honda Sports EV Concept(ホンダ・スポーツ・イーブイ・コンセプト、以下スポーツEVコンセプト)」という名称のコンセプトカーを世界初公開していたのです。

 スポーツEVコンセプトは2ドアクーペのコンパクトなボディに、EV性能と人工知能(AI)を組み合わせ、人とクルマがひとつになったような「操る喜び」の実現を目指したコンセプトモデルだと説明されています。

 エクステリアは抑揚のあるボディ造形や力強く張り出したフェンダーで構成され、ホンダeやアーバンイーブイコンセプトとも共通する丸いヘッドライトとブラックアウトされたフロントフェイスが特徴です。

 ロングノーズ・ショートデッキである点は、かつてホンダが販売していた2ドアライトウェイトスポーツカー「S800」や「S2000」に通ずるものを感じさせます。

 また、操る喜びといった表現や「所有する喜びと愛着が感じられる、次世代のスポーツカーを目指した」という公式でのコメントから、都市の移動に適したホンダ eやアーバンイーブイコンセプトとは異なり、走りの楽しさを追求した趣味性の高いモデルであることがうかがえます。

 しかし、東京モーターショー2017出展後、ホンダからスポーツEVコンセプトの市販化に関する続報はありません。

 同時出展のアーバンイーブイコンセプトはホンダ eとして市販化され、さらに各市場において実用的なEVの投入が相次いで発表されました。

 その一方で、歴代のホンダスポーツモデルを思わせる趣味性の高いスポーツEVコンセプトの登場を待ち望むホンダファンも少なくないかもしれません。