日産のSUVラインナップのうち、最もコンパクトなモデルが「キックス」です。同社の販売台数ランキング(登録車)では4位に位置していますが、どのようなモデルなのでしょうか。

後席快適性&荷室容量にアドバンテージあり? オシャ内装も設定

 近年人気のクロスオーバーSUVのうち、売れ筋なのが比較的コンパクトなサイズのモデルです。
 
 現在、日産ではコンパクトSUVとして「キックス」がラインナップされており、2022年度では同社の登録車(普通車)販売台数ランキングのなかでは4位に位置しています。どのようなクルマなのでしょうか。

 日産のSUVラインナップは、ミディアムサイズSUVの「エクストレイル」、バッテリーEVの「アリア」、そしてキックスが展開されています。

 自販連(日本自動車販売協会連合会)が発表している2022年度の販売台数ランキングでキックスは、日産車のラインナップのなかでコンパクトカー「ノート」、ミディアムサイズミニバン「セレナ」、エクストレイルに次ぐ4番目に人気のモデルです。

 キックスは2020年6月に発売されたコンパクトクロスオーバーSUVで、日本仕様車はタイで生産されているモデルを輸入して販売しています。

 国内のみならず、全米や東南アジア地域でも展開されているグローバル車種の1つです。

 なお、かつて同名の軽SUVを販売していたことがありますが、そちらは三菱の本格軽四輪駆動車「パジェロミニ」のOEM供給を受けたモデルで異なっています。

 キックスのボディサイズは全長4290mm×全幅1760mm×全高1605mmと、コンパクトなボディを持ちますが、全車が日産の電動技術e-POWERを採用しており、先進運転支援システム「プロパイロット」も装備しています。

 外観デザインは、近年の日産車に採用されている「Vモーショングリル」や「フローティングルーフ」のデザインが用いられ、力強さとスタイリッシュさを表現。また、ヘッドライトはLEDにすることで存在感と近未来感を演出しています。

 インテリアはキックスの特徴ともいえ、上質さとモダンさを演出。

 インパネにはダブルステッチを施したソフトパットを採用したほか、グレードにより標準のブラックに加えてブラウンやベージュ、タンの内装色も設定するなど、オシャレなカラーも用意しています。日産モータースポーツ&カスタマイズが手掛ける特別仕様車「AUTECH」バージョンも含めると計5つの内装が選択可能です。

 また、フロントウインドウ見開き角を広くとり、ウエストラインを低くすることで、運転席は開放感のある視界を実現。

 さらに、リアシートの膝周り空間は600mm、頭上空間は85mmを確保し、後席の居住性も確保しています。

 そして、ラゲッジルームの広さもキックスの魅力のひとつです。

 最大容量は423リッターを確保し、Mサイズのスーツケースを4個積載できる広さを実現。この容量はクラストップだといいます。

 搭載されるパワートレインは、1.2リッター直列3気筒エンジンにモーターを組み合わせるe-POWERを採用。発売当初は前輪駆動(FF)のみでしたが、2022年7月の改良で四輪駆動(4WD)モデルが登場しました。

 また、この際に2020年登場の3代目ノートに採用された第2世代のe-POWERが搭載され、パワーが向上したとともにエンジン始動の頻度を減らすことにより燃費と静粛性が向上しました。

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 同様のサイズを持つコンパクトSUVのライバルとして、トヨタ「ヤリスクロス」やホンダ「ヴェゼル」などがあります。

 このようなライバル車と比較して荷室容量が大きいことや、後席のレッグスペースが確保されている点、またインテリアのバリエーションも豊富なことがキックスの大きな魅力と言えるでしょう。