ダイハツ「タント」は2022年10月にマイナーチェンジを受けた後、売れ行きが復活しました。どのように進化したのでしょうか。

軽ランキングで2位が定位置に

 2022年10月にマイナーチェンジを実施したダイハツの軽トールワゴン「タント」の売れ行きが好調です。

 タントの現行モデルは2019年登場の4代目です。全国軽自動車協会連合会の月別新車販売台数の資料によると、この4代目タントは2022年9月までは5000台を記録する月もありましたが、マイナーチェンジを行った2023年10月は1万6369台まで回復し、その後も1万2000台から1万5000台ほどで安定しています。

 一般的にマイナーチェンジは、フルモデルチェンジのような大きな変化が盛り込まれることは少ないですが、今回のタントのマイナーチェンジは、その効果が販売に表れているといえます。

 タントはどのように進化したのでしょうか。

 主な変更点としては、荷室のデッキボードや進化した9インチスマホ連携ディスプレイオーディオを採用するなど、使い勝手が向上していますが、それらを上回る“成功”要因の1つとして挙げられるのは「タントカスタム」と「タントファンクロス」の存在です。

 エアログレードのタントカスタムは、立体感と車両のワイド感を強調したエクステリアに変更し、より上質で迫力のあるスタイルに進化しています。

 そしてSUVテイストの新グレードとして追加されたタントファンクロスは、アウトドアで映えるアクティブなスタイリングを実現。

 オレンジ加飾を取り入れたインテリアやグレーの迷彩柄シートを採用したほか、防水仕様のラゲッジスペースを備えたグレードです。

 発売から1か月が過ぎた2022年11月時点の受注内訳は、タントカスタムが約55%で最も多く、次いで新設定のタントファンクロス(約25%)、標準仕様のタント(約20%)と続きます。

 ダイハツによると、いずれもDNGA由来の高い基本性能や、タントの最大の特徴であるミラクルオープンドアと使い勝手の良い広い室内空間が支持されているといい、タントカスタムの上質で迫力を増したデザインも好評といいます。

 また、タントファンクロスは、アクティブでタフなデザインが男性や新規ユーザーから評価されているとのことです。

 タントがマイナーチェンジしたことによって、同モデル自体の販売が増え、軽自動車の販売ランキングも変化がありました。

 2022年通年だと1位のホンダ「N-BOX」に続きタントは2位に浮上。2023年の月別ランキングでも、タントは毎月2位につけており、最新の4月もダイハツ「ムーヴ」やスズキ「スペーシア」を抑え2位を堅守しています。タントの人気は当面続きそうです。