2023年秋に発売予定のトヨタ新型「クラウンスポーツ」は、スタイリッシュなデザインが特徴です。そんななか、リアにはこれまでにないほど小さいトヨタエンブレムが装着されているのですが、どのような経緯でエンブレムが小さくなったのでしょうか。

トヨタ最小の「T」エンブレムの訳

 トヨタは2023年5月、新型SUV「クラウンスポーツ」の実車(プロトタイプ)を報道陣やクラウンオーナーに初公開しました。
 
 新型クラウンスポーツは「エモーショナルで創造的な雰囲気を持ち、乗り降りや運転のしやすいパッケージと共に、俊敏でスポーティな走りが楽しめる、新しいカタチのスポーツSUV」をコンセプトとして開発された、クラウンシリーズのSUVとして2023年秋に発売される予定です。

 ボディサイズ(開発目標値)は、全長4710mm×全幅1880mm×全高1560mm、ホイールベース2770mm、定員は5名というパッケージを実現。4モデルあるクラウンシリーズのなかで、全長がもっとも短いモデルとなります。

 外観デザインは躍動感のある造形とし、抑揚がある面で構成されたシャープでなスタイリングに、「ハンマーヘッド」と呼ばれる、横方向に広がる上下2段のLEDライト(デイライト&ウインカー)がスタイリッシュかつワイドな印象を与えています。

 そして、その下にある丸形LEDライトはフォグランプかと思われていましたが、実はヘッドライトだったという、個性的なデザインを採用したことも話題になっています。

 そんな新型クラウンスポーツのデザインに関しては、リアのエンブレム類にも注目が集まりました。

 新型クラウンスポーツのリアは、左右分割のリアコンビネーションランプを装着。ワイドかつ踏ん張り感のあるデザインとなっています。

 そして、テールゲートには「CROWN」の文字が大きく入れられた一方で、ほぼすべてのトヨタ車に装着されている「T」を模したトヨタエンブレムが極小サイズとなって配されました。

 先に登場した「クラウンクロスオーバー」や、2023年1月に発売された新型「プリウス」も、それぞれリアに「CROWN」「PRIUS」の文字が入っている点は新型クラウンスポーツと同じなのですが、クラウンクロスオーバーとプリウスのトヨタエンブレムは通常のサイズです。

 新型クラウンスポーツのトヨタエンブレムが小さいサイズになったのには理由があるようです。

 クラウンスポーツの担当デザイナーは以下のように話します。

「左右のリアコンビネーションランプをつなげるブラックのガーニッシュ内にトヨタエンブレムを収めることになり、エンブレムを小さくする必要がありました」

 その結果、トヨタ最小のサイズになったそうです。

 この小さなトヨタエンブレムについて、「クラウンスポーツのリアエンブレムめっちゃ小さい」「クラウンスポーツのリアのトヨタマーク無くても良くね? 小さすぎ」など、SNSではその小ささに驚く書き込みが見受けられます。

 また、「クラウンスポーツのリアの真ん中の点、リアカメラであってくれと思ってたら、見たこと無いマイクロサイズのトヨタエンブレムだった」と、これまでに公開された写真などから、カメラが装着されていると思っていたというコメントもありました。

 新型クラウンスポーツはフェラーリ初のSUV「プロサングエ」とは共通性を感じるといった声も上がっており、海外高級SUVのような“日本車離れ”したデザインを特徴のひとつとしています。

 また、新型クラウンシリーズは、従来からの正統派セダンのほか、クロスオーバー、スポーツ、エステートというSUVスタイルを新たに設定し、海外でも販売されることになるなど、これまでのクラウンのイメージを覆すようなモデルに一新されました。

 そんななか、新型クラウンスポーツのエンブレムはCROWNの文字がより映えるように装着されていることから、トヨタ車というよりもクラウンというブランドをアピールする狙いがあるといえそうです。

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 新型クラウンスポーツは、ハイブリッド車とプラグインハイブリッド車が設定され、駆動方式は全車4WDです。

 ハイブリッド車が2023年秋発売予定、プラグインハイブリッド車が同年冬に発売される予定となっています。