高速道路網が充実してきたことで、ぐるりと遠回りする周回走行ができるようになってきています。ただしその場合、通行料金はどのように計算されるのでしょうか。

迂回の場合は「最短の2倍」が判断基準に

 近年、高速道路の開通やSAの充実などにより、長距離移動だけではなくドライブ目的で高速道路を利用する人も多くなりました。しかし高速道路のルートは様々であり、目的地へまっすぐ向かう路線もあれば、都心部を中心にぐるりと環状に走る路線もあります。

 環状だと入ったICから降りることも可能ですが、もし同じICで乗り降りした場合、高速道路の通行料金はどうなるのでしょうか。

 環状路線は、ずっと回り続けることが可能です。このように高速道路をぐるりと一周走ることを「周回走行」と呼びます。

 例えば降りる出口を間違えたなどの理由で高速道路を周回走行したとき、通行料金はどのようになるのでしょうか。「同じICで乗り降りした場合」「隣りのICで降りた場合」「迂回や遠回りした場合」の3通りで考えてみます。

●同じICで乗り降りした場合

「同じICで乗り降りした場合」は、高速道路に乗ってから降りるまで1回の走行とみなし、実際の経路に応じた料金が請求されます。

 テニスのラケットの形のように、走行区間が1周を超える場合や一部が重なる場合は、1周となる、もしくは重なるIC/JCTで打ち切り、残りを別区間に分けます。そして最後に各区間の料金を合算します。

●隣りのICで降りた場合

「隣りのICで降りた場合」も、「同じICで乗り降りした場合」と同様です。

●迂回や遠回りした場合

 本来であれば「A→B→C」の経路で走行できるのに、迂回や遠回りをして「A→B→D→C」のような経路を通ることがあるかもしれません。この場合、走行距離によって料金が異なるため注意が必要です。

 迂回した距離が、目的地までの最短距離の2倍を超えない場合は、通行料金は最短距離の通行料金と同じになります。例えば東京ICから名古屋ICまで東名高速で移動した場合、料金は東名より短い新東名高速経由で計算されます。

 しかし大回りして最短の2倍を超える距離を走った場合は、実際の経路に応じた通行料金を支払うことになります。

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 周回走行のときなど、実際に走った経路と乗り降りするICの距離で乖離がある場合、料金所で注意しなければならないことがあります。それは、高速道路を降りる際は、係員がいる一般レーンを利用する必要があるということです。

 ETC車でも、走行経路を正しく判別できないなどの理由によって料金所のバーが開かない可能性があります。そのため、係員のいるレーンに入り実際の走行経路を申告する必要があります。

 万が一、ETCレーンに入って開閉バーが作動しなかった場合、レーンに設置されているインターホンを利用して係員に連絡し、係員の指示に従って行動してください。自分の判断でバックやUターンするなど、危険な行動はやめましょう。

 ちなみに首都高速や阪神高速、名古屋高速で、出発地から目的地までの経路が複数ある場合は、基本的に実際の走行経路にかかわらず、最短経路の距離で料金が計算されます。