三菱自動車のSUV「エクリプスクロスPHEV」は、4WD・PHEV・比較的安価という特徴をあわせ持っており、近年はパトカーの採用例も増えています。どのようなクルマなのでしょうか。

コンセプトは「大胆にして、優雅」

 2023年4月、山梨県警察が三菱SUV「エクリプスクロスPHEV(プラグインハイブリッド)」のパトカーを富士吉田署に初配備しました。
 
 エクリプスクロスPHEVは、環境に配慮したモデルであることと、管轄地域が山がちであることから4WDの(地上高がある)SUVであること、そして何よりPHEVの中で比較的安いことが、入札の条件に一致したと考えられます。
 
 4WD・PHEV・比較的安価という特徴を同時にあわせ持つエクリプスクロスPHEVは「コストパフォーマンスが高い」ともいえますが、どのようなクルマなのでしょうか。ガソリンモデルとともに見ていきます。

 エクリプスクロスは2018年当時、三菱として4年ぶりの新型車、かつ、新規車種のSUVとして登場しました。

 デザインコンセプトは「Daring Grace(大胆にして、優雅)」で、クーペSUVらしく、タフさとともに流麗で伸びやかなスタイリングを両立。フロントデザインは、三菱車のアイデンティティである「ダイナミックシールド」を採用しています。

 2020年のマイナーチェンジでは、フロントにより鋭くなったヘッドライトを採用したほか、特徴的なリアのダブルガラスをシングルへと変更。テールランプも左右でつながったものからL字型の独立した形状に変わりました。

 パワーユニットは、PHEVモデルは2.4リッター直列4気筒エンジンにツインモーター4WDを組み合わせたPHEVシステム、ガソリンモデルは1.5リッター直列4気筒ターボエンジンをそれぞれ搭載し、2WDと4WDの両モデルを用意しています。

 2022年11月にはさらなる改良とグレード体系の見直しを実施。PHEVとガソリンの両モデルとも、グレードは「M」「Gリミテッドエディション」「G」「ブラックエディション」「P」の5種類に整理されました。

 P・Gはエレクトリックテールゲートとリアシートヒーターが標準装備となり利便性が向上。後席に設定した充電用USBポートは、ガソリンモデルのP・G・Gリミテッドエディションと、PHEVモデルのMで標準装備です。

 さらにガソリンモデルは、高速道路同一車線運転支援機能「マイパイロット」が新たに設定され、P・G・Gリミテッドエディションに標準装備されています。

 エクリプスクロスの消費税込み価格は、PHEVモデルが386万3200円から、ガソリンモデルが254万2100円からです。

 三菱のPHEVモデルではほかに「アウトランダー」がラインナップされていますが、こちらはベーシックグレードで484万1100円から設定されています。およそ100万円の差があり、エクリプスクロスPHEVの価格優位性が際立つところです。